患者さんと長く関わりたい一心で、看護師からCRC(治験コーディネーター)に転身 今、仕事が最高に楽しい

患者さんと長く関わりたい一心で、看護師からCRC(治験コーディネーター)に転身 今、仕事が最高に楽しい

患者さんと長く関わりたい一心で、
看護師からCRC(治験コーディネーター)に転身
今、仕事が最高に楽しい

このストーリーのポイント

  • 子どもの頃からの夢であった看護師。だが、仕事に働きがいを見出せなかった
  • CRCの仕事を知れば知るほど魅力を感じ、EP綜合に中途入社
  • 結婚・出産を経た今は、仕事と家庭の両立に向けて全力投球

看護師からの転職を考えていた時に、治験業界の存在を知る。自分が携わった新薬が実際に使われることへの感動や達成感、そして医療への多大な貢献はとても大きなやりがいになると確信。治験最大手のEP綜合でCRCとしての新たなキャリアをスタートさせた。

PROFILE
株式会社EP綜合

Y.O

東京支店

2019年中途入社 4年制大学 看護学部卒

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出身は栃木県。子どもの頃からスポーツが大好きで、小学校・中学校ではバスケットボール部に所属。コートを走り回っていた。看護師としての病院勤務を経て、EP綜合に入社。現在は、CRCとして都内のがん専門病院での治験を担当する一方、家庭では育児にも励んでいる。

念願の看護師になったものの、患者さんともっと長く関わりたいと転職を決意

幼少期に、病院に1カ月ほど入院しました。記憶はほとんど残っていませんが、親から当時の話を何度も聞いており、退院後も定期的な通院で看護師と関わることも多かったので、気づいた頃には看護師になりたいと思っていました。

念願が叶い、大学卒業後、都内大学病院のHCUでの勤務がはじまりました。HCUは、日本語では「高度治療室」や「準集中治療管理室」と訳されます。手術直後の患者さんが多く、HCUで回復へのケアを経て、数日後には一般病棟に移ります。そのため、ICUよりは重症度は高くないけれど、一般病棟で看護するには難しい状態の患者さんを対象としていました。手術後の患者さんが多いので、数日入室してある程度回復したら、一般病棟に移ってしまいます。そのため、患者さんの滞在期間は短く、その後の経過を確認することもありませんでした。

自ら希望した配属先でしたが、受け持ちの患者さんは毎日違うことがほとんどで、HCUでの仕事が単発的に感じるようになり、患者さんともっと長く関わりたいという気持ちが日増しに膨らみました。そこから転職を意識するようになったのは3年目のタイミングで、徐々に活動をはじめていきました。その際に、一般病棟への異動や、他の病院に移るという選択肢は、あまり考えられませんでした。臨床から離れ、一度違う形で医療に携わりたい、違う目線で医療を見てみたいという気持ちが湧いていました。また、社会人としての基本的なマナーやスキルも身に付けたいという気持ちもありました。一生看護師で働くならいらないかもしれませんが、これから長い人生を考えると学んでおきたいと思ったのです。

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CRCの役割を理解し、イメージが大きく変わった

転職先のポイントは、病院の外を見ることができ、患者さんと長く関われる仕事。色々と探していく中で、治験業界の存在を知り、特に興味を持ったのが、CRCでした。治験とは、健康な方や患者さんに協力を仰ぎ、「くすりのたまご」の効果や、安全性について詳しく調べる試験です。その業務全般をサポートするCRCが、実際にどんな仕事をしているのか、どのようなやりがいがあるのかを初めて理解し、自分もチャレンジしたいと思いました。

治験の仕事をやってみたいと決めた後、SMO(治験施設支援機関)3社の面接を受けました。EP綜合は、面接の印象が他とは全く違っていました。他社は、雰囲気が堅すぎて話しにくく感じましたが、EP綜合の面接では、とても和やかでざっくばらんに話をすることができました。さらに、面接官が所属先となる東京支店の支店長と副支店長であったので、この方々と一緒に働きたいと思いました。他にも、業界最大手で、CRCの数が多く、教育体制や福利厚生が充実している点も入社への決め手となりました。結婚し出産してからも、仕事と家庭を両立させ長く働きたいと思っていたので。

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研修でビジネスパーソン・CRCの基本を学ぶ

入社後まずは1カ月ほど導入研修があり、ビジネスパーソンとしての基本に始まり、治験の概要やCRCの仕事内容、さらには、CRCと仕事上の接点があるポジションの方々の役割などを学びました。同じタイミングで中途入社した同期が4人いました。私と同様に前職が看護師の方もいて、年齢も近かったので和気あいあいとした中で研修が進みました。

導入研修が修了した段階で、配属先の病院が決まります。私は、都内の大学病院でした。ここには、EP綜合から約10人のCRCが配属されていました。最初はOJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)になるので、トレーナーの仕事の進め方を間近で見ながら、自分も反復していました。少し慣れてきたところで、先輩にサポートいただきながら、実際に業務を行っていきます。こうしたOJTが、3カ月ほど続きました。

OJTが修了すると、いよいよ独り立ちです。私の場合は、それまでトレーナーを務めていただいた方が産休に入られたので、その案件を引き継ぎました。消化器系の疾患の治験でした。既に動いている治験だったので、先生の指示のもと、カルテから治験に参加できる患者さんをピックアップして、治験の内容をお伝えし組み入れを行ったり、既にその治験にご参加をいただいている患者さんの対応をメインで行っていました。

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難易度の高い治験を担当。上手く進まず涙することも

その後、いよいよ新たな治験の立ち上げにメインで関わることになりました。これが凄く大変でした。今でも最も難易度が高い案件であったと言って良いでしょう。ICUでのオピオイド鎮痛薬(医療用麻薬製剤)の治験でした。

懸念すべき点が沢山ありました。まずは、治験薬が麻薬製剤ということで、徹底した管理が求められます。病院としても、麻薬製剤の治験は初めてで運用が整っていなかったので、運用を一から決めるところから始まりました。加えて、とても忙しいICUで5分刻みでバイタルサインを測定する必要があり、治験をどう行っていただくかや、欠測(データの測定漏れ)が出ないようにと色々試行錯誤を繰り返す必要がありました。さらに、今回は通常の外来での治験とは違い、入院されている患者さんが対象である上に、夜に投薬する薬だったので、今まで対応していた治験とは全く異なる難しさもありました。その時間は、私が現場にいません。投薬の時間帯に、CRCがいなくても果たして大丈夫なのかと不安が募りました。

私からすれば、もう分からないことだらけだったので、サブとして入っていただいた先輩に、逐一聞いたり、確認しながら進めていきました。先輩もオピオイド鎮痛薬の治験経験はなかったものの、これまでに多様な疾患に関わっており、病院内の体制や各部署に確認すべき項目も良く分かっていたので、色々アドバイスをしていただきました。

とにかく、看護師さんの負担になってはいけません。分かり辛い点は表にまとめ、理解が得られるように工夫するなど、事前に準備できることはすべて行った上でお願いしていました。他にも、激務の中で色々と対応していただいているので、常に気配り、心配りをするよう心掛けました。

それでも一番最初の患者さんで欠測が出てしまい、先輩の前で涙を流してしまったことがありました。取るべきバイタルサインが取れなかったのです。私がもう少し確認していれば防げたのではとか、これだけ準備したにも関わらずミスが生じてしまったとか、様々な感情が湧いての涙でした。仕事で泣いたのは、その時が初めて。長い時間をかけて準備して取り組んでいたので、悔しかったですね。先輩は、「本当に頑張ったんだから。自分のことを責めないで」と優しく慰めてくれました。

スタート当初はそうしたこともあったものの、最終的には何とかやり切り、上司から評価いただけました。その後も、大学病院では精神科と小児科の2案件を担当しました。 

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出産を機に、1年間の休暇を取得。早期の職場復帰を願う

その一方、実はEP綜合に中途入社した年の12月に結婚し、翌々年の6月に出産するなど、ライフイベントが続きました。ちょうど丸2年働いたところで産前休暇を取り、出産後は育児休業に切り替えたので、1年ほど仕事を休みました。 

女性が多い職場なので、結婚や出産に向けての不安は全くなかったですね。ロールモデルとなる方が沢山いました。それに、産休や育休の取得に対しても会社が好意的でした。休業中はコロナ禍ということもあって、子供を連れてどこかに出かけるのが難しい時期でもあったので、「早く仕事に復帰したい」とも思っていました。

今年4月に復帰し、担当はがん専門病院。そこで現在は、婦人科癌や腎細胞癌などオンコロジー領域(癌に関わる分野)の治験に関わっています。今まさに、先輩に見てもらいながら案件の立ち上げをやり始めたところです。1年間のブランクは、あまり感じませんが、病院によって治験の立ち上げ方や先生へのアプローチの仕方、作成すべき資料も違ってくるので、一つひとつ確認しながら進めています。 

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治験をやり遂げる達成感と承認された時の喜びに浸る

それでも、前職で看護師の経験があるので、ある程度疾患の病態や採血データに関する知見はありますし、医師や看護師、患者さんとのコミュニケーションにも慣れているので、その点では心配はありません。

CRCになって、まだ実務は2年だけですが、新しい薬で患者さんの具合が日に日に良くなり、生活も変わっていく様子を見たりすると、「この薬に携わって良かったな」、「早く承認されないかな」と思ったりします。そこはCRCならではのやりがいだと感じており、看護師から転身してきて本当に良かったと思っています。むしろ、CRCの方が自分にフィットしてるとさえ感じています。やはり、患者さんと長く関わることができますからね。それに、自分がメイン担当者となって治験をスタートさせ、コーディネートし、終了まで導くことができると、大きな達成感を感じることができますし、その薬が承認されたら、もっと嬉しいと思います。

まだまだ私はCRCとしては駆け出しに過ぎません。先輩の皆さんはいつもテキパキしていて、知識も沢山お持ちなので感心しています。経験も必要だと思いますが、もっと知識を身に付けていきたいです。実は、今回配属先の病院を希望したのも、癌の領域を学びたかったからです。会社も私の希望に応えてくれたので、この機会をぜひ活かしたいと思っています。がん領域に特化した研修プログラムも確立されているので積極的に受講していきたいです。

もちろん、仕事だけでなく子育ても大切にしているので、子供の保育園のお迎えに間に合うように、今は短時間勤務で働いています。子供が急に発熱したり、病気になったりするとお迎えに呼ばれてしまうこともありますが、そういった時でも皆さん快くフォローしてくれるので助かっています。

今は、まだ復帰したばかりなので、仕事と家庭の両立をすることに必死です。なので、今後のキャリアに関しては、これからじっくりと考えていきたいと思っています。2年の実務期間、苦しい時期もあったのですが、それを乗り越え、自分にもできるんだという自信を得ることができました。今後再び苦労することがあっても大丈夫だと思っています。今の私は看護師時代と比べたら、一歩も二歩も成長できている気がします。何よりも、この仕事が楽しくてたまりません。

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