金融の未来を拓く最前線で、熱く戦う

金融の未来を拓く最前線で、熱く戦う

このストーリーのポイント

  • 理系出身だが法人営業担当として融資関連業務を8年間経験
  • 社内公募の機会をとらえ、思い切ってデジタル企画部に転身
  • 法人営業時代のキャリアを活かしオープンイノベーションを担う

桂が大学で学んだのは情報工学だった。しかし就職活動の中でM&Aのサポートやプロジェクトファイナンスなどを通して企業経営を支える銀行のダイナミックなビジネスに興味を持ち、法人営業を志望して三菱UFJ 銀行に入行した。その後、8年間にわたって融資関連業務を担当。そこで桂が感じたのは、これからの銀行には、テクノロジーを駆使した業務効率化や新たな商品・サービスの開発が欠かせないということだった。銀行はもっと変われる。もっとできることがある――理系のバックグラウンドが、強くそう思わせたのかもしれない。社内公募制度を活用してデジタル企画部に転身。今、スタートアップを巻き込んだオープンイノベーションの先頭に立っている。

Profile

桂 寧志

三菱UFJ銀行
デジタル企画部/2009年入行/情報理工学部卒

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高校時代から理系の科目が好きで、大学も情報工学系を選択した。感性工学を専攻し、人の感覚・官能をいかに数値化し、データとして活用するかという課題に挑戦。銀行員だった父親の影響もあり金融業界も視野にいれて就職活動を行った。そこで出会った三菱UFJ銀行に大きな魅力を感じて入行。9年目に現在のデジタル企画部に転身。デジタルトランスフォーメーションの一翼を担う。

銀行に対する見方が一変した

中学からバスケットボールに熱中し、高校、そして大学まで続けました。中学の時のチームは結束が強かったですね。実は、ラグビーワールドカップ2019の日本代表として大活躍したある選手がチームメイトだったんです。彼はラグビーだけでなくバスケットボールもうまくて、活躍していました。おかげで地元の市の大会ではいつも1、2を争う好成績でした。バスケットボールは個人のスキルとチームプレー、その両方の要素がバランスよくミックスされているところが魅力です。大学でも2つのバスケサークルで活動するかたわら中学時代の仲間とチームを組んで地元の大会に出るなど、学生時代はバスケットボール漬けでした。

そのせいもあって就職を前にしたときも、あまり明確な目的意識は持っていませんでした。働くなら世界を見渡せるような仕事に就きたいという漠然とした思いはありましたが、具体的な業界や業種を絞り込んでいたわけではなく、同じ理系の友人に影響されてITやメーカーなどを見ていました。銀行は全く意識になかったのですが、父親が銀行員で、法人・リテール・本部とさまざまな業務を担っていたため、なんとなく親しみがあり一度説明会に行ってみようと思ったんです。それが三菱UFJ銀行を知るきっかけになりました。

行って驚きました。それまでは素朴に「お金を預かって貸す仕事」くらいにしか思っていなかったのですが、実際の銀行の業務は全く違いました。事業承継に関してオーナーの相談にのったり、M&Aで企業買収のサポートをしたり、さらにプロジェクトファイナンスで大型インフラ案件を支援したりと、非常にアクティブで多彩です。海外の大型インフラプロジェクトの支援の話など、実にかっこいいと思いました。現役社員の話を聞くにつれ、「三菱UFJ銀行に入って法人営業の業務に就きたい」と思うようになりました。

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実績が伸びず焦った

入行後は、研修を経て東大阪中央支社に配属となりました。中堅中小企業の法人担当です。地域柄、町工場が多く、しかもリーマンショックの直後でもあり、融資の実績は全く伸びませんでした。ところが、同じ支社に配属された同期の二人は新規契約を積み重ねている。「これはまずい」と思って、先輩の電話の仕方やお客さま応対の仕方、メモの取り方から口調まで真似しながら、必死に業務に取り組みました。

自分が勝手にロールモデルにした先輩から教わったのは「銀行はただお金を貸すだけじゃない。お客さまの状況を深く理解して、お客さまのためになる提案をしなければだめだ」ということです。あとから振り返れば九割方は上司が作ってくれたものなのですが、提案書を仕上げてお客さまを訪ねました。契約には至りませんでしたが、それをきっかけに関係が深まり、世代交代についてじっくり話をしたり、お客さまの業界の動きやこれからの事業の方向性などについても話ができるようになったりしていきました。3年目の頃には、なんとかやっていけるかもしれないという気持ちも生まれていました。

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共感と熱意が人を動かす

その後、2012年に本部のコーポレート情報営業部に異動します。現在のデジタル企画部への着任は2017年ですから、初配属の支社の後、さらに5年ほど融資関連業務を続けたことになります。現場と本部を両方経験できたことで、営業や内部管理、お客さまサービスなどさまざまな点で効率化できる部分が多いと感じました。

デジタル企画部に異動した今から振り返れば、コーポレート情報営業部での仕事は今の自分にとって欠かせない重要なスキルを授けてくれた時期でもあったと思います。お客さまの財務内容を深く理解し、資産・負債・キャッシュフローを切り口に財務提案を行うこと、各営業店の難易度の高い融資案件の検討と推進が業務でした。通常の融資は、定型の契約内容があり、それに基づいて条件が決まります。しかし、担保余力が十分ではないとか、超長期のプロジェクト資金が必要であるとか、オーダーメイドで融資条件を詰める必要がある場合には、営業店の担当者からコーポレート情報営業部に支援要請があります。本部の融資審査セクションなどとの協議を重ねながら、案件ごとの融資スキームや特約事項の検討などを進めます。当然、お客さまは制約となる特約が付くことには消極的である一方、本部の融資審査セクションは極力リスクを最小化したいと考えます。全員が納得できる最大公約数はどこなのか、落としどころを見付けて融資契約をまとめるのが私の役割でした。

この業務を続けながら学んだことは、さまざまな融資のスキームに関するノウハウはもちろんですが、何より「熱意と共感」の大切さです。当事者となるすべての人を1つにまとめるためには、熱意と自信をもって提案し、理解と共感を得ることが絶対に欠かせません。それがあれば立場や組織が異なっても、同じベクトルで一緒に進んでいくことができます。説得のために本部内各部署と交渉し、お客さまや営業担当者との打ち合わせを重ねながら、私はその大切さを実地で学んでいきました。

2017年5月、MUFGはデジタルトランスフォーメーションを加速することを目的に、CDTO(Chief Digital Transformation Officer)を新設し、その下にデジタル企画部を組織することになりました。社内公募制度があることは以前から知っていたのですが、その中にデジタル企画部の公募を見つけ、手を挙げました。デジタル企画部でデジタルトランスフォーメーションを推進することで、業務の効率化を実現し、それにより生み出された時間でお客さまにより付加価値の高い提案をすることが可能になると考え、次のキャリアにしたいと思ったからです。

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デジタルトランスフォーメーションの最前線へ

デジタル企画部での私の職務は「MUFG Digitalアクセラレータ」の運営です。MUFGが取り組むオープンイノベーション事業で、2015年に邦銀初の試みとしてスタートしました。MUFGの各社や三菱UFJ銀行の各部署とスタートアップが協力して、新たなビジネスをつくっていこうというものです。公募により5社から8社を選定。4ヶ月のプログラム期間中、事業プランのブラッシュアップ、プロトタイプの構築、事業プランの方向性に合わせたパートナー企業の選定など、事業化に向けたステップを踏みながら新事業の立上げをめざします。私が着任した時は、ちょうど3期目が始まろうとするときでした。

プログラム期間は4ヶ月間ですが、公募の開始から参加企業の選定までの期間を含めれば、プロジェクトは10ヶ月を要し、運営事務局としてその全てをカバーします。

スタートアップの方々には自社の成長や世の中をより良くするためにやりたいこと、想いがたくさんあります。MUFGの各社や銀行の各事業部も同様に想いがあります。事業立ち上げを支援するために、ベンチャーキャピタリストや金融・ITの専門家の方々にメンターとして協力していただいているのですが、その方々にも想いがあります。三者三様の想いを理解し、共感しながら、めざすべきゴールを共有し、それを一致点として結束を図ることも事務局の大きな仕事です。

単に場所を貸し、議論を横目で見ているだけでは新たなビジネスを立ち上げることはできません。運営事務局の主体性やその“質”こそ、「MUFG Digitalアクセラレータ」というオープンイノベーションプログラムの成功の鍵を握っています。そのためには、私自身がMUFG全体の課題を理解し、各社・各部が、今何をやりたいと思い、何が足りないのかを把握することが欠かせません。それが現在の私の課題です。

先日、私も一員となってプランニングを進めたイノベーション拠点“MUFG SPARK”をオープンしました。ここにはアクセラレータやさまざまなMUFGのプロジェクトの拠点として長期的に使えるプロジェクトルームやMUFG SPARK関係者が自由に交流するワーキングスペース、そしてイベント会場として使えるイベントスペースなどを備えています。MUFG内外の多くの方々にこの場所を活用してもらい、ここで議論されることの中から、新しい課題なども見つけていき、イノベーションを起こしていきたいと思っています。

大きく、そして歴史も長い会社が今、本気で変わろうとしています。融資については新たにオンラインレンディングがスタートし、営業店の窓口では販売した投資信託の価格変動要因分析を行えるツールが導入されました。さらに幅広い領域のビジネスを支える社会インフラとして、ブロックチェーン技術を使った大量高速処理のプラットフォームの実用化も始まろうとしています。サービスのみならず、人事制度の面でも新たなチャレンジが始まっています。スタートアップに出向する「助業出向」、起業や留学のための休職制度「Challenge Leave」などの新制度に加え、在宅勤務も浸透し、デジタル企画部の日本橋オフィスでは1年前から私服勤務が可能になっています。
今、銀行はデジタルトランスフォーメーションを軸に大きく変わっていこうとしています。その最前線に立つ一人としてこれからも戦っていきます。

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