
これまで培った経験を新工場操業に向けた期間社員の教育に熱意と愛情を持って活かす
これまで培った経験を新工場操業に向けた期間社員の教育に熱意と愛情を持って活かす
このストーリーのポイント
- 入社から約35年間、チタン製造現場の監督職を歴任する
- 人事部門への異動を経て、新工場操業に向けた期間社員の教育を任されることに
- 約20年ぶりの新工場設立に携わることが仕事人生の集大成
スポンジチタン製造のパイオニアであるとともに、リーディングカンパニーとして業界をリードし続ける大阪チタニウムテクノロジーズ(以下、OTC)。期間社員から正社員への登用推進を図るOTCにおいて、製造現場一筋、工長・主任・作業長を歴任した彼が、教育チームのリーダーに就任。新工場操業に向けた期間社員(※)の教育および、新工場設立推進という一大プロジェクトの主任として、これまでの経験を活かして後進の育成に尽力している。
※期間社員:3~6カ月の雇用契約で勤務いただく契約社員制度の事
当社では勤続最短6カ月で正社員になる登用制度を準備しています。
株式会社大阪チタニウムテクノロジーズ
H・N
総務人事部 人事グループ 主任
1985年新卒入社
兵庫県出身。チタン製造部チタン製造課にて、チタン製造工程における還元・真空分離作業に従事。
現場での監督職を歴任した後、人事部門での健康管理や人員管理を経て、OTC人生2度目となる新工場設立に携わる。工場操業に向けた期間社員の教育チームリーダーとして長年培った確かな技術とOTCスピリッツを継承している。
チタン製造現場で工長、作業長といった監督者を歴任
1985年入社以来、チタン製造部署にて製造工程の中の「還元・真空分離」という工程を中心とした現場作業に従事し、工長・作業長といった監督職を歴任してきました。
入社当時は、初めて入った工場の大きさに圧倒され、まさか自分が1,000度近くにまで熱せられた巨大容器を吊り下げたクレーン操作を行うなど、思ってもいませんでした。かなり熱いものを取り扱うため、職場は暑く、危険を伴う仕事ではありますが、共に働く仲間がみな明るく楽しく、人に恵まれたことが長く続けられた一番の要因だと思っています。
そもそも、スポンジチタンを製造している企業は日本には2社しかなく、海外でも数える程度。チタン製造には特殊な装置や工具を用いた作業が伴いますので、みなスタートはイチから。できることが増えていくことで、自身の成長が感じられ、達成感が得られたことも仕事をする上での大きな喜びでした。
作業は1班15人程度で行いますが、大切なのはチームワーク。ひとりひとりの習熟度をアップさせつつ、しっかりコミュニケーションを図り、チームとしてのレベルを上げていく。そうすれば作業効率が上がり、全員が楽になるほか、安全性の向上も期待できます。監督者になってからはそのことを第一に考えて指導してきました。
製造現場で長年働いてきて、てっきり現場一筋で定年を迎えるものと思っていたところ、2019年に人事部門へ異動することに。正直なところ意外でしたが、勤続年数が長く社内に知り合いが多いこと、現場でも指導的な立場にあったことが評価されての異動だったのかもしれません。
新工場操業に向けた期間社員教育チームのリーダーに就任
そして2024年からは新工場操業に向けた期間社員の教育チームのリーダーに任命されました。
期間社員として入社した社員たちの前職は、製造業だけでなく、建築関係、運輸業、営業職に理美容業界、スポーツジムのインストラクターなど実にさまざまです。
面接から携わっていますが、面接で前職の経験を問うことはありません。チームで仕事をするためのコミュニケーション力とやる気を一番に重視しています。
入社後は3日間の全体研修を経て、育成チームに配属されます。そして6カ月をかけ、安全関係の教育から、製造工程の説明、作業見学、実務を通しての作業習得までの指導を受けます。指導には実務経験豊富な指導員があたります。期間社員から経験を積んで指導員になった者もおり、そのような先輩の活躍は新たに入社した期間社員の励みにもなっていると感じます。
一般的な工具を用いての作業もありますが、特殊な作業が多いのも事実。そもそもチタンの製造には、ほとんどの人が見たこともないような装置を使いますから、最初は分からなくて、覚えられなくて当たり前です。2カ月、3カ月するうちに、徐々に理解できるようになっていきます。最近入社した期間社員たちもそのように少しずつ成長し、互いに励まし合っている姿を見るたびに、とてもうれしく思っています。
その後はひとつひとつの作業習熟度を判定し、一定のレベルに到達すれば次のステップに挑戦。当社では最短6カ月で正社員登用試験を受けることができますので、期間社員として入社した社員も将来の正社員を前提としての教育を行い、現場で必要な資格や特別教育(玉掛け技能講習、低圧電気取扱者特別教育など)は、必要な時期に会社の費用で受講できるようにしています。
体調管理と安全が最優先、これまで培った経験やノウハウの集大成として
教育する上で心がけていることの一番は社員の体調管理です。
大変暑い職場ですので、空調服の着用はもちろんのこと、WGTP計(温度湿度計)の数値を基に、こまめな休憩や水分補給を義務付けています。毎朝のミーティングでは食事、睡眠状況のヒアリングを行い、社員ひとりひとりの健康状態に細心の注意を払っています。休憩スペースにはスポーツドリンクや経口補水液を常備しているほか、夏季限定にはなりますがアイススラリーや氷菓も用意しており、好評なようです。
安全最優先の教育も必要不可欠です。現場では圧力のかかる容器で高温物質を取り扱う作業を行います。バルブ操作ひとつ間違えるだけで危険を伴うのは当然のこと、大きな損害も生みかねません。作業方法および、機器操作方法の指導は丁寧に、丁寧に、安全最優先で行っています。責任とプレッシャーを伴う作業ですが、これまでに当社が培ったノウハウをしっかり教えますし、十分に習熟してから従事いただきますので、安心してください。また、安全のための指差し声出し確認の指差呼称ももちろん欠かしません。
社員の不安や疑問を積み残すことがないよう、業務外ではランチセッションや会社から支給されるコミュニケーション費を活用した食事会などフランクな交流を通じて、質問しやすい環境づくりにも注力しています。
指導員が社員ひとりひとりとコミュニケーションを図り、各人に適した教育検討を行うことで作業習熟度が向上し、ひいてはそれがスポンジチタン製造国内トップ企業としての品質保持につながっていくと考えているからです。
勤続40年を迎えた今、振り返ってみると、2006年に発足した新工場立ち上げ部隊に配属され、建設から機器の仕様、投入までさまざまな形で携わり、監督者として稼働させたことが、私の仕事人生で一番大きなトピックスでした。そして2024年からは第3となる新工場設立推進業務と新工場操業に向けた期間社員の教育を兼務しています。まさか自分の仕事人生の中で、もう一度、新工場設立に携わり、完成を目にすることができるとは、思ってもみなかった幸運です。
私たちと一緒に、新しい工場で、航空機にも使われる高品質なチタンを製造してみませんか。きっと空を飛ぶ飛行機を見るたびに自分の仕事に誇りを感じてもらえることと思います。