
採用
新卒採用にこそ「採用マーケティング」が必要な理由
採用マーケティングとは?
「採用マーケティング」とは、消費者マーケティングの手法や戦術を採用活動にも活かしていく取り組みで、海外では「Recruitment Markething」として定義されています。
"Recruitment marketing refers to the strategies and tactics an organization uses to find, attract, engage and nurture talent before they apply for a job, also called the pre-applicant phase of talent acquisition."
引用:Recruitment Marketing - Wikipedia
具体的には、自社の戦略に基づき採用ターゲットを明確にした上で、求職者が求人に応募するまでの段階で、自社採用ページ、求人サイト、ソーシャルメディア、イベント、社員紹介など通じて、自社の魅力を発信していく取り組みとなります。
この記事では、なぜ「採用マーケティング」が企業の新卒採用にとって必要なのかを解説していきます。
採用マーケティングが必要とされる背景
採用競争の激化
企業の採用意欲の高まりを受け、ここ数年は売り手市場が続き、リクナビ、マイナビなどのナビサイトへの掲載企業数は毎年増加を続けています。
また、少子高齢化が進み、2018年から18歳以下の人口が減少期に入ったことで、新卒学生の奪い合いは今後激しさを増すばかりと予想されています。
こうした状況の中、これまでのようにナビサイトのみで母集団を作るモデルは限界を迎えており、これまでとは違った学生へのアプローチが必要となります。
採用マーケティングの重要性
これまでの採用選考との違い
これまでの新卒採用は、「応募(エントリー)をしてくれた人の中から選ぶ」という部分にフォーカスすることが一般的でした。採用ページや入社案内なども応募してくれた人向けに作るもので、採用手法についても「母集団を増やす方法」や「集めた中から良い人を選ぶ方法」が課題となることが多くありました。
一方、新卒採用における採用マーケティングでは、学生の就職活動の応募前の段階に焦点を当てて、採用ターゲットとなる学生を明確にし、自社への認知を高め、興味を持ってもらい、応募をしてもらうということに取り組むことになります。
学生の情報収集の早期化
ナビサイトがオープンする3月時点での企業への平均エントリー数は年々減少を続けており、同様にセミナーへの平均参加数も減少しています。対照的にインターンシップへの応募数、参加数は増加を続けており、学生の情報収集・企業研究の時期が早期化、通年化していることが明確になっています。
こうした中で、競合他社との差別化を図り、ターゲット学生からの応募を集めるためには、早期から戦略的にアプローチする必要があります。
採用マーケティングのメリット
ターゲット層からの応募の増加
採用ターゲットを明確にした上での、オウンドメディアやSNSでの自社の情報発信を通じた母集団形成、スカウトサービスの利用などにより、ターゲット層との接点が増え、自社のことを知ってもらう機会も増えることで、ターゲット層からの応募の増加へと繋がります。
ただし、接点が増えただけでは自社に興味を持ってもらうことはできないので、採用ページやオウンドメディア、SNS上に募集要項以外の自社の魅力を伝えるコンテンツを用意しておくことが前提となります。
採用のミスマッチを減らし定着率を高める
戦略的に発信した自社の情報は、会社の風土や文化、働き方や一緒に働くことになる人への理解を促し、好意・共感を持って入社することが多くなるため、入社後の定着率が高くなるというメリットがあります。
費用対効果が高い
採用コンテンツやSNSに発信した情報は、インターネット上に資産として蓄積され、永続的に自社の採用に効果を発揮するため、長期的に見ると費用対効果が非常に高くなります。
これからの新卒採用に採用マーケティングは必須
今回はなぜ新卒採用で「採用マーケティング」が重要なのかをご紹介しました。新卒採用における採用マーケティングは、これまでの待ちの採用から、採用したい層を明確にして、積極的にアプローチする攻めの手法と言えます。