POSの未来を切り開く設計開発職として活躍していきたい

POSの未来を切り開く設計開発職として活躍していきたい

このストーリーのポイント

  • ものづくりが好きで、メーカーの設計開発職に
  • 展示会用のデモ機開発を担当。何とか仕上げた経験が今活かせている
  • 学生時代に学んだ画像処理。その知識が新たな部署で役立つ

実は両親も東芝テックの元社員。実家も同社静岡事業所の近くにあった。子供の頃からずっと愛着があった会社で、自分も働くこととなった。こだわったのは、「設計開発をしたい」ということ。その面白さと大変さを日々実感している。

-profile-

竹内 詩乃

東芝テック株式会社

リテール・ソリューション事業本部 商品企画開発統括部 NGPソリューション企画開発部
2016年入社/システム理工学部電子情報システム学科卒

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静岡県出身。学生時代は画像処理を専攻し、プログラミングも学ぶ。それらを活かし、飲食向けPOSの製造担当を経て、新たに設立された部署でスマホPOSの設計開発を担当している。

達成感はさまざまな工夫の末に得られると知る

子供の頃から、好きなことに夢中になるタイプでした。特に音楽はずっとやり続けていました。まず、ピアノを習い、中学・高校・大学では吹奏学部に所属し、フルートや打楽器を演奏していました。歌うのも好きで、大学ではアカペラのサークルにも加入していたほどです。就活でも良いアピールポイントになりました。

その一方で、勉強にも打ち込みました。在籍したのは、電子情報システム学科。専攻は、プログラミングにより画像を抽出したり、認識する画像処理でした。私は、画像処理を応用したシステムづくりを研究していました。画像だけでなく、音も関連したシステムでしたので、多くの課題があって研究には苦労しましたが、学会で賞をいただいた時には、大きな達成感を得ることができました。

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大学での学びを活かせる仕事と判断し、東芝テックへ

就職活動ではメーカーの設計開発職を志望していました。もともと、ものづくりが好きでしたし、黙々と作業する仕事の方が自分に向いていると思えたからです。最初は業種を絞り込まず、幅広く見ていました。音楽が好きなこともあって、楽器メーカーを考えたこともありました。

就職活動を進めて行く中で、東芝テックの採用担当者と会う機会があり、「竹内さんが在籍する大学なら学校推薦がありますよ」と教えていただきました。それで、活動途中で推薦に切り替えることを決めたんです。正直言うと、他にも候補があり、エントリーシートを提出した会社もありましたが、東芝テックの設計開発職であれば、自分でコーディングしたり、他の方のコードを読んだりする機会は多いので、プログラミングの知識を役立てることができます。そういった面では、大学で学んだことを活かすことができる仕事だと判断し、決断しました。

また、東芝テックは両親が以前勤めていた会社でしたし、工場が実家から歩いていける場所にあったのでとても愛着がありました。それも、決め手の一つとなりました。両親には東芝テックを受けることを事前に伝えていたのですが、意外にも「あ、そうなんだ」くらいの反応でした。私の顔つきを見て、納得して選んだことがうかがえたのかもしれません。

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配属後まもなくデモ機の開発を任され、貴重な経験を積む

東芝テックに入社したのは、2016年4月。配属されたのは、静岡事業所でした。そこで、飲食向けのPOS(Point of sale:販売時点情報管理)システムの製造を担当しました。POSには、お店に特化せずに一般的に使える標準型と、特定のお店用に何かしらの機能を追加したカスタム型の二種類がありますが、主に後者を扱いました。私は、設計書やソースコードのレビューを行う受け入れ担当でした。具体的には、要件が固まった段階で協力会社に設計書やソースコード(ソフトウェアやプログラムの設計図)の作成を依頼するとともに、上がってきたものをチェックし、不具合がなければPOSに組み込み、動作を確認するというサイクルを繰り返していました。お客様は、いずれも飲食大手。社名が広く知られている会社ばかりでした。

配属当初は、標準のPOSに触れてみるところからスタート。ソースコードや仕様書と見比べながらどう動くのかを確認しました。でも、最初は、仕様書を読むだけでも大変でした。しかも、POSの機能自体もかなりたくさんありますし、設定の仕方によって動作が変わってきます。上司や先輩に一つひとつ教えてもらいながら、少しずつ覚えていったという感じです。

私が最初に任された大きな仕事が、業界向けのイベントに展示する飲食店用セルフ会計機のデモ機開発でした。上長が、「勉強のつもりで作ってみないか」と声を掛けてくれたんです。大きなチャンスをいただけて嬉しかった反面、市場に出る機能ではないものの、「私に本当にできるのか」と不安でいっぱいでした。

作業としては、既存のアプリへの機能追加で、ソースコードは何百万行にも及びます。どこをどう修正していけば良いのかと自分でも考えましたが、どうしてもわからないところはアドバイスをもらい、何とか展示できるものを仕上げることができました。その時に作成した機能は、現在では標準のアプリで実装されているほか、その一部が特許を取得しています。自分でコーディングしたことが、その後の仕事においても価値ある経験となりました。

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次世代のPOSを目指し、試行錯誤を続ける

飲食POSの製造担当としてさまざまな案件に携わった後、2020年4月から異動となり、現在は品川に設立された新たな部署で勤務しています。次世代型製品のスピーディな開発を行うことをコンセプトにした部署で、商品企画と開発のメンバーが一体となって業務に取り組んでいます。

ここで私が担当しているのは、スマホPOSの設計開発です。現在市場にあるPOSのほとんどは、店舗内もしくは企業内での専用回線で稼働しています。それを今後は、プラットフォームのベースをクラウドとし、その上でPOSの機能を自在に動かしながら、膨大なデータを管理し販促につなげていこうという考えのもと、開発を行っています。私自身は、どういうふうにクラウド上で動かすかという基本設計書を作成し、協力会社にプログラミングを依頼したり、お店を訪れる消費者が使用するアプリのプログラム設計やリリースを行っています。

このアプリは、既に大手スーパーの一部店舗で導入されており、すでにAndroidだけでも5000人にダウンロードされるなど、目に見えての達成感があります。実際に店舗を訪れたこともあるのですが、目の前で使ってもらえている姿を見ることができ、とても嬉しかったです。

その半面、クラウド上でPOSを動かすと言うのは新しい試みだけに、さまざまな課題があります。そもそも、どの技術が使えるかもよくわかっていませんし、新しい技術になるのでキャッチアップしていくのも大変です。加えて、実際にはスーパーに来場されたお客様自身のスマホカメラで、商品バーコードを読み取りながら買い物をしてもらうのですが、専用スキャナではないので上手くいかないこともあったりします。そこをどう改善するかも悩んでいるところです。大学時代に学んだ画像処理の手法を思い出しつつ、新たなアイデアを含め、まだまだ試行錯誤が続きそうです。ただ、この仕組みの完成度が上がれば、レジ待ちの時間が短縮されるだけでなく、お買い物に来たお客様に、より満足していただけます。それだけに、ぜひ形にしていきたいです。

今の部署では、女性の開発者は私だけ。商品企画の担当者を含めて二人しかいません。ただ、職場環境においても、人事制度においても「女性だから困る」と感じることもなく、とても働きやすいです。後輩にも同じ想いを持ってもらいたいと、今年から新人女性のエルダーを務めています。私からも気軽に声がけをしますし、何かあったら頼りにされるような存在になりたいと思っています。

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常に学びを大切にし、今の仕事を長く続けていきたい

まずは、今のクラウド対応で手一杯なので、将来的なキャリアビジョンはなかなかイメージできていません。現在メインに担当しているのがスマホ・アプリのリリースです。スマホアプリは、常にクラウドと通信しデータを取得、画面表示しているので、当然スマホアプリ側だけを理解していても完全なものを作ることはできません。クラウドも含めて理解し、不具合なくリリースしていくことが、私の使命だと考えています。

一つだけ確実に言えるのは、今後も設計開発職として東芝テックでずっと働き続けていきたいということです。そのためにも、とにかく今は設計開発職としての知識をもっともっと増やしていきたいと思っています。それに、せっかく商品企画と開発が一緒になった部署にいるので、企画を担うチャンスがあれば大切にしたいです。常に学ぶことを大切にしながら頑張っていきたいと思っています。

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