新しいスタートを切るのに、ためらいはいらない

新しいスタートを切るのに、ためらいはいらない

このストーリーのポイント

  • 偶然をチャンスにできるかが、人生を左右する大きな転機に
  • 会社の規模や知名度は関係ない。大切なのは志に共鳴できること
  • 誰にでも、自信を持って身につけてきたものが必ずある

大手新聞社から、周囲の反対にもかかわらず、誰も知らないベンチャーITへ転職。ITスキルゼロからの再出発で、コンサルタントとして自分のポジションを築く。だが、大きなプロジェクトに失敗して挫折。そこでたまたまアサインされた別のプロジェクトで新しい道を開くことに成功し、40代半ばの今、自分のアイデアを商品化するプロジェクトで全力を尽くす。これから先の人生でかなえたい夢も多数。

Profile

井口 克己

株式会社Works Human Intelligence
カスタマーサクセス事業本部 公共事業部 第二グループ長
2000年入社/経営学部卒

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大手新聞社の人事部門で4年半勤務した後、畑違いのエンジニアになることを志して転職。それまでの経験を活かし、人事業務支援システム導入のコンサルタントとして実績を重ねる。現在は地方自治体向け人事業務支援システムの開発に取り組む。46歳。

偶然の再会をきっかけに、まったく違う世界へ

「君は人事部ですよ」。

何気なく受けた大手新聞社の面接でそう言われたことで、私の人生は決まりました。特にマスコミ志望というわけではなかったのですが、大学の労働関係の授業で人事関連の仕事に興味を抱き、マスコミの人事も面白そうだというぐらいの気持ちで、入社を決めました。

仕事は面白かったです。給与や人事異動、労務、福利厚生、採用と人事関連の仕事を一通り経験する中で社内のネットワークも広がり、充実感をもって取り組むことができました。そんなある日、道でばったりと学生時代の同級生に会ったんです。時はITバブルの頃。話をしたところ、彼もIT企業で、まさに肩で風を切る勢いでした。その彼が、翌日にはなんと新聞の紙面に載っていて、何億円というビジネスの話をしていた。それを見て私は“これからはITだ”と考え、転職を決意したんです。

当社を見つけたのは、人事関連の経験が活かせて、未経験でも大丈夫なIT企業、と検索した結果でした。もちろんまったく聞いたことのない社名だったし、ホームページを見ても何をしている会社か、さっぱりわからない。ただ「カスタマイズの必要のないパッケージソフトで人事コストを削減し、日本企業が世界で闘うことに貢献したい」という志には強く惹かれました。大手新聞社で4年半にわたって人事の仕事をする中、私も当時の人事システムの非効率性には大いに不満を感じていましたから。システムが使いづらいからカスタマイズして欲しいと注文すると「わかりました、ン十万円です」というやりとりには、もううんざりでした。

もちろん引き留められましたし、心配もされました。「そんな聞いたこともない会社で大丈夫か」と。それはそうでしょうね、誰もが知っている大手新聞社を辞めて、社員100名程度の誰も知らないベンチャーに転職しようというのですから。ただ、私は当社の大きな志に共感し、一緒に成長したいと考えていたので、ためらいはありませんでした。妻は「いいんじゃないの?」と私の選択を受け入れてくれましたし、「いざとなったら食べさせてあげるから」という言葉は、とても頼もしかったです。

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挫折の中で、マネジメントとは何かを学ぶ

未経験ながらエンジニアとして当社に入社しましたが、半年間の研修を終えて私が選んだのは、人事給与システムコンサルタントという職種でした。当時、エンジニアが精鋭ぞろいだったのに対しにコンサルタント部隊は人手も足りなかったので、上を目指すならコンサルタントだとにらんだのです。この選択は正解でした。というのも、私には前職の人事の経験がありましたから、顧客と同じ目線で話ができたからです。厚い信頼を得ることができ、おかげでトップの数字を挙げることができました。クライアントは名だたる一流企業ばかりで、海外向け人事システムにも携わるなど、自分の見識も圧倒的に広がりました。非常に充実した日々でした。

ところが6年目にゼネラルマネージャーに昇格した途端、つまずいてしまったのです。当時、私の部下は約30人。成長期のベンチャー企業として案件は増える一方で、リソースのやりくりには非常に苦労しましたが、この経験から、マネジメントとは、人に仕事を任せることであり、チームワークを大切にすることであるという本質について学ぶ機会を得ることができました。

その後も、別のプロジェクトで人の話に耳を傾けることの大切さ、先を予測しながらプロジェクトを進めていくことの重要性を学ぶなど、実務を重ねながらマネジメントのスキルを磨きました。

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誰もやりたがらなかったプロジェクトに新しい道があった

このように転職して15年目ほどは、紆余曲折しながらもコンサルタントとして歩んできたのですが、実はその後、大きな転機が私を待ち構えていたのです。というのも、あるプロジェクトがまったくうまく進まず、私は大きな挫折を味わうことになったのです。そして、これが私の会社人生で最大の転機となったのです。

落ち込んでいた私を見かねたのか、当時の上司が私に「君の得意な人事給与システムのプロジェクトに戻っては」と言ってくれ、他のコンサルタントが断ったプロジェクトに私をアサインしてくれました。クライアントは地方自治体で、飛行機に乗って数百キロ離れた先方に通い続けなくてはならないことから、誰もやりたがらなかったようです。私は出張慣れしていたこともあって、距離のことはまったく苦になりませんでしたから、それを引き受けることにしました。

そしていざ始めてみたところ、これが実に面白い案件だったのです。というのも地方自治体の人事給与業務は、いまだにExcelを使った手作業が中心です。効率化や合理化の余地は非常に大きく、そこに当社のパッケージはとてもよくマッチするのです。一方で、仕事の進め方は、民間とは違って、公務員の世界ならではの独特のものがありました。私は飛行機で先方に通いながら、開発者と二人三脚、2年半をかけてじっくりとシステムの導入を進めていきました。

当たり前のことですが、地方自治体は全国にありますから、一つの自治体で成果を上げれば、同じ仕組みのシステムを他の自治体にも横展開できます。全国の自治体でExcelを使った給与計算が行われ、誰もがその作業を効率化したいと考えているのですから。そこで私はこの経験で得たノウハウをリソースに、地方自治体向けの新たなパッケージ製品を思いつき、今、その製品化を進めているところです。もちろん手応えは十分。拡販が楽しみです。

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転職とは未知の可能性に挑むこと

現在私は46歳です。この年齢になって、自分で考えたアイデアを商品化できるとは、とても恵まれたことだと思っています。こんなことを自由にやらせてくれる会社に、心から感謝しています。振り返れば4年前、大きな挫折をしたことと、その当時のプロジェクトが転機となりました。

今私には、さらに新しい製品のビジョンがあり、これまで積み重ねてきた経験やノウハウを出版というかたちで外部に発信したいという思いもあります。さらには、社会保険労務士を取得したことで、65歳を過ぎたらその資格を活かした仕事を始めたいという夢もあります。こんなふうに今は、新しく始めたいこと、挑戦したいことが、どんどん胸にわいてくる。それも、4年前の転機がきっかけです。

転職というのは、自分の新しい可能性へのチャレンジです。誰にでも、それまでの経験で身につけたノウハウやスキルの枠に収まらない、未知の可能性を秘めています。それを信じて一歩を踏み出すことで、必ず新しい道が開けてくるでしょう。そして、その挑戦のエネルギーは、若いときほど多いのは間違いありません。可能性とは人生の選択肢の幅のこと。ぜひ勇気ある一歩を踏み出して欲しいと思います。

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