世界中の表現者を支える、妥協なきものづくり。栃木ニコンで磨く生産技術とチームの力。
世界中の表現者を支える、妥協なきものづくり。栃木ニコンで磨く生産技術とチームの力。
このストーリーのポイント
- 世界のニコン品質を支える。自分の仕事が形になり、ユーザーに届く確かな手応え。
- 部署の垣根を越えたチームワーク。活発な意見交換が最高の製品を生み出す。
- 良いものを作りたい。「ものづくり」に情熱を持った技術者が結集。
一眼レフやミラーレスカメラの交換レンズをはじめ、60年以上にわたり光学製品をつくり続けている栃木ニコン。ユーザーにより良い製品を届けるために、社員一人ひとりが日々技術と真摯に向き合っている。今回は、カメラ用交換レンズの生産技術担当3名に集まってもらい、入社動機や仕事のやりがい、働きやすさについて語ってもらった。
株式会社栃木ニコン
清水 大雅
2024年新卒入社

中学生時代にカメラに触れて以来、カメラやレンズに魅了され、分解して遊んだこともある。入社後は交換レンズの光学調整工程、光学的な不具合の分析などを担当している。
古橋 知弥
2023年中途入社

社会人になって初めてのボーナスでニコンのカメラを買って以来、ニコンユーザー。自動車部品メーカーから転職し、現在は交換レンズに使用されている金属部品の加工などに携わっている。
五月女 敬
2004年新卒入社

BtoB向けのレンズを担当後、現在はBtoC向けのカメラレンズの加工における生産改善などに従事。主要生産拠点のタイに出張し、現地スタッフへの技術指導にも携わっている。
「好き」を原動力に。愛着のある製品を自らの手で生み出す喜び。
──皆さんがカメラやレンズ、栃木ニコンに興味を持ったきっかけを教えてください。
清水 中学生の頃、祖父から一眼レフカメラをもらったことが、カメラに触れた最初のきっかけです。それ以来写真を撮ることの虜になり、さまざまなレンズを集めたり、カメラの内部構造に興味を持って分解したりもしていました。
五月女 分解までしていたのはすごい。清水さんは大学で生命科学を専攻していたと思いますが、今の仕事とは違う分野ですよね。なんで栃木ニコンに入社しようと思ったんですか?
清水 自然や微生物にも興味があったので、大学では微生物の研究をしていました。大学院への進学も考えていたのですが、各社のインターンシップに参加していく中で、カメラレンズが好きな自分を思い出しました。せっかくの就職活動なのだから、好きなものを極められる会社を受けてみようと思って栃木ニコンにエントリーしました。
面接では、とにかく自分の「カメラ愛」を伝えようと決めていました。そこで、趣味で自作したカメラアダプターの話をしたところ、面接を担当していた技術者の方に興味を持ってもらえて嬉しかったですね。
古橋 アダプターを自作するなんて、まさにカメラへの熱量が伝わったんですね。私は前職は自動車部品メーカーで働いていて、金属などを加工するプレス金型の設計に携わっていました。やりがいのある仕事でしたが、前職では駆動系の部品を担当していたため、完成後に目に触れる機会はほとんどありません。だからこそ今度は、手がけた製品をより身近に感じられる仕事がしたいと考えるようになりました。
清水 そこからどうしてカメラ、そして栃木ニコンを選んだんですか?
古橋 そんな中、もともと私にとって身近な存在だったのがカメラだったからです。社会人になって初めてのボーナスでニコンのカメラを手にして以来、ずっとニコンユーザーだったので、愛着のある製品に仕事として関われたら良いなと思ったんです。栃木は私の地元でもあるので、慣れ親しんだ環境でものづくりができることにも魅力を感じて転職しました。
五月女 好きなものに携わりたいという気持ちは、本当に良くわかります。私も入社する前からずっとカメラが好きで、ものづくりへの憧れがありました。もう20年以上前の話なので、面接の雰囲気などはあまり覚えていませんが、面接官には「自分にとってなじみのあるものをつくりたい」と、率直な気持ちを話しました。

部署の垣根を越えた共創が、世界基準の「ニコン品質」を担保する。
──主にカメラ用交換レンズの生産技術を担当している皆さんは、普段どんな仕事をしていますか?
五月女 私は、ガラス材料の研削や研磨などの工程を通して、カメラレンズ加工の生産改善などに携わっています。1本の交換レンズの中には複数枚のレンズが入っていて、それぞれ大きさや厚さ、レンズ表面の曲がり具合が異なります。それらを現場の方が機械や手作業で設計通りに加工できるように工程や加工方法などを考案・改善していくことが主な仕事です。また、主要生産拠点であるタイに出張することもあり、現地スタッフへの技術指導にも携わっています。
古橋 五月女さんがレンズそのものの加工に携わっているのに対して、私はそのレンズを収める金属部品の加工や、部品に施す刻印の加工に携わっています。工作機械の動作をプログラムで設定し、実際に操作しながら部品を加工していきます。また、ロボットを活用した工程改善にも取り組んでいて、人の代わりに作業を自動化する範囲やロボットの動作条件などを検討しています。
清水 そして私は、お二人が携わった部品などが組み上がった後に行う、交換レンズの光学調整工程の検討や改善を担当しています。光学調整とは、簡単に説明すると「製品として求められる光学性能が得られるよう、各レンズの位置や向きを微調整すること」です。光学測定装置や自動調整装置、人の手による調整なども活用しながら、そのレンズがニコンの厳格な品質基準を満たす光学性能を実現できているかを見ています。
──それぞれ別の工程を担当されていますが、他部署の方々と連携するタイミングはありますか?
清水 頻繁にあります。製品を立ち上げる際に製品開発チームが編成されます。チームには私たち生産技術やニコンの設計者をはじめとした各担当部署の方が集まり、都度やり取りしながら進めています。たとえば、組立現場で想定とは異なる状態の製品が見つかり、私が詳細な光学測定や解析を行った結果、レンズ加工に関わる不具合が見つかれば、その時はすぐに五月女さんをはじめとするチーム内のレンズ加工担当と連携しながら原因を調査することになります。
五月女 そうですね。そういった製造現場での連携に加えて、実はもっと前の製品開発初期の段階で、つくりやすさや量産性を踏まえ、ニコン本社の設計担当に仕様のフィードバックを行うこともあります。設計側が、必要な性能を満たすためにこの形状が必要だと判断していても、生産技術の立場から「これでは量産が難しいため、形状を見直してほしい」と意見をすることも少なくありません。
古橋 私も部品加工の立場から、開発初期に図面を見ながら「この形状だと工具が入らないので、形状を見直してもらえないか」などと話すことはありますね。また、先ほど話したロボットを活用した工程改善については、当然私一人で進められるものではありません。製造現場をはじめ、生産に関わる方々の意見をもらいながら取り組んでいます。
五月女 自分の工程だけを見ていても、製品の品質向上にはつながらないですよね。関係部署との密なコミュニケーションを常に意識しながら、日々の仕事に向き合っています。

技術にはストイックに、休みは柔軟に。働きやすさが生む高いパフォーマンス。
──お仕事の中で、大変さを感じた時はどんな時ですか? また、それを乗り越えた先でやりがいを感じる瞬間があれば教えてください。
清水 私の場合は、大学時代の専攻と今の業務が全く異なることもあり、正直なところ最初はわからないことばかりでした。たとえば、測定に使う装置一つ取っても、その装置では何を測っていて、データは何を意味しているのか。さらにそれをどう解釈して周囲に伝えて行けば良いのかわかりませんでした。
そんな私を支えてくれたのが、OJT担当の先輩です。基本的な測定方法はもちろん、不具合の解析、その原因の調査方法などの様々なことを教えてもらいました。今も、先輩が主担当の製品開発チームに所属して、学びを深めながら仕事に取り組んでいます。レンズ部品から製品としての形になっていく工程を目にする中で、各部品の意味や機能が組み合わさっていく様子や、性能のばらつきを抑えることで高い品質を作り上げていく様子は技術的にも面白く、やりがいも大きいです。
五月女 そういえば清水さんは、ニコン本社で光学設計の研修も受けていましたよね。研修はどうでした?
清水 本社では半年間、レンズの構成や仕様をどのように検討しているかを光学設計側の立場で学びました。普段は生産技術として、設計で想定された光学性能を安定して実現する立場にいますが、今回の研修によって設計図の内容だけでなく、その背景にある設計担当者の意図にも目を向けられるようになったと感じています。古橋さんは、前職と比べて難しさを感じることはありますか?
古橋 前職で担当していた自動車部品は人命に関わるものだったので、品質には十分気を配っていました。一方で今は、求められる品質の観点が前職とはまた異なると感じています。今扱っている部品はユーザーが直接触れるものでもあり、わずかな傷も許されません。
ただその分、自分が関わった製品が目に見える形でユーザーに届けられるのは嬉しいです。家族や友人に、家電量販店のニコンブースで「この交換レンズのこの部品をつくった」と伝えられることにも誇りを感じています。
五月女 それはすごくわかります。自分が携わった製品が店頭に並んでいるのを見ると、やっぱりテンションが上がりますよね。
古橋 五月女さんは長く活躍されていますが、これまでのキャリアで一番大変だったのはどんな時ですか?
五月女 これまでのキャリアで一番大変だったのは、2011年にニコンのタイ工場が洪水で浸水してしまい、急ピッチで再度ラインを立ち上げなければならなかったことです。
古橋 タイ工場の洪水は、大きなできごとでしたよね。当時ニュースで見ていました。復旧に向けてかなり大変だったのではないでしょうか?
五月女 当時、タイでデジカメに内蔵するプリズムを作っていたのですが、浸水により工作機械がすべて使えなくなってしまって。ニコングループ全体はもちろん、機械メーカーの方々など多くの関係者と調整しながら、現地の復旧に奔走しました。
あまりに衝撃的なできごとではありましたが、事態を救ってくれたのは、タイの現地従業員が辞めずに残ってくれたことでした。そのおかげで技術指導は最小限で済み、早期復旧を進めることができました。タイのメンバーが残ってくれていたのは、現地に赴任していた先輩方が日ごろから強固な信頼関係を築いていたからこそだと思っています。このできごとを通して、私自身も周囲との関係性をより大切にしながら働いていこうと心に決めました。

──社内の雰囲気や、制度について教えてください。
古橋 先ほどの連携の話にも通じますが、部署内はもちろん、部署をまたいだコミュニケーションが非常に取りやすいと感じています。前職では、自社製品ではなかったため、形状変更や工程変更を容易に行える環境ではありませんでした。そのため、他部署や他社へ確認することも多く、対応に時間がかかることもありました。
一方、栃木ニコンでは、社内で自社製品づくりを一貫して進めていることもあり、部署をまたいだやり取りが日常的です。ちょっとした相談もスムーズにできますね。
五月女 たしかに、ものづくりや製品の品質には、妥協しない人が多いですよね。他部署との連携や意見交換が活発なのも、そういった高い志を持った社員が集まっているからこそだと感じます。
清水 そのとおりですね。先輩方は皆さんレンズに関しての知見が豊富で、特に技術的な合理性については妥協しない印象があります。私はこれからも先輩方の経験や知識を吸収していきたいです。
五月女 仕事はもちろんですが、仕事以外の時間を大切にしている方が多いです。やはりカメラ好きな人が多いので、カメラの話題が尽きないこともありますね。ついこの間も、気温が-10℃以下の雪山でもフリーズせずに動作する機種について盛り上がりました。
清水 わかります。撮影を楽しめるイベントや季節の行事に合わせて有休を取って、プライベートを充実させている方も多いですよね。休みは取りやすいですし、新卒でも初年度から20日間の有休が付与されるのはすごくありがたかったです。
古橋 上長も、有休をしっかり消化できているかを一人ひとり気にかけてくれる雰囲気がありますね。
働き方の制度の話で言うと、私がよく活用しているのは、「フレックス制度」です。コアタイムが短く設定されているので柔軟に働けます。日中に少し銀行で用事を済ませたい時や、夕方に予定がある時でも勤務時間を調整できるので助かっています。
五月女 私もフレックスは活用していますね。たとえば資料の作成が思った以上にはかどって、「ここで切りあげずにもう少し進めたい」と思った時は少し残業し、その分次の日は早く帰るといったメリハリのある働き方ができています。仕事とプライベート、オンオフの切り替えがしやすい環境だと思います。

求められるのは「つくりたい」という情熱。知識ゼロから飛躍できる環境。
──今後のビジョンを教えてください。
清水 今は先輩が主担当の製品開発チームで働いていますが、技術的知識や開発プロセスを身に付けていき、将来的には自分が主体となって新製品の量産試作、量産立ち上げを担える技術者になりたいです。ゆくゆくは、ニコンの看板製品の光学担当となって、これまでにない撮影体験を提供できる製品を世界に送り出したいです。
五月女 若手からそんな頼もしい言葉が聞けて嬉しいですね。私はこれからも、「自分が欲しいと思えるものをつくる」ことを大切にしたいです。そのためには、性能を追い求めるのはもちろん、精度を保ちながら価格を抑えることも大事な要素だととらえています。こうした追求を重ねることが、結果的にユーザーへの価値提供にもつながっていくと思うので、より良いものづくりができるよう技術を磨いていきたいです。
古橋 私も五月女さんと同じ思いです。製品の品質を保ちつつより効率良くつくれれば、コストの削減につながり、より多くの方にお求めやすい形で届けられます。その実現に向けて重要なのが、冒頭で話したロボットを活用した工程改善です。私自身もその取り組みにしっかりと向き合い、高品質な製品を安定して世界中に届けていきたいです。
──最後に、学生へのメッセージをお願いします。
古橋 今回集まった3人はカメラ好きばかりですが、社内には入社前はカメラにほとんど触れたことがなかった方もいるので、そういった方でも十分に活躍できます。多くの部署と協力しながらものづくりができる風通しの良い職場なので、そんな環境で働きたい方にはピッタリです。
五月女 たしかに、専門知識がなくても心配しなくて大丈夫ですよね。そもそも、今私が担当しているレンズ加工を学生時代に経験したことがある人はほとんどいないでしょうし、そういった意味では、誰もがゼロからのスタートです。カメラに限らず、ものづくりが好きな方、何かをつくり出したい思いのある方とぜひ一緒に働きたいです。
清水 私自身が畑違いの分野から飛び込んだように、学生の皆さんには専攻にとらわれすぎず、自分が本当に好きなことができる会社を選ぶ視点も大切にしてほしいです。就職活動は、自分の興味ややりたいことを見つめ直す良い機会になると思います。少しでも栃木ニコンに興味を持ってもらえたら、ぜひエントリーをお待ちしています。

