広い視野を持って最期まで寄り添う理想の獣医療、そんな綺麗事を本気で実現していきたい。

広い視野を持って最期まで寄り添う理想の獣医療、そんな綺麗事を本気で実現していきたい。

広い視野を持って最期まで寄り添う理想の獣医療、
そんな綺麗事を本気で実現していきたい。

このストーリーのポイント

  • 野良猫との悲しい別れをきっかけに、獣医師を志す
  • 一次診療から二次診療まで幅広く携わり、研鑽を重ねる日々
  • より良い獣医療の未来を実現するため、最期まで寄り添う医療を実践し続ける

最期まであきらめずに寄り添える獣医師でありたいという思いを胸に、JAHA認定総合臨床医、獣医腫瘍科認定医Ⅰ種といった難関資格に果敢に挑戦。常に目標を持ち続け、努力を重ねることができるのは、イオンペットならではの環境に理由があった。

PROFILE
イオンペット株式会社

安 勇樹

ペテモどうぶつ医療センター幕張新都心
センター長
2018年入社/麻布大学卒

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東京都出身。獣医学部卒業後、東海地方で一次診療から大学病院でも困難とされる難治症例までを担う病院で診療技術の研鑽を重ねる。子どもが小学校に進学するタイミングでUターン転職を決意し、ペテモ動物医療センター幕張新都心に入職。2022年に外科医長就任、2025年にセンター長に就任。

野良猫との突然の別れに、獣医師としての進路を決定づけられた

子どもの頃、住んでいた集合住宅に人慣れした野良猫が多かったため、触れ合う機会にも恵まれ自然と動物が好きになっていきました。とはいえ、獣医師を志すようになり始めたのは浪人生として過ごしていたときです。実は、私は高校卒業後の進学先として医学部を目指していたのですが、試験の結果が振るわず。結果、受験浪人として勉強漬けの日々を送ることになりました。そんな日々を過ごす中、ある日一匹の猫がなかなか姿を見せなくなったことが気になりました。野良猫だったので誰かに拾われていたり、別の場所へ行ってしまったのかとも思いましたが、どうしても気がかりだったので保健所に保護されていないかどうか確認をしました。すると「似たような特徴を持つ猫がいる」と連絡をいただけたので引き取りに伺いましたが、対面できたときには既に遺体となっていました。車にはねられたかのような外傷が見られ「自分にはどうすることもできなかった」という強いショックを受けたことを今でも覚えています。その出来事がきっかけになり、浪人生活の途中で獣医学部を目指すことを新たに決意し、改めて勉強に打ち込みました。強い動機形成ができたことも手伝って、無事に獣医学部に合格。獣医学部では小動物診療の道を志し、大学の先輩の紹介もあって卒業後は三重県の動物病院でキャリアをスタートしました。
勤め先の病院はワクチン接種などの一次診療はもちろんのこと、外科領域では大学病院でも難しいとされる症例まで受け入れており、地域における“獣医療の最後の砦”として忙しくも充実した日々を過ごしていました。特に、腫瘍症例については相当な数を診ることができたため、キャリアの中で一つの目標として掲げていた獣医腫瘍科認定医Ⅱ種を取得することもできました。腫瘍は根治が難しい症例ですが、獣医師として限界まであきらめずに治療にあたることの大切さ、飼い主とペットに寄り添うことの大切さを学ばせていただけたことを今でも感謝しています。このように獣医師としての技術を磨くことのできる環境に非常に満足していましたが、子どもが小学校に進学するタイミングで「故郷に戻って暮らしたい」というライフプランを実現するため、ペテモどうぶつ医療センター幕張新都心に転職することを決意しました。

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働くために必要な余裕がある環境だからこそ、目標を立てられる

ペテモどうぶつ医療センターは、一般的な動物病院では対処できないような専門性の高い治療が行えるほか、夜間救急に対応する24時間体制が特徴といえます。二次診療を行うという点では前職での経験を十分に活かすことができると思ったと同時に、獣医師をはじめ豊富なスタッフが揃っているおかげで獣医療には付き物ともいえる“過酷な労働環境”から解放されていることに驚きました。たとえば、手術執刀後の経過を診るために夜が明けるまで病院で過ごすということは獣医師にとっては珍しいことではありませんが、ペテモどうぶつ医療センターではチーム間の連携で24時間切れ目なく動物に寄り添うことができているので、安心して帰宅することができます。執刀医として、これほど心強いことはありません。飼い主さんや動物たちに良い医療を提供するためには、獣医療に従事する我々スタッフが良好なコンディションを保ち続けることも重要だと考えます。スタッフが安心して働き続けることができる環境が整っていることは、より良い動物医療を提供するための条件の一つと言えるのではないでしょうか。
また、“働く上で必要な余裕”が確保できることは、臨床に追われるだけでなく自分の目標をしっかり立てることにもつながるので、獣医師としてスキルアップしていくことにも挑戦できると思います。私は入社以降、JAHA認定総合臨床医と獣医腫瘍科認定医Ⅰ種を取得しました。獣医腫瘍科認定医Ⅱ種を取得したときに「ゆくゆくはⅠ種も取ろう」と決意していたのですが、日本全国で49名しか取得者がいない(※2025年5月現在)難関資格とされており、かなりの努力しなければならないことは覚悟していました。ペテモどうぶつ医療センターでは、日々の臨床業務の中でもしっかり資格取得に向けて勉強する時間が取れていたので、コロナ禍を除いて毎年1回実施される試験に挑戦し、2024年にようやく努力が結実して取得できました。試験日とその前日には休暇をいただいて万全の体調で臨むことができたのも合格できたひとつの要因かと思います。
今後の目標としては、JAHA認定外科医の取得を目指しています。目標の実現に向けての自助努力は欠かすことができませんが、会社からのサポートとしてセミナー受講などの支援制度を活用しながら、取得に向けて邁進していきたいと思います。

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最期まであきらめずに寄り添う獣医療の実践

浪人生だった頃の自分には、傷ついた動物を救う手段がありませんでしたが、今は獣医師として自分にできる最大限の治療を提供できる立場にあります。だから私は、獣医師として “あきらめない”ことを信条にしています。もちろん、治療をすれば必ず回復する症例ばかりではありませんが、最期まで寄り添う治療は動物にとっても飼い主さんにとっても「診てもらえてよかった」と思ってもらえるものだと信じています。
これまで多くの動物たちを診療してきましたが、私の予想をはるかに超える回復を見せてくれた症例はどれも強く印象に残っています。特に覚えているのは、難治性の症例で、手術が成功したとしてもあと1年間生きることができるかどうかという見込みのワンちゃんを診たときです。飼い主さんはそれでも治療を望まれたので、私のできるすべての技術を注いで全力で執刀しました。術後は順調に回復し、結局そのワンちゃんは術後5年以上生き、16歳で天寿を全うすることができたときは、とても嬉しかったですね。こういった症例を担当すると、心の底から獣医師になれてよかったと思います。
また、治療のために週2回ほど通院していただく必要のある症例もありました。飼い主さんにとってはたいへんなご負担とご苦労があったことかと思います。懸命な治療を継続しましたが、それでも最期の別れは訪れてしまいました。その際に、飼い主さまから「これまで診ていただいてありがとうございました」というお言葉をいただいたときは、獣医師をやっていてよかったと思うと同時に、改めて身の引き締まる思いを感じました。ペットの病気やケガは、飼い主さんにとっても大きな負担になるのは事実です。私たちは、そのたいへんさに獣医療で寄り添い、最期には「ありがとう」と言える、「一緒に暮らせてよかった」と思えるように全力を尽くすことが使命なのだと強く感じた出来事でした。

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“綺麗事”を実現し、獣医療の未来を拓いていきたい

2025年からはセンター長に就任し、臨床と並行しながら病院のマネジメントにも携わっています。まだ慣れない部分も多いですが、若手獣医師を指導する際に大切にするように伝えているのは「広い視野を持って診察する」ことです。医療の世界では「病気を診るのではなく、人を診る」という言葉がよく使われますが、これは獣医療においても共通する考え方だと思っています。そして、動物は言葉を持たないので、尚更この考え方は重要だと教えています。動物が抱える疾患や症状だけを診るのではなく、飼い主さんの様子や感情を汲み取り、ペットと飼い主さんの双方が幸せになれる治療を提供していく姿勢は、手技と同じく研鑽を続ける必要があるのです。
この記事を読まれている獣医師の皆さんの中には、この私の考えを「綺麗事」だと思われる方もいらっしゃるかもしれません。また、獣医師は激務であり、真の意味で寄り添った医療を提供するだけの余裕がないということは、獣医師の皆さん自身が最もよく理解していることでしょう。ある調査によると、獣医学部を卒業後に小動物臨床の道に進んでも1年目で約6割の方が離職してしまうという報告もあるほどです。これは、理想と現実のギャップが大きいことの証左といえるでしょう。しかし、それでも私はこの「綺麗事」を実現する必要があると考えますし、実現できるだけの環境と条件がイオンペットには揃っています。福利厚生が整っているのも企業立病院ならではの強みであり、日本最大規模だからこその系列病院の多さで出勤シフトもフォローし合えるため、余裕を生み出すことができています。この環境を活かし、ペットと飼い主さんに寄り添う医療を広めていくことで、獣医療の明るい未来を切り拓いていきたいと考えています。
獣医師を目指された皆さんはきっと動物が好きで、動物の苦しみを少しでも取り除いてあげたいという高い志と理想を持っていることかと思います。しかし、その中には現実に直面して挫けてしまいそうな人もいるかもしれません。しかし、その心に灯した思いを消さずに、私たちに会いにきてください。そして、その理想の実現を、ぜひ私たちと一緒に叶えてほしいと思います。

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