「成長したい」という気持ちに応えてくれる環境のおかげで、さらに車と仕事が好きになりました。

「成長したい」という気持ちに応えてくれる環境のおかげで、さらに車と仕事が好きになりました。

「成長したい」という気持ちに応えてくれる環境のおかげで、さらに車と仕事が好きになりました。

このストーリーのポイント

  • “好きなこと”を仕事として選ぶことへの葛藤
  • 配属されてすぐにアサインされた挑戦的なプロジェクト
  • 自分自身の専門性の高さと深さを誇るエンジニアへ

カヤバではユーザーが自分の好みでサスペンションの設定を操作できるような市販向け電子制御サスペンションシステムの開発プロジェクトが進められている。社内外からの注目度も高く、プロジェクトチームには若手社員も積極的に参加させるなど、高い専門性を持つエンジニアを育てる風土がある。 開発にあたって、さまざまな課題を乗り越え、モノづくりに直向きに向き合うことができる、それがカヤバの魅力だ。

PROFILE
カヤバ株式会社

天池 亨

オートモーティブコンポーネンツ事業本部 技術統轄部
電子技術部 第一開発室
2022年入社

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愛知県出身。電気電子工学科専攻修了。ものづくりの中でも、車のキャラクターを決定づけるサスペンションという部品の面白さ、独立系サプライヤーならではの開発姿勢に惹かれて入社を決意。入社後は、生産現場や開発現場で研修を受け、サスペンションの開発プロジェクトに携わる。仕事が終わった後は、同期と寮の部屋に集まるなど寮生活を満喫し、休日になると愛車でキャンプに出かけるなど、オンオフともに充実した日々を送っている。

「好きなことを仕事にしていいのか」という葛藤

愛知県の郊外、知多半島の出身で、父が車好きという背景もあり“車のある暮らし”という環境の中で育ってきました。車好きとしては十分恵まれた環境で、物心ついたときにはすでに車への興味関心が高く、さまざまな種類の車を眺めては楽しんでいました。オールジャンルで偏りなく、どんな車も好きな幼少期を過ごしました。メーカーや車種が異なるそれぞれの車が持つ独自の個性を子どもながらに「面白いな」と感じていたのだと思います。当時は、「将来は車関係の仕事に就きたい」という明確なビジョンを持って進学先を選んでなく、車関係の仕事に就く未来を全く想像していませんでした。選択肢として考え始めたのは就職活動を始めてからで、サスペンションという部品に興味を持ったのもそのときが初めてでした。

就職活動をする中で「自分のやりたいことは何だろうか?」と自問自答する中で、たどり着いたのはモノづくり、それも“明確な目的を持つモノ”を作りたいという思いでした。たとえば、半導体チップは工業製品に欠かすことのできない重要なパーツですが、使われる範囲は幅広く、その使い方はさまざまです。一方、サスペンションは求められる機能がとても明確でイメージしやすく、自分が求めている仕事としてしっくりきました。しかし、カヤバから内定の連絡を受けたときに、内定承諾を即決することができませんでした。自分の中であったもう一つの考えとして「好きなコトだからこそ、仕事にしたくない」という葛藤があったのです。

長く仕事を続けていく上で、すべてがポジティブな出来事だけとは限りません。仕事にしてしまうことで、好きだった車が嫌いになってしまうのではないだろうか…という考えが頭をよぎりました。そんな私の背中を後押ししてくれたのが父でした。自動車メーカーに勤め、カヤバの技術力の高さを知っており「開発の難しさや楽しさを経験しながら製品を生み出す、カヤバならそんな仕事ができるのではないか」という父の言葉で入社を決めました。

カヤバは、自動車の電動化・高性能化の要求に応え、電子制御サスペンションや電動パワーステアリングの開発に力を入れており、電気系学部出身者の活躍の場がとても多いと感じました。乗り心地やフィーリングを自由に調整できる新しい電子制御サスペンション開発は若手中心のメンバーで構成されていて、挑戦と成長が身近にある環境でした。主力製品であるショックアブソーバはとても興味深く、セッティングにより自動車のキャラクターが大きく変わります。“乗り心地”や“ハンドリング”など官能性能が大きな目的である部品であり、そこを追求する奥深さを感じました。これらの理由から、カヤバへの入社は間違ってなかったと思いました。

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自身の強みや専門性に悩む日々

入社後に配属されたのは岐阜県の拠点です。出身の愛知県の隣であり、北上するとすぐに奇麗な山々があり、キャンプやウインタースポーツが気軽に楽しめます。秘境のような温泉も多くあり、合う人なら休日は飽きないと思います。カヤバ岐阜北工場周辺には飲食店、ドラッグストア、スーパーなどが豊富で、関西にも関東にも気楽に行ける場所です。

カヤバは完成車メーカーの系列に属さない独立系サプライヤーなので、国産車から輸入車まで、オールジャンルの車のサスペンション開発に携わることができます。自分自身もメーカーや車種に拘らない車好きなので、カヤバを選んで良かったと改めて実感しています。独立系のサプライヤーとしては珍しくテストコースも保有しており、日々さまざまなメーカーの多様な車種が走っています。モータージャーナリストの方々も取材に訪れるようなカヤバの誇る開発拠点で、配属が決まったときにはワクワクしたことを今でも覚えています。

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入社から約半年間でさまざまな部品の生産現場や開発現場で研修を受けたときに実感したのは、「自分には専門性の高さが足りていない」ということでした。というのも、サスペンションの開発は大学で専攻していた分野と全く異なっていたからです。先輩の仕事を目の当たりにして「自分にできる仕事なんだろうか…」と感じました。困っているときや、プレッシャーに押しつぶされそうなときに先輩たちから丁寧なフォローをいただき、私の不安は払拭されました。様々な配慮をいただいたおかげで、未知な分野や仕事に対して後ろ向きにならずに取り組むことができました。

研修期間が明け、いよいよ本格的にサスペンションの開発に取り組むことになるのですが、最初にアサインされたプロジェクトは市販向け電子制御サスペンションシステムというカヤバのオリジナル製品。これは社内外からの注目度が高いプロジェクトで、製品開発に関して未経験の新入社員である私が選ばれたことに自分自身が一番驚きましたが、同時に「こんなに面白そうな仕事をやらせてもらえるなんて!」という喜びも感じました。

成長したいという意思が何よりも尊重される社風

通常、サスペンションの設定は完成車メーカーが車種ごとに設定しています。サスペンションを“硬く”セッティングすると、フィーリングはスポーティになり、逆に“柔らかい” セッティングにすると振動を抑えてフワフワした乗り心地に感じます。サスペンションの設定次第で車のキャラクターが決定づけられるため、開発は奥が深く、面白いともいえます。カヤバが現在開発を進めている市販向け電子制御サスペンションシステムは、アフターパーツとして既存の車種に取り付けることで、ユーザー自身がスマホアプリを通してサスペンションの設定を自由に調整出来ます。完成車メーカー向け開発にとらわれない、たとえば今日は家族を乗せて出かけるから乗り心地を重視、という設定も可能になります。カヤバが独自にコンセプトや機能設計を行う、まさに独立系サプライヤーならではの製品開発だといえるでしょう。

やる気だけは十分な私ですが、若手社員中心に組まれた本プロジェクトの中でも他メンバーに比べて専門性の高い分野を持っているわけではありません。そんな自分がこのプロジェクトで存在感を発揮するためにはどうしたらよいだろうか…と考え、私自身やったことが無いソフトウェア開発を担当したいと自ら手を挙げて志願しました。もちろん、経験も知識も持っておらず、なおかつ新入社員の私がこんな主張をしてもよいのだろうかと思いましたが、希望は通りました。その後、社外の研修会への参加やソフトウェア開発部門から全面的なサポートを受け、ソフトウェア開発のスキルを磨く機会を得ました。入社後に強く感じたことですが、カヤバには社員の“成長したい”という思いに応えてくれる風土が根付いています。だからこそ、エンジニアとしての専門性を高めたいという私の思いを汲んで、周りがサポートしてくれたのだと思います。

本製品の開発は順調に進んでおり、オートサロンなどの展示会でのユーザーからの反応は上々で、期待の声も開発チームに届いています。私もテストコースでの試走でトライ&エラーを繰り返しながら完成度を高めるために日々業務に励んでいます。

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忘れることのないモノづくりの楽しさを理解した瞬間

私は市販向け電子制御サスペンションシステムの開発プロジェクトと並行して、キャンピングカーに搭載するアクティブサスペンションの開発プロジェクトにも参画しました。キャンピングカーはその構造から揺れやすいという課題を抱えており、カヤバのサスペンション技術でその課題を克服しようというとても挑戦的なプロジェクトでした。いざスタートすると課題が多く、展示会に間に合わないという危機的状況で、出展中止を回避するためにプロジェクトチームは粉骨砕身の努力で仕事に当たりました。そのときのチーム内には悲壮感はなく、むしろ「忙しいけど、楽しい」という雰囲気で満ちていき、締め切りが近づくほど活気づいていったのです。結果、無事に展示会を迎えることができ、プロジェクトを通じてチームの結束力が高まっていく雰囲気を肌で感じ、私自身がモノづくりの楽しさを本当の意味で理解できたプロジェクトだったと思います。

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入社前は「好きなことを仕事にすると、その好きなことを嫌いになってしまうかもしれない」という不安を感じていましたが、もしそんな過去の自分にアドバイスすることができるのならば「カヤバに入社したら、もっと車が好きになるよ」と教えてあげたいです。

今はまだまだ若手社員ですが、これからもエンジニアとしての専門性を高めるため、さまざまな分野に挑戦していきたいと考えています。自身がなりたいと考えるエンジニアに成長するために、応援してくれる人たちがカヤバにはたくさんいます。そのため、成長できるスピードも速く、任せてもらえる仕事の範囲も大きいです。この先、新たに仲間になってくれる人の背中を、次は自分が後押ししていけるような存在になりたいと思います。

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