
もう一度自分が前向きになれたのは、コープこうべのおかげ。まずはリーダー職として全力投球していきたい
もう一度自分が前向きになれたのは、コープこうべのおかげ。
まずはリーダー職として全力投球していきたい
このストーリーのポイント
- 地元では誰もが知る組織。「ここで働きたい」と素直に思えた
- 地域担当として、多くの組合員の方々のくらしを支える
- 入所7年目で地域担当チーフに昇格。キャリアアップを意識するようになる
生活に関わる多彩な事業を展開し、約170万人もの組合員に貢献するコープこうべ。「一人は万人のために、万人は一人のために」という精神が、全職員に共有されている。協同購入センターで地域担当チーフとして活躍する山本さんもその一人だ。経験を重ねるに連れて、自分が果たすべき役割が大きくなっており、組織の期待に応えたいと思っている。高校時代に野球に全力を注いだ頃の前向きさを今、仕事で味わえている。
生活協同組合コープこうべ
山本 廉
協同購入センター川西
地域担当チーフ
2016年入所(新卒)
社会学部卒
兵庫県出身。宝塚、伊丹、三木など県内を移り住んできたが、どの街にも思い出がある。趣味は、社会人一年目から始めたゴルフ。高校まで没頭していた野球と違い、止まっているボールを打つのは難しいと語る。10年目を迎えた今シーズンは、ベストスコア更新を目標にしている。仕事では、地域担当チーフとなって4年。さらなる高みを目指し始めている。
「コープさん」との出会いが僕の人生を変えた
実家では、僕が幼い頃からコープこうべの宅配を利用していました。なので、生活協同組合という組織があることは早くから知っていました。しかも、地元では誰もが「コープさん」と呼ぶほど愛着を持たれています。僕も、親近感がありました。そんな僕が大人になった今、「コープさん」として働いているのは何かの縁かもしれません。
学生時代に打ち込んだのは野球です。小学校から高校まで10年間熱中していました。ポジションは、ピッチャー。「甲子園のマウンドに立ちたい」。その夢を胸に、毎日遅くまで練習に明け暮れていました。ただ、それが叶うことはありませんでした。
もう野球は、やり切りましたね。その反動なのか、大学では「何もしない」と決め、サークルにも入りませんでした。ただ、バイトはしていました。回転寿司屋で週に3日か4日ぐらい。それを4年間続けていました。
就職活動での軸は、地元で働きたいという想いだけでした。兵庫県内、広げても関西圏内を離れるイメージがなかったです。それ以外には、何のこだわりもなく、漠然とした感じで活動を進めていました。なので、業界は全く絞っていませんでした。それに、何らかの資格を持っていたわけでもなかったので、「やるとしたら営業職なんだろうなあ」ぐらいの軽い気持ちでいました。
就職活動を続けていく中でコープこうべを受けてみようと思ったのは、学生時代に実家に来てくれていた「コープさん」を思い出したのがきっかけでした。当時、僕は実家にいることが多く、母親から宅配の受け取りを頼まれることが度々ありました。その際に、届けてくれた「コープさん」がすごく良い感じで僕に対応してくれていたんです。そのときの記憶をあるとき思い出して受けてみようと考えました。
まずは、説明会に参加したのですが、地域に密着した組織ゆえ組合員の方とのつながりが深く、それが仕事のやりがいにもなっていると感じました。面接もかしこまった雰囲気は一切なく、むしろ僕たちをしっかりと受け入れようという姿勢が伝わってきました。
最終的な決め手となったのは、やはり僕が接した「コープさん」の存在でした。「こういう仕事に就いたら、僕も前向きになれるんじゃないのかな」と思ったんです。それに、コープこうべはこの地域では知らない人がいないほど有名な組織であり、誇りを持って働ける点にも惹かれました。
週に一度の配達を心待ちしてくれる組合員の方々に感謝
入所後、地域担当として最初に配属されたのは協同購入センター三木でした。地域担当とは、担当するエリアに密着しながら、商品の受発注や配達をしたり、さらには合間を縫ってさまざまな商品の営業活動をしたりする仕事です。また、協同購入とは各家庭の玄関先にお届けする個人宅配とは違い、3人以上の組合員の方にトラックの荷台に集まっていただいて受け取りをする仕組みです。その配達用のトラックが集結する拠点が、協同購入センターとなります。
地域担当は、トラックを運転することになるので、まずは兵庫県三木市の研修施設「コープこうべ協同学苑」で2~3週間、研修を受ける必要がありました。配達の際に、事故を起こすことがないよう、しっかりと安全運転のためのルールや技術を教わりました。トラック研修には30人近い同期が参加したのですが、ほとんどが一発合格とはいかず、再受講となっていました。それだけ安全運転が重要だということです。
その後は、配属先でのOJT研修。一人立ちできるまでは、先輩のトラックに同乗し一緒に配達をしていました。組合員の方への接遇の仕方も、先輩から学びました。特に、丁寧に対応することは何度も教わりました。僕が心がけたのは、いつでもどんなときでも皆さんに良い印象を持ってもらうことです。実際、僕は体が大きいので初めてお会いした方にはどうしても怖がられてしまいます。なので、組合員と会話をする際には、できる限り腰を低くして目線を合わせ、ただの配達員ではないことをわかってもらえるよう意識していました。
実際に地域担当としてエリアを受け持つようになってから、すぐにこの仕事のやりがいを感じることができました。僕が最初に担当した地域は田舎町だったので、高齢の組合員の方が多かったです。入所したての僕は、皆さんからすると孫世代。配達で会えることをすごく楽しみにしてくれていました。お会いするのは、1週間に1度だけですが、いつも笑顔で迎えられていました。「心から待ってくれているんだなあ」「本当にありがたい」と何度思ったかわかりません。
その一方、しんどさもありました。何しろ、どんなことがあっても組合員の方にご注文いただいた商品をお届けするのが、地域担当の使命。なので大雨、大雪の日も、もっと言えば台風が来ていても配達しないといけません。ずっと天気予報を気にしながらの日々でした。
仕事を続けていく中、入所前とのギャップを感じた点もあります。コープこうべは、非営利組織なので、それほど営業活動を意識することはないのではと思っていたのですが、組織を維持するためには一定水準の利益を確保しなければなりません。やはり、どの仕事も甘くはないですよね。特に、組合員でない方に宅配利用を勧める拡大担当になったときには、営業活動に専念していました。とはいえ、コープこうべは生協法で「営利目的」の事業は禁じられていますので、すべては組合員のため。営業でうまれた剰余(利益)を組合員の暮らしに還元するのが私たちの仕事です。
リーダー職には苦手意識があったが、あえて地域担当チーフに挑む
7年目に協同購入センター川西に異動するとともに、地域担当チーフに昇格しました。同じチームに属する8名の地域担当メンバーを取りまとめるポジションです。チーフになると、自分では担当エリアを持つことはありませんが、代わりにメンバーの労務や数値を管理し、仕事で悩んでいるようであればアドバイスをする必要があります。
学生時代も含めて、そうしたリーダー的な立場に就くのはこれが初めてでした。正直言うと、昔から苦手だったんです。ただ、今後のステップアップに向けては経験した方が良いとずっと思っていました。なので、打診をいただいたときには素直に受け入れました。早い方だと入所から4~5年でチーフになるケースもあるようですが、チャレンジの機会を与えてもらえたことに僕はすごく感謝しています。
僕が受け持ったメンバーの世代はさまざまでした。新卒で入所して来たばかりの新人もいれば、50代のベテランもいます。また、全員が総合職員というわけでもありません。パートタイムで働かれている女性もいました。そうした方々を上手く指示・指導していかなければならなかったので大変でした。特に、自分より年齢が上の人に対しての接し方は難しかったですね。
また、メンバーは一人ひとり性格も抱えている課題も違っています。それぞれと日頃から意思疎通を図りながら、適宜アドバイスをしたり、フォローしたりするのも簡単ではありません。チーフになってもう3~4年になりますが、「チームをまとめ切れているのか」という問いに向き合い続けています。
もちろん、やりがいはありますね。それこそ、新卒のメンバーは何もわからないまま入所します。僕たちと一緒に行動を積み重ねていく中で、すごくステップアップしていく姿を見ると、まるで自分の事のように嬉しくなってしまいます。
チャレンジの機会を次々と提供してくれるので、着実に成長できる
地域担当チーフになってから、より多くの役割を任せてもらえています。その一つが、コープ委員会活動への参画です。これは、組合員の方々が自主的に集まり、コープこうべの魅力を知ってもらうためにイベントや講座を企画・実施する組織です。事務局として、その活動をフォローするのが僕の立場。委員会に参加されている組合員さんは、コープこうべ愛に溢れています。そうした方々に支えられている組織だと改めて痛感し、胸が高鳴りました。
また、新入職員研修にサポーターとして参加したことも貴重な機会となりました。僕も入所時には同様の研修を受講し、コープこうべの理念や歴史を学びましたが、現場に出ると仕事に追われ、ついつい忘れがちでした。それらを学び直し、初心に立ち返ることができました。
そして、もう一つ印象的であったのが、西日本宅配事業チームリーダー実践交流会です。これは、西日本エリアの各生活協同組合で宅配事業に携わっているチームリーダーの研修・交流会です。コープこうべからは、僕を含めて7名が参加しました。当日はそれぞれの組織がどのような事業運営をしているのかについて皆で意見交換を行いました。そして、共有し合った他組織の成功事例を後日、自分たちのチームに持ち帰り、いくつか実践させてもらいました。こうしたさまざまなチャレンジの場や成長へのきっかけを多数提供してくれるのは、コープこうべの良さであると思っています。
おかげで、野球から離れて以来、忘れかけていた僕の“全力投球モード”に再びスイッチが入った気がします。コープこうべでチーフとしてやれることは、すべてやり切りたいと思っています。それができれば、自分のチームだけでなく、協同購入センター全体の数字を管理し、メンバー全員が働きやすい職場づくりを推進する営業マネージャー職も近づいてくると思うので、目標にしていきたいです。
長期のビジョンとしては、コープこうべを支える存在になることを思い描いています。それが、協同購入センターのセンター長(管理職)なのかはまだわかりませんが、何らかの形でマネジメントできるような人材になりたいです。
就活生の皆さん、コープこうべは地域密着型ですし、組合員の方と非常に近い関係性があり、やりがいに溢れている職場なのは間違いありません。事業内容も活動内容も幅広いので、自分のやりたいことが必ず見つけられる組織だと思うので、ぜひ興味を持っていただきたいです。コープこうべの素晴らしさを広めていきましょう。