充填機の開発を通じて知る、ものづくりの醍醐味。

充填機の開発を通じて知る、ものづくりの醍醐味。

食を支える機械の開発を通じて知る、ものづくりの醍醐味

このストーリーのポイント

  • 身近な食品をつめる機械づくりで社会に貢献するやりがい
  • 先輩たちに質問を繰り返し、着実に知識を吸収していく
  • 達成感と挫折を経験して、成長を続ける

社名も知らなかったのに、“一目惚れ”のような状態で入社を決心。生産の現場からスタートし、充填機づくりの技術と知識を学んでいった。質問を繰り返し、先輩たちから吸収しながら着実に足跡を刻む、そんな主体的な姿勢こそが成長へのエネルギーとなっている。

PROFILE

樋口 昂志

四国化工機株式会社 技術二部設計一課

2011年入社/徳島大学工学部機械工学科卒

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生まれも育ちも徳島県。工学部卒業後、地元で機械設計の仕事に携わろうと四国化工機に入社。生産部を経て2年目より機械設計を担当。食品をつめる機械である「充填機」の中でも、特にロータリー系高速充填機の設計に従事する。

部活動を通じて学んだチームマネジメント

実家は中古車販売業を営んでいます。幼い頃から私は、クルマの塗装や修理などに汗を流す父の姿を見ながら育ちました。機械いじりに興味を持ち、大学で機械工学を専攻するようになったのは、間違いなくその影響だと思います。父は今も元気で同じ仕事を続けています。

大学時代で思い出に残っているのは、シンガポールで開催された国際学会で、卒論を発表したことです。研究成果を学会に投稿したところ内容が評価され、発表の機会を得ることができたのです。学生時代の集大成との思いで臨みました。
いいプレゼンテーションだったと評価されたことに加え、世界各国から集まってきた研究者たちと交流できたこともいい思い出です。

バドミントン部での活動も忘れられません。3年生で部長となり、四国の大会でベスト4という結果を残すことができました。先輩たちが厳しくて1、2年生の頃の部内は重苦しい雰囲気だったのですが、私が部長になってからは厳しいところは厳しく、楽しむところは楽しもうとメリハリのある運営を心がけたところ、部員は伸び伸びと打ち込めるようになっていきました。その結果としてのベスト4だったと受け止めています。
現在の機械設計の仕事でも、生産現場のベテランの職人たちの考えを引き出しながらチームをまとめ上げていくことを心がけています。バドミントン部での経験は今もしっかり活きていると感じます。

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仕事の機会を求めて、上司に直談判

四国化工機に入社したのは“一目惚れ”でした。
3年生のときに四国化工機の会社説明会が開催され、私は教授の強い勧めで参加することになったのです。それまで社名を聞いたこともなく、事業内容もまったく知らない状態での参加でした。
そこで目にしたのが、コンビニでおなじみのデザートの容器や牛乳パックなどがずらりと並べられていたコーナーです。「これらの商品はすべて当社の機械で製造されている」という説明を聞き、私は心底驚きました。その瞬間、この会社が好きになり、絶対に入社したいと思ったのです。あのインパクトは素晴らしく、私は自分の進む道はここしかないと決めました。

最初に配属されたのは生産部です。工場でベテランの職人たちに交じって、充填機の組み立て、調整、立ち上げまでの一通りを経験しました。
もちろん見るもの、触れるもの、すべてが初めてです。聞いたことのない専門用語が飛び交い、まるで外国で仕事をするようなものでした。私は、自分が何も知らない、理解できないことに不安を覚え、このままではマズいという焦りの中から、とにかく分からないことは何でも質問することにしました。そんな私の問いに対して、先輩方は嫌な顔をせず、手を止めてちゃんと説明してくれました。例えばなぜここでエアーを吹くのかと質問すれば、過去にこんなことがあったからだと教えてくれます。私はそれらをメモに取り、家に帰ってから必ず読み返すようにしました。
時には、現場から設計に対する不満も漏れてきました。自分が図面を書くようになっても、現場でのこうした本音を忘れないようにしたいと心に刻んだものでした。

2年目に異動し、機械設計を担当するようになりました。もともと私は上昇志向が強く、このときも早く大きな仕事がしたい、責任ある立場に就きたいという気持ちを持っていました。ところがある事情から私が担当する予定だった仕事が消滅してしまって、異動早々、手持ち無沙汰になってしまったのです。
同期がみんな忙しく働いている中、私は非常に焦って、とにかく仕事をさせてほしいと上司に直談判。すると上司は「開発中の新型機で使用する充填ノズルのテストを一緒にやらないか」と声をかけてくれました。これがとても楽しかったのです。図面こそ描きませんでしたが、自分で部品を組み立て、テストをして検証し、結果をドキュメントとしてまとめるという流れが学生時代の卒論研究と同じで、自分の経験を活かすことで会社に貢献できるという手応えがありました。それが四国化工機で技術者としてやっていけるという自信に変わっていったのです。
仕事が降ってくるのを待っているのではなく自ら取りに行ったこと、それに上司が応えてくれたことが、こうした自信につながったわけです。アグレッシブに仕事と向き合うことの大切さを学びました。

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先輩の背中に、将来の自分を重ねながら

入社4年目、大きなプロジェクトにアサインされました。日本を代表する食品メーカーのドリンクヨーグルト向けに充填機を設計するというもので、ブロー機まで純国産となる、当社にとっても初めての案件でした。
こうした大きなプロジェクトに参加できたことは大変嬉しかったのですが、いざ始まってみると先輩についていくだけで精一杯。とにかく足を引っ張らないようにと必死でした。私たち機械設計者が図面を描かないと、材料の調達や製造も、一歩も前に進みません。だからスピード感をもって進めていくことが必要ですし、関連部署とのコミュニケーションも欠かせません。必死に食らいつきながら私は機械設計者としての基礎を学んでいきました。失敗も数え切れないほど経験しましたし、顧客とやりとりをする上司や先輩の背中を見て「早く自分もあんなふうになりたい」と憧れたものでした。
この充填機によって製造されたドリンクがコンビニに並んだときは、誇らしさの一方で、もっと自分にも何かできたんじゃないかという悔しさもありました。

その悔しい思いをぶつける機会は、2年後にやって来ました。
ドリンクヨーグルト向け充填機の類似機を、他の顧客向けに開発することになったのです。私にとっての初の担当機です。顧客との打ち合わせにも足を運び、細かな仕様の決定にも携わりました。打ち合わせの場で分からないことがあったときは持ち帰って検討もしましたが、初めて自分が担当としてプロジェクトを回しているという実感が得られました。
類似機ですから完全にゼロから開発したわけではありませんが、自分の力でやりきったという実感が得られました。この充填機でつくられたドリンクをコンビニで見たときは、大きな達成感がわいてきました。
ところがその直後、大きな挫折を味わいます。入社4年目に携わったドリンクヨーグルト向け充填機について、顧客から「生産能力を倍増してほしい」という依頼が来たものの、それに応えることができず、受注を逃してしまったのです。完全に私たちの力不足でした。今もあのときの歯がゆい思いは忘れられません。

実は今取り組んでいるのが、そのリベンジとも言える案件です。失注してしまった顧客から新たな充填機の引き合いがあったのです。
この案件を担当することになった際に私が役員からかけられたのは「設計担当者自ら営業をしなさい」という言葉です。つまり積極的に顧客とコミュニケーションを取り、コンセプトの段階から設計者として携われということです。
その言葉に従い私はコンセプトづくりから取り組み、あるヒントを見つけました。そのあと、すぐに勢いに任せて企画書を作成。顧客へのプレゼンテーションに臨みました。
結果はこれからですが、手応えは十分。必ず受注できると思います。挫折を乗り越え、次の山を目指していく、そんな思いで取り組んでいるところです。

次のステップアップのため営業にチャレンジしたい

充填機の開発、設計に取り組んでいると、自分の全てを注ぎ込んでいるような感覚が得られます。入社1年目に生産現場で職人から教わったこと、先輩たちに質問を重ねて何でもかんでもメモしたこと、失敗して叱られたことなど、あらゆる経験を振り返りながら図面を描き進めています。当時の記憶が甦ってきて、先輩や上司の顔も浮かんできます。
機械設計の技術者として歩んできた自分の全てを込めて、今までにない最高に魅力的な充填機をつくってみせるという思い。その熱さが、私にとっての一番のやりがいです。

今後は一度、機械設計の仕事を離れて、営業にチャレンジしたいと思っています。
自分が経験した全てを注ぎ込んで設計していると言いましたが、実はそこには顧客の言葉という要素が欠けています。営業として顧客と接することで得られるものは大きいはずですから、それができたらさらに一歩進んだ提案ができるのではないでしょうか。営業的視点での提案力を身につけることが、これからの私のテーマです。

充填機は、それ自体が一つの設備です。数10メートルという大きさで、圧倒的な存在感を放っています。一部の部品づくりではなく、この設備全体を自分の手でつくりあげていく、そんなスケールの大きさを、ぜひ機械を専攻する皆さんにも知っていただきたいと思います。
私が期待するのは、たとえ失敗したとしても落ち込むのではなく、むしろ笑い飛ばして次にチャレンジできる方です。技術や知識は入社後にいくらでも学べます。あらゆることに対して貪欲で、吸収力に優れた方と一緒に仕事ができたら嬉しく思います。

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