4年がかりで新たなマシンを開発。未踏の領域に挑んだことで、第一人者に。

4年がかりで新たなマシンを開発。未踏の領域に挑んだことで、第一人者に。

4年がかりで新たなマシンを開発。
未踏の領域に挑んだことで、第一人者に。

このストーリーのポイント

  • 自分らしさを大切に働けると感じて入社
  • 現場実習で機械設計者の本質を学ぶ
  • 前例のない「リニア搬送式充填機」開発を成功させる

食品・飲料の充填機でニッチトップの四国化工機。自ら望むことで新たな挑戦の機会を得られる風土がある。前例のないことだからこそ、熱く燃えられる。

PROFILE
四国化工機株式会社

大塚 翔太

四国化工機株式会社 技術一部 設計一課
2014年入社/徳島大学 工学部 機械工学科卒

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徳島県出身。就職活動では四国化工機のインターンシップに参加し、設計者と組立現場の距離の近さに好感を持った。入社の決め手となったのは、自分らしさを大切に働けると感じたこと。1年間の現場実習を経て、設計部門に配属。「リニア搬送式充填機」の開発に携わる。

設計と現場の近さに好感

祖父母が小さな工場を営んでおり、私は幼い頃によく遊びに行きました。物心つく頃から製造現場を当たり前のように目にしたことで、ものづくりや機械に対する好奇心が自然と芽生えたのだと思います。それが長じて機械工学を専攻することにつながりました。
大学では流体力学の研究室に所属し、海洋残存エネルギーの調査に取り組みました。徳島県は「鳴門の渦潮」で有名で、潮流は世界三大潮流の一つに数えられるほど激しく、そのエネルギーの活用法を模索するための研究を行いました。

私は徳島県の出身ですが、銀行員の父は単身赴任が長かったため、母と姉との暮らしが続きました。その経験から、自分は地元企業に就職して家族と一緒の生活を大切にしたいと思うようになりました。
四国化工機を知ったのは、大学で開催された企業説明会がきっかけです。それまで社名は知らなかったのですが、地元企業で、専攻である機械工学を活かして働けるということで関心を持ち、3日間のインターンシップに参加しました。短い期間ではあったものの、組立現場で働いたときに機械設計の担当者がしばしば足を運んで話し込む姿を目にし、設計と現場の距離が近いと感じました。風通しのよさを感じ、好印象を持ちました。

入社の決め手となったのは、四国化工機なら自分らしさを大切に働けると感じたことでした。これはほとんど直感です。会社に合わせるのではなく、自分主体で働ける風土があることは、大きな魅力でした。入社して12年たちますが、この直感は当たっていたと思っています。
入社前に開催された会社見学会には、父と一緒に参加しました。帰り道に父は「いい会社に決まってよかった」と喜んでくれました。多くの企業を見てきた銀行員の父の目から見ても四国化工機は魅力ある企業なんだと知り、嬉しく思いました。

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オープンな社風が成長の追い風に

入社1年目は現場実習で過ごしました。機械設計の社員にとっての現場とは、四国化工機の工場で充填機の組み立てを行っているところです。現場では組み立ての作業者がいくつかの班に分かれて仕事をしており、新入社員は各班を3カ月ごとにローテーションして過ごしました。
充填機というものをまったく知らずに入社した私にとって、この現場実習はたくさんの学びにあふれていました。例えばボルトの締め方やドリルを使っての穴の開け方、溶接などの作業について、ベテランの作業者から直接教えていただきました。そしてその作業を通じて、皆さんと人間関係を築くことができました。
機械設計者と組立作業者は、充填機をつくるという目的は同じでも、考えていることは違います。例えば設計者は各ユニットをなるべくコンパクトに設計しようとしますが、組立作業者にとっては効率的な作業が可能か、手を入れて作業する空間が確保されているかといった点が重要です。そうしたことがわからないまま設計すると、結果として目的の充填機がスムーズにできません。
当時は早く現場実習を切り上げて設計の仕事をしたいと思ったものですが、組立工程を自分の感覚として知っておくことが設計者にとっていかに大切であるか、今になってよくわかります。

2年目に組立現場を離れ、設計の部署に配属されました。希望していた仕事ですから、嬉しかったです。
設計というのは自分の考えた機構を形にしていく仕事ではあるのですが、そこには当然社内の設計基準などのルールや、先輩方が受け継いできたノウハウがあります。線を1本引くだけでも、好き勝手にできるわけではありません。そこで先輩に基礎から教わりながら、一つひとつそれらを吸収していきました。新人ですから当然ミスはするものの、そのつど先輩から丁寧に教えてもらいましたし、不明点があれば遠慮なく質問できました。無理に背伸びすることなくキャッチアップできたと思います。

私は今34歳で、先輩も後輩も、気兼ねなく接することができています。前向きなミスであれば叱られることはないですし、初歩的な質問をしても笑われることはありません。こうした風通しのよさは、四国化工機の魅力だと思います。
もちろん世代が違うと交流しづらい面もありますが、その点は会社も配慮してコミュニケーションの機会を用意してくれます。具体的には食事会や飲み会などで、費用を会社が補助してくれるので、開催しやすい環境です。

大人数だと全員と話せなかったり、なかなか輪に加われない人がいたりするものですが、そうしたことがないよう、5、6人程度の小規模なグループでの開催が中心です。こうした交流の場は私にとってとても心地よく、いつも楽しんでいます。

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「リニア搬送式充填機」を開発

2021年から私が携わってきたのが「リニア搬送式充填機」です。
これまで四国化工機では駆動源に一般的な回転型モータを使用してきましたが、「リニア搬送式充填機」では文字通りリニアモータを使用しています。高速・高精度の搬送が可能で生産能力が大幅に向上すること、省スペースであること、省人化が可能になることなどが特徴で、コスト高や人手不足などに直面する食品工場に大きなメリットをもたらします。
このビッグプロジェクトの立ち上げメンバーは、実務者レベルでは2人だけ。電装の設計者と機械設計者の私です。私は上司との面談の場では常に「新しいことにチャレンジしたい」と伝えていたので、プロジェクトへの抜擢は本当に嬉しく、燃えました。もちろん不安はありましたが、喜びの方がずっと大きかったです。

プロジェクトがスタートしたものの、中心の機構であるリニアに関する知見はなく、世の中にどんなリニア搬送システムがあるのかを調査するところから始めました。展示会に足を運んだり、Web面談で商品説明をお願いしたり。その中から最終的にリニアモータの供給元に選んだのは、海外のメーカーでした。まさにゼロからのスタートだったわけです。
ところがテスト機を製造するという段階になって、想定外の大トラブルが発生してしまいました。なんとメーカーに供給遅延が発生し、我々のもとにリニアモータが届かなかったのです。私は真っ青になりました。会社の期待を一身に背負った大プロジェクトで、まさかモータが届かないので延期しますなんて、とても許されませんから。メーカー側に急ぐようにお願いしても「ダメなものはダメ」という態度で、海外製品を扱う難しさとともに、ものづくりに対する日本と海外の温度差を痛感しました。
結局、メーカーのラボにモータのプロトタイプがあることを突き止め、正式版のリリースまではプロトタイプで代用することに。まさに綱渡りで、なんとか正式版のモータがリリースされるまでしのぐことができました。

四国化工機の充填機は、シャフトを回してスプロケットおよびチェーン等を動かすなど、メカで制御しています。それが「リニア搬送式充填機」ではソフトで制御することになりました。機械設計者にとってこれは大きな違いで、私は搬送を制御するロジックを理解することにかなり苦労しました。電装設計の技術者に教わったり、Webでメーカーの技術者に直接問い合わせたり、ドイツから開発者に徳島まで来てもらってホワイトボードを前に解説してもらったりしたこともありました。それまで海外の技術者と仕事をしたことがなかったので、私にとっては非常に刺激的な経験でありました。
キャッチアップのために食らいついていくのに必死でしたが、一方で国際的な仕事をしている自分が少し誇らしくもありました。

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機械に命を吹き込んだ瞬間

「リニア搬送式充填機」がリリースされたのは2026年秋。およそ6年がかりの開発でした。私にとっての大きな成功体験でした。今までの充填機とまったく異なる製品ですから、組立現場も不安があったようです。それまでのノウハウが通用しない側面もあり、私は設計者として助言し、組立作業者からは現場ならではのフィードバックをいただき、協力しながら完成させました。
一番嬉しかったのはリリースよりも、テスト機に電源を入れて、充填機が動いた瞬間です。ちゃんと動いたことへのホッとする気持ちと同時に、自分の手で機械に命を吹き込めたことに感動しました。ものづくりの醍醐味を感じた瞬間でした。

「リニア搬送式充填機」はリリースされて間もないマシンですので、まずは安定稼働を通じて、お客様に安心して使っていただくことが一番の目標です。
私自身としては今回のプロジェクトで海外の技術者と仕事ができたことに加え、プレゼンテーションや営業担当者と一緒にお客様に売り込むといったことも体験できました。もともとは人見知りするタイプだったのですが、コミュニケーション力が磨かれたと思います。未経験だったことに挑戦できたおかげで、今後はこれらの領域のスキルも磨き、技術者としての幅を広げていきたいと考えるようになりました。そして、機械設計者として会社のさらなる成長に貢献したいと考えています。

私が一緒に働きたいのは、主体的・自発的に行動できる人です。技術者は人の指示を待っていては前に進むことができません。受け身の姿勢は開発において致命的ですらあります。たとえ間違っていてもかまわないので自ら課題を発見し、その解決策を積極的に発信していくことが重要です。
機械設計者に限らず、そうした積み重ねが大きな成長につながることは間違いありません。

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