
最先端の自動運転技術に携わり安全で快適なドライビング体験を提供する
最先端の自動運転技術に携わり
安全で快適なドライビング体験を提供する
このストーリーのポイント
- 目覚ましい勢いで進化する「自動運転技術」に関心を持つ
- 入社3年目でリーダーに抜擢。先行開発段階であった製品の量産化を実現する
- 完全自動運転の実現により、より安全で快適なドライビング体験を提供したい
自動運転・先進運転技術に力を入れているAstemoの姿勢と社員の雰囲気に惹かれて入社。入社3年目に、先行開発中だった製品の量産化を推進するリーダーに抜擢。現在は、自動運転に関わる2つの機能の開発を推進するリーダーを任されている。
Astemo株式会社
猪股 航汰郎
センシング開発部
2020年4月入社
学生時代から車の運転が好きで、自動運転技術のメカニズムに関心を持っていた。先進的な技術の開発に携われる自動車メーカーを中心に就活し、Astemoへ入社。完全自動運転の実現をめざし、技術開発に励んでいる。
Astemoなら自動運転技術に関われるチャンスがある
私は、車の運転が好きです。皆さんがイメージする「車好き」とは少し違って、メーカーや車種のこだわりはありません。運転席に座って、車を動かすこと自体が好きです。中でも特に関心があるのは、自動運転技術。ハンドルを握っているだけで車がなめらかに動くメカニズムに魅了されていました。
学生の時から「自動運転技術は今後飛躍的に進化する」と感じていて、将来は自動運転のような最先端技術に関われる仕事がしたいと考えていました。大学で情報工学を学んでいたこともあり、就職先はものづくりができるメーカーで、自動車業界を中心に考えていました。
自動車メーカーには、大きく分けて完成車メーカーと部品メーカーが存在します。完成車メーカーの主な役割は、部品メーカーが製造した製品を組み合わせて一台の車に仕上げていくことです。対して部品メーカーは、車に搭載する部品やソフトウェアそのものの開発を行います。自動運転技術を搭載した部品を製造する企業があると知ってからは、部品メーカーへの志望度が一気に高まりました。
数ある部品メーカーの中からAstemoに関心を持ったのは、私が就活をしていた当時から、自動運転・先進運転支援システムの開発に力を入れていたこと。ここなら、自分のやりたい仕事に関われるチャンスがあると思ったんです。また、説明会で「業界トップの部品メーカー・サプライヤーをめざす」といった話を聞き、その前向きな姿勢と将来性に惹かれました。
最終的な決め手は、Astemoで働く社員の方々の雰囲気の良さです。私は相手に一方的に話をされるのが苦手なのですが、Astemoの座談会では先輩社員と自然な距離で会話できたのを覚えています。フラットなコミュニケーションが取れる印象は、入社した今も変わりません。企業選びは、そこで働く人との相性が合うかを判断するのも大事なことだと感じています。
試行錯誤の末、先行開発段階の製品の量産化を実現
入社後は念願叶い、自動運転・先進運転支援システムが搭載された車載ステレオカメラ(人間の目の代わりとなって周囲を認識し、車体の動きを制御するセンサーが付いたカメラ)の機能を開発する部署に配属されました。
自動運転技術は、主に2つの機能で構成されています。1つは、ドライバーに見えている白線や歩行者の位置など、周辺環境の情報を認識する技術です。もう1つは、認識した情報をもとにハンドル操作やブレーキの加減を判断し、自動車の動きを制御する技術です。
私は認識技術を開発するチームに所属して、カメラに実装する路端認識機能(道路の路肩や縁石、ガードレールなどを認識する機能)のソフトウェア開発に携わりました。
入社して早々、自分でソフトをプログラミングして、テストを行い改善していく一連の流れを任せてもらえたので、やりがいが大きかったです。手を動かすことで、認識技術に関連する知識も増えていきました。
私が入社後に担当した機能はまだ量産されていない機能で、先行開発の段階でした。転機となったのは、入社3年目。先行開発中であった車載ステレオカメラを量産して販売することが決まったのです。すでに量産されている製品であれば、既定のプロセスに沿って開発を進められます。一方この場合は量産の前例がないため、開発には苦労しました。
量産化をするには、カメラ本体の機能を製品として使えるレベルまで引き上げる必要があります。しかし当初は、量産に向けて解決すべき課題の全体像すら見えていない状態でした。まずは認識技術にどんな課題があるのかを洗い出すために、試験車で公道を走行して様々なバリエーションの映像を取得。その映像をシミュレーターで評価して、現状の問題点を抽出していきました。
また、当時Astemoでは認識側と制御側の機能を別々のチームで開発していたのですが、カメラを製品化するには、それぞれの機能を組み合わせる必要があります。プロジェクトを円滑に進めるため、両チームが開発する機能を取りまとめるリーダーが必要になり、3年目の私が抜擢されました。
リーダーとして、まずは認識側、制御側の担当者が協議できる場を設け、実装すべき機能の仕様を整理していきました。取りまとめた仕様を踏まえて各担当者に機能の開発を依頼し、できあがったらそれぞれの機能を統合して試験を実施。当然一度でうまくはいかず、試験で浮かび上がった課題を整理して仕様を見直し、再試験するサイクルを何度も回しました。
プロジェクトを推進する立場でありながら、制御技術の知見不足で議論を適切な方向に導けず、力不足を感じたことも。そんな状況を少しでも改善するために、制御技術について先輩方に教えてもらったり、自分でも積極的に調べたりして、知識をインプットしていきました。
前例のない開発と、初めてのリーダー役。本当に多くの壁にぶつかりましたが、「一歩一歩の積み重ねが、必ず量産化に結びつく」と信じていたからこそ、やり抜くことができました。地道なトライアンドエラーを繰り返して、ようやく量産化にこぎつけた時の達成感は今でも忘れられません。安全で快適なドライビングを支える製品を世の中に送り出せたことは、技術者としてこの上ない喜びであり、誇りに思っています。
特定の技術にとどまらず、広い視野で物事を見られるように
Astemoには、高性能な製品の開発に向けて技術を磨いているプロフェッショナルな方々が多く、日々刺激を受けています。自分の担当領域にとどまらず、ほかの領域の技術を担当する人ともコミュニケーションしながら、ものづくりをしているように思います。製品全体を見渡しながら仕事を進める先輩方に影響されたからか、私もより広い視野で物事を見られるようになりました。
現在は先ほど話した路端認識機能のほか、公道に設置された標識を検知する機能の開発リーダーも任せてもらえるようになりました。車載ステレオカメラの認識分野において、2種類の技術に広く関われていることにやりがいを感じながら業務に励んでいます。
今後は、担当している2つの機能の性能を高めることで、自動運転技術のレベル自体を引き上げていきたいです。自動運転技術のレベルは0〜5の6段階に分けられており、現在Astemoでは、レベル3(一定の条件がそろえば自動運転が可能)の技術開発に力を入れています。この現状から、ゆくゆくはレベル5(完全自動運転)の実現に向けて技術力を高めていきたいです。
精度の高い自動運転技術が普及すれば、ドライバーの負担がより軽くなりますし、交通事故の削減にも貢献できます。免許を持たない方が、車を移動手段として使う未来もやってくるでしょう。より安全で快適なドライビング体験を提供することで、人々の豊かな暮らしを支えていきたいです。
自動運転技術は数年前に比べて飛躍的に進化しているものの、まだまだ伸びしろが多い分野です。性能を上げるために検討すべき課題はたくさんありますし、常に新しい技術をキャッチアップする必要もありますが、好きなことなので楽しく取り組めています。これからも好奇心を大切にしながら、妥協しないものづくりを続けていきます。