ロングセラー製品を自分の手で──。大きな夢に若手研究者が挑戦する。

ロングセラー製品を自分の手で──。大きな夢に若手研究者が挑戦する。

このストーリーのポイント

  • 若い研究員が失敗を恐れずにチャレンジできる
  • 生活に身近なものづくりに携われるのが魅力
  • 風通しがよく、気軽にコミュニケーションのできる環境

日用品という、生活に身近な製品の開発に携わりたくて入社した研究員たち。その夢が叶い、自らの手で開発した新製品を市場に送り出している。若手のうちから大胆にチャレンジできる風土が大きな魅力だ。

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アース製薬株式会社

 研究開発本部 研究部
2016年入社/理学系研究科修了

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“人”に魅力を感じて入社。防虫剤の開発を担当。間もなく産休取得予定で、今後は仕事と子育ての両立を目指す。

 研究開発本部 研究部
2017年入社/薬学系研究科修了

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専攻にこだわらず、幅広い領域のものづくりに挑戦しようと入社。『モンダミン』を担当し、新シリーズを市場に送り出す。

誰でも知っている身近な製品づくりに携わりたい

──学生時代、どんなことに力を入れましたか。

 研究室では合成化学の研究に取り組み、メーカーとの共同研究を行いました。化学の魅力は、正解がはっきりと目に見えるところ。共同研究では、実験が成功すれば煩雑だった合成ステップがどれだけ効率化できるかが明確にわかる点が面白かったです。

 私が薬学を志望するようになったのは中学時代。医師が目の前の患者を救うのに対し、薬の開発者は世界中の患者を救えると考えていました。研究室では主に分子細胞生物学を学んでいました。

 研究以外の思い出としては、旅行ですね。バイト代は全部旅行につぎ込んだと言ってもいいです。知らない国へ行っても、とにかく歩いてみよう、現地の人々に飛び込んでみようというチャレンジ精神が培われたと思います。

 私はスポーツチャンバラです。マイナースポーツですが、世界大会にも出ましたよ。スポーツチャンバラは自由さが魅力で、型や得意技など、自分なりに工夫して編み出せるんです。オリジナリティの大切さを学びました。

──就職活動について振り返ってください。

 薬学を専攻していましたから製薬業界とも思いましたが、製薬企業に入っても新しい薬を生み出すことができるとは限りません。私はものづくりに携わりたいと思っていたので、日用品業界の方がそのチャンスが多いのではないかと考えました。自分の専攻を活かすことは大切ですが、あまりとらわれすぎない方が自分の可能性を広げられるのではないでしょうか。

 私もものづくりに携わりたいと思いました。それも、普段の生活でよく使われる製品を担当したかったんです。それで私たちの生活に溶け込んでいる日用品業界を志望しました。

 アース製薬は誰でも知っている会社で、製品の数も豊富です。自分の知っている製品もあれば知らない製品もあって、きっと多種多様な製品づくりにチャレンジできるのではないかと思いました。

 入社の決め手になったのは、“人”に魅力を感じたことでした。今でも思い出すのですが、就職活動で汗だくになりながら面接に伺った際、「暑いところ大変だったね」と笑顔で出迎えてくださった方がとてもフランクで、私も自分を飾らずに自然に話ができました。そのとき、こんな雰囲気の人たちと一緒に働けたら、と思ったんです。実はその人は人事担当の役員だということを後で知って、そんな立場の人でも気軽に話しかけてくれるんだ、と驚いたものでした。

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若手に責任ある仕事を任せ、挑戦させる

──入社以来、最も印象深かったことは何ですか。

 3年目の秋のことです。当時私は防虫剤グループに配属されていたのですが、上司と先輩が異動となり、私がグループで最も担当歴の長い社員になりました。当時の研究テーマについて一番精通しているのは、一番社歴の浅い私。それまでは小さなことでも上司や先輩に頼っていたのですが、自分自身で判断をしなければならない機会が格段に増えました。

 大きなプレッシャーだったのでは。

 確かにプレッシャーでした。でも、それだけの大役を3年目の私に任せてくれたのだから、期待に応えたいという気持ちの方が大きかったです。自分で考え、「どうしましょうか」ではなく「私はこう思います」と責任を持って意見や相談ができるようになりました。決断力、責任感が身について、大きく成長できたと思います。

 若い人材に責任ある仕事を任せるのはアース製薬の社風ですね。

 任せることで、チャレンジさせる。仮に失敗しても、前向きの結果だったら、臆することなくさらにチャレンジさせてくれる。そんな社風が大きな魅力です。

 私は1年目の後半に『モンダミン』の担当になったことが印象に残っています。任されたのは、容器をかざすだけで自動的に1回分が出てくるディスペンサーの開発でした。社内だけでなく、機器メーカーと協業しながら進めていかなくてはなりません。そのためディスペンサー開発に必要な機械の知識やセンサーの知識なども勉強しました。

 まさかアース製薬に入って、センサーの勉強をするなんて。

 そうなんですよ、本当に想定外でした。けれどそのおかげで新しい分野の知識が身につきましたし、自分の可能性が大きく広がったと感じています。私にとって大きなチャレンジでした。

 これもチャレンジさせて成長させるという、アース製薬ならではのエピソードですね。

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自分の担当した製品をお店で目にする喜び

──お仕事のやりがいについて教えてください。

 やはり、自分の携わった製品がカタチになり、世の中に出ていくことですね。

 同感です。自分の担当した製品をドラッグストアやホームセンターなどで見かけると嬉しいですし、お客さまが手にしている様子を見ると、胸を張りたくなります。

 私は去年、スプレータイプの防虫剤を開発しました。それまでは既存製品のリニューアルの仕事を担当していましたので、初めて自分の手で新製品を開発するというのは、本当にやりがいのある仕事でした。この製品では2種類の有効成分を配合することにもチャレンジ。先輩のアドバイスをいただきながら、上市することができました。新しい製品だからこそ、お客様への訴求点にもこだわりましたし、店頭に並んだときは本当に嬉しかった。こういった部分もコンシューマ製品を扱うアース製薬ならではの面白さだと思います。

 私は引き続き『モンダミン』を担当しています。その中で『モンダミンNEXT』シリーズの開発を任され、新製品を無事に上市することができました。これからもお客さまの声に耳を傾けながら、製品づくりに取り組んでいきたいと思います。そして、アース製薬の“顔”となるような新製品を世に送り出すことが目標です。

 私の結婚式では、上司がスピーチの中で私の開発した製品について紹介してくれました。後日、参列していた大学時代の友人や親戚の方から「近くのお店に並んでいたから購入したよ!あなたが担当者だったのね」と連絡をいただき、自分の担当した製品が市場に並ぶ嬉しさと仕事へのやりがいを再認識することができました。

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──研究部門ならではの魅力はいかがでしよう。

 アース製薬の研究部門は、20代、30代の若手比率が高いですね。若い研究員のポテンシャルを引き出そうという雰囲気があります。

 特徴的な制度として「提案制度」があります。これは私たち研究員が、担当カテゴリーを越えて協力し合い、新製品開発につながるようなアイデアを創出できる制度です。私も入浴剤に関する提案をしましたし、虫ケア用品担当、衛生用品担当、オーラルケア担当など、所属グループの垣根を越えてさまざまな分野の知見を吸収できる貴重な場です。

 「提案制度」がきっかけとなって実際に製品化されたアイデアもたくさんありますから、研究員としては挑戦しがいがありますよね。

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ロングセラー製品を、自分の手で

──お話を聞いていると、とても風通しのよい社風のようですね。

 それは実感します。研究部だけでなく品質保証部門や製造部門など、部署の垣根を越えてコミュニケーションが自然に行われていて、誰とでも気さくに話せます。

 アース製薬は私も含めてゴルフをする人が多いのですが、一緒に練習をしたり、休日にゴルフに出かけたりしながら、自然と仕事の相談に乗ってもらうこともあります。肩肘張らずに、気楽なコミュニケーションができます。

──女性にとっての働きやすさはいかがですか。

 実は私、もうすぐ産休を取得する予定なんです。アース製薬は産休・育休取得後の復職率が高いですから、周囲にも子育てしながら働いている女性の先輩がごく当たり前のようにいます。そうした先輩方が、私が産休を取るというのでアドバイスをしてくれたり、廊下ですれ違うときに応援してくれたり。お手本になる先輩が多いのは、とても心強いですし、恵まれていると感じます。

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──最後にお二人の今後の目標を教えてください。

 研究員としては、他メーカーを圧倒するような製品づくりに携わりたいですね。アース製薬のブランド力は非常に強いですが、それに頼らなくても売れるほどの製品力を実現したいです。また、今もお話ししたようにこれから出産、育児という大きなライフイベントを迎えるので、子育てと仕事を両立させて、長く活躍したいと考えています。

 先ほど、アース製薬の“顔”となる製品を開発したいと話しましたが、将来の目標はこれに尽きます。何十年たってもお客さまが使い続けてくれるような、アース製薬の代名詞と呼ばれるほどのロングセラー製品を、私の手で世に送り出したいと思います。

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