きもののイメージを変える。成長産業と証明するための挑戦。

きもののイメージを変える。成長産業と証明するための挑戦。

きもののイメージを変える。
成長産業と証明するための挑戦。

このストーリーのポイント

  • 新たなマーケットを生み出す「成長産業」という魅力に惹かれて入社
  • 営業のプレッシャーに戸惑うも先輩の型を真似るうちに成長を実感
  • 3年目で店長に就任、「きものを広める」役割をまっとうしたい

きもの業界には老舗企業がひしめくが、きものに興味のある人だけにアプローチを続けると、当然、市場は縮小する。さが美はあえて「きものを持っていない人」の開拓に舵を切る。若手社員には、新たなマーケットを切り拓く柔軟な発想力と実行力が期待されている。

PROFILE
株式会社さが美

木村 祐太

SAGAMI 浦和店店長
文学部卒 2021年新卒入社

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入社3年目で店長に昇進。社員3名を含めた計5名が働く店舗を取り仕切る。10年以上ぶりに再開された新卒採用の1期生で、さが美改革の旗手として期待されている世代でもある。

「和」の文化を広める新しい成長産業に魅力を感じた

哲学のゼミで学び、高校では剣道、大学からは居合道を習ってきました。私のルーツとして日本文化に対する興味や愛着があったと思います。とはいえ、きものに携わる仕事につくとは想像していませんでした。博物館の学芸員の資格をとり、公務員を目指していた時期もあったので就職活動を開始したのは普通の学生と比べてかなり遅かったです。

参加した合同企業説明会で初めてさが美を知りました。きものは女性のものというイメージがありましたし、最近では着る機会が少なく、私は関わりがありませんでした。ただ「新たな市場を取り込むことで成長産業になる」という説明会での言葉にハッとしました。そのとおりだと思ったのはよく覚えています。

実は、私たちの代は新卒採用が10数年ぶりに再開された年です。それまで、さが美もほかのきもの屋さんと同じく、限られた既存客に目を向けていました。その結果、じわじわ市場は縮小を続けていたのです。それを大きく方針転換したのが、この年だったというわけです。

「成長産業」という言葉の意味は、入社してすぐに実感しました。たとえば華道や茶道をたしなむ方はきものに馴染みがありますが、それ以外の一般の方できものをお持ちなのはわずかで着る機会もほぼありません。そこできものに興味はあるけれど、まだ持っていない方へ直接的にアプローチするため、私が最初に配属された横浜の店舗はショッピングモールに出店しています。店舗の名前も、それまでのさが美からSAGAMIへと改められました。着付け体験やきものでお出かけする会など、きものを身近に感じていただけるイベントの開催にも力を入れています。

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お客様との一期一会。私たちはより豊かな生活を提案している

きものの良さを伝えるため、店内でお得意様が来るのを待っているのみではなく、積極的に広報活動を行っています。チラシを配布したり、店の前を通る方に声をかけて立ち止まっていただいたり、日々いろんな活動を行います。

また営業として自分の売り上げ目標も課されるので、最初は「売らなければならない」というプレッシャーがありました。それを、買っていただかなくても興味持ってもらえれば十分だと考えるようになってから、好転したように思います。無理に買ってほしいわけではなく「きものの魅力を広めたいから、知ってほしい」という思いで接客するように心がけてきました。きものは、生活必需品ではありませんが、気品があり日本人らしさを表すアイテムだと思います。だから身近にあれば、そして着る機会を作れれば気持ちが豊かになれると考えています。

入社1年目の上司はベテランの店長でしたが、接客、商談の流れを最初から最後まで真似するようになったら、売上もついてくるようになりました。まず、自宅で洗える着物があるところから話題をふって、試着していただくようにします。鏡でじっくり自分の姿を見ていただいてから、簡単なアンケートにも回答していただきます。こうしたコミュニケーションを経て、価格をお伝えすると本当に気に入ってくださっているか確認することができるのです。

今は、自分なりにオリジナリティを加えてもいますが、営業には「型」があることを実感しました。店舗を訪れるお客様はきものにくわしい方は少ないので、お客様と会話を楽しみながら一緒に学ぶスタンスで接すると、きものに興味を持ってくださるお客様も自然と増えてきたように感じます。

一度購入して、きもののある暮らしを気に入ったお客様はイベント参加やリピート購入のために、定期的に来店してくださることも少なくありません。私が異動する際には、わざわざ別れを惜しんでくれた方が何人もいました。「木村さんがいなかったら、こうしてきものを楽しむようにはならなかったかもしれない。あのとき勧めてくれてありがとう」という言葉をいただきました。一期一会によってお客様から感謝され、継続的なおつきあいができることに喜びを感じています。

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「トップ82人の1人」の自覚をもつということ

2年目の途中に現在の浦和店に異動し、3年目になるとようやく自分の接客にも自信がもてるようになってきましたが、店長に抜擢されたときは驚きました。店舗のスタッフが集まる朝のミーティングで、店舗を統括する本部の課長から「新しい店長は木村」と発表されたのです。1年下と2年下の後輩もできて、彼ら、彼女らの成長にも気を配っていましたが、店長となれば店舗全体の責任をおいます。これまでは自分の目標だけ追えばよかったので、最初は自分に店長が務まるのか不安でした。

課長と電話で打ち合わせしていたときだったと記憶しています。そんな私の不安を見通したのか、課長がこんな言葉をかけてくれました。「82店舗あるわけだから、従業員600名のトップ82人の1人なんだよ」。私に自信を持たせるための一言だったと理解していますが、嬉しかったのと同時に、身が引き締まる思いでした。店長のほとんどは、ベテラン社員ばかりです。その中で、私たちに期待されているのは、若手ならではのきものの常識に染まっていない発想ではないかと思います。店長といっても、指示命令するタイプでもないので、接客のロールプレイングに一緒に取り組んだり、集客の案を出しあったりしてお店を盛り上げていきたいと思っています。

日本文化が好きだというきっかけはあったものの、私は今でもきものに特別くわしいわけではありません。着付けが上手なスタッフの技術には到底かないません。それでも日々楽しく働けているのは、人と話すのが好きという原点があります。きものが好きという以上に、お客様とのコミュニケーションを楽しめる人、きものを広めていくという挑戦に共感できる人に入社してほしいです。その頃には、複数の店舗を任されるようになってより広い範囲に関わりたいと思います。

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