社員一人ひとりの学びと挑戦が、未来の損保ジャパンを創っていく。
社員一人ひとりの学びと挑戦が、
未来の損保ジャパンを創っていく。
激しい変化の只中にあっても、会社の使命をしっかりと果たしていくには社員一人ひとりの成長が欠かせない。そのためには、一人ひとりの学びやチャレンジ、教え合い・学び合いの風土の醸成と定着が必要不可欠である。そうした考えのもと、2020年に学びのプラットフォーム「損保ジャパン大学」を設立。これまでにない新しい企業内大学が社員にもたらしたものとは。そして、損保ジャパン大学が目指す世界とは。立ち上げ時からプロジェクトをリードする3人に迫った。
損害保険ジャパン株式会社
鷲本 ナミ
人事部人材開発グループ
2005年入社
内田 紘隆
人事部人材開発グループ
2007年入社
野中 美菜
人事部人材開発グループ
2007年入社
全国2万4000人の社員に向けた
学びのプラットフォーム構築という新たな挑戦
2020年10月にスタートしたオンライン企業内大学「損保ジャパン大学」。withコロナの環境下でも、全社員が組織の枠を超えてオンラインで学べる仕組みや日常業務では習得が難しい分野の学びを提供する新しいプラットフォームだ。その設立の背景には、どのような思いがあったのだろう。プロジェクトのリーダーとして6人のメンバーをまとめる鷲本がその経緯を話す。
「当社でも階層別研修や部門別研修は実施していましたが、全国の社員が今より一歩でも前に進み、主体的に学ぶことをもっと推進していくためには、会社として大きな仕組みが必要ではないかと考えており、社内で企業内大学を立ち上げることにしました」。
人事部人材開発グループ 鷲本 ナミ
鷲本が指摘するように能動的に学ぶ姿勢こそ、成長の源泉である。それは、損保ジャパンが人材育成に関する基本的な考え方として大切にしていることでもある。主力メンバーの内田が話をつなぐ。
「当社では、2019年度から人材育成を経営の中心に据えて、全国2万4000人の社員とともに一丸となって時代にマッチした人材育成のあり方を追求してきました。従来型の集合型研修では、参加人数も限られており、時間や場所の制約もあります。また、知識をインプットすることが中心で、アウトプットの機会が少ないため、学びが定着しづらいことも課題でした。こうした課題を払拭する新たな学びのプラットフォームをつくろう。社員一人ひとりが自ら学び行動し、成長につなげ、会社の未来を担っていく。そんな構想を胸に損保ジャパン大学の設立に至りました」。
そして、設立の思いや課題をベースにコンセプトが定まっていく。
人事部人材開発グループ 内田 紘隆
「まず、オンラインを活用すること。オンラインにすることで、誰でもどこからでも受講可能となり、学びの対象は全国2万4000人の全社員に広がります。さらに、ライブ配信された講義をアーカイブ配信することで、リアルタイムで受講ができない社員も好きな時間にいつでも学べるようになります。こうして、参加人数、時間、場所の制約を解消しました。そして、自ら学びたくなるような『わくわく感』を醸成すること。人から強制されても学びは定着しません。自然と能動的になれる魅力的なコンテンツや仕組みづくりに注力しました」と話すのは、主力メンバーの野中。こうして、新たな学びのプラットフォーム構築というかつてない挑戦がスタートした。
会社の経営陣や社外著名人も講師として登壇するなど
わくわく感のある企画・コンテンツを発信
個性豊かなプロジェクトメンバーの思いを一つにした船出だった。しかし、さまざまな壁も立ちはだかる。それは、10月のリリースまでわずか5か月という時間的制約と、どう利用に結びつけるかという社員のニーズに関する問題。そして、「損保ジャパン大学でインプットしたことをアウトプットにつなげてもらうためには何が必要か?」という大きな課題だった。
「10月のリリースまで、メンバー全員が当事者意識をもって全力で走り抜けました。オンラインで意見交換や課題の共有を続け、6人でアイデアを出し切りました」と、鷲本はチームワークを強調する。
「せっかく企画・コンテンツを用意しても利用されなくては意味がありません。多くの社員に見てもらうためにアンケートをとり、とにかく社員のニーズを探りました」と当時をふり返る野中。さらに、「最初から完成形を目指すのではなく、展開しながら改善を重ね、『進化し続ける損保ジャパン大学』をコンセプトとし、圧倒的なスピード感を意識して取り組んでいました」と言葉を重ねる。
人事部人材開発グループ 野中 美菜
社員のニーズを探り、トライ&エラーの繰り返しでコンテンツを洗練させていく。しかし、設立当時の社員の参加は芳しいものではなかった。そんな折、内田が企画したあるコンテンツが耳目を集めた。
「SOMPO LIVEで社長に登壇いただき、社員の質問に答えるという企画です。普段社長の考えを聞くことはないじゃないですか。直接社長と対話できるということで大きな関心を集めました。これを皮切りにさまざまな経営層を巻き込み展開していきました」と笑顔を浮かべる。スポーツ界で活躍されている著名な方に登壇いただいたときは「あっという間にオンラインの上限である650人の席が埋まりました」(内田)。
こうして損保ジャパン大学の存在が広くいきわたり、社員がわくわくするようなコンテンツを多数企画することで、参加者は約1年で2万人以上に達した。
アウトプットも促進する新たな試みで
教え合い・学び合いの仕組みは進化し続ける
知識のインプットだけでなくアウトプットすることで学びをしっかりと定着させるための新しい試みも始まっている。
「強みや専門性をもった社員が講師として登壇する新しいチャレンジです。全社員が教える側にもなり得るわけです。学んだことをアウトプットすることで、さらなる成長につなげてほしい。また、講師という新たな一歩を踏み出す社員の姿が、受講している多くの社員の新たな挑戦の刺激になればいいなと考えています」と話す野中。今後もこうした教え合い・学び合いを醸成する仕組みを進化させていきたいと語る。
本社内に設置された配信用ブース
約1年が経過した損保ジャパン大学は、社員にどんな影響をもたらしているのだろう。
「場所や時間の制約を超えて学べることで、日常業務では習得しがたい分野の研鑽や全国の仲間とのネットワーク構築につながっており、前向きな声が多数あがっています。参加後の感想や、実務に活かされている様子などが社内SNSであがっているのを見るとうれしくなります」と鷲本。さらに、野中はゼミナールにおける成果にも言及する。
「少人数制のインタラクティブな講義でテーマを深掘りできるゼミナールは、今後必要となる能力を身につけるリスキリング(再教育)としても有用。デジタル学部、グローバル学部、ビジネス学部、地域共創学部、ダイバーシティ&インクルージョン学部、マーケティング学部、コマーシャルビジネス学部のそれぞれで参加者の成長を加速させています」。
一方、「人材育成の新しい形になり得る」と語るのは内田だ。
「人がもっとも深い学びを得るのは、一方的な方法となる本や動画といった『文章』や『映像』からではなく、『人』と『人』のやり取りです。例えば人事部から全社員に文章で通達を出す。こちらからの一方的な発信なので単なる情報提供で終わってしまう。しかし、インタラクティブなやりとりなら提供した情報の背景まで語れます。それが伝わることによって社員との絆が深まり、オンラインによってその輪が全国に波及する。人がもっとも深い学びを得る対象は、やはり人だと思います。そういう意味では、人材教育の新しい形といえるのではないか」。
さらに「教え合い・学び合いをより定着させることで、社員一人ひとりの成長を促し、組織の成長、会社の成長へと広がっていく。そして、それが社会の貢献につながる」と、口を揃える鷲本と野中。まさに、損保ジャパン大学が見据える大いなる展望といえる。
この会社にいて、果たして成長できるのだろうか。多くのビジネスパーソンが口にする不安だ。一人ひとりの成長が、会社の未来を創っていく。そんな働きがいのある環境が、損保ジャパンにはある。
※取材時点での所属部署を記載しております