
社内に広がる“ワクワク感”を社会を動かす大きな力に
社内に広がる“ワクワク感”を社会を動かす大きな力に
このストーリーのポイント
- プログラミング経験よりも人物重視の採用スタイル
- 若手社員を中心に構成されたチームで新事業を推進
- 自分たちがワクワクし、社会をワクワクさせる存在に
1981年の創業以来、システムインテグレーターとしてIT業界で存在感を発揮し続けきた株式会社新日本ニーズ。社名に「ニーズ」を冠する通り、売り手のニーズ、買い手のニーズ、世間のニーズ、働き手のニーズに応え続けてきた。2022年、時代のニーズに応えるべく発足されたDX推進事業は、現・代表取締役社長の濱田が立ち上げた新事業だ。今回は、濱田を中心にDX推進事業に携わる若手社員2人に、同社の社風や今後の展望について語り合ってもらった。
株式会社新日本ニーズ
濵田 友和
代表取締役社長
2004年4月入社
大阪府出身。学生時代に自作PCの組み立てをしていた経験から、「ハードウェアだけではなく、ソフトウェアのスキルも習得したい」という思いを持ってプログラミング未経験ながらも新日本ニーズに入社。2024年8月より代表取締役社長就任。
牧野 巧
システム部DX推進課
2021年4月新卒入社
文学研究科総合心理科学専攻
福井県出身。大学院では人の心の動きを科学的なアプローチで研究する心理科学を専攻。研究室では統計ソフトを使用してデータを扱うことも多く、IT関連企業への就職を検討するきっかけになる。新日本ニーズにはプログラミング未経験者として新卒入社。
田中 裕子
システム部DX推進課
2022年4月新卒入社
法学部卒
大阪府出身。プログラミング未経験ではあったが、法学部で培ったロジカルな思考力を活かせる職場で、“手に職”をつけていきたいという思いを抱き、IT業界を中心に就職活動を開始。牧野とは同部署で直接的な先輩・後輩の間柄。
人物像とポテンシャルを重要視する採用活動
──牧野さんと田中さんの採用面接は濱田社長が担当したとお伺いしました。お二人のどんなところに魅力を感じられたのですか?
濱田 面接のことは良く覚えています。2人ともコロナ禍での選考でしたので、WEB面接だったのですが、牧野さんは画面の背景を研究室風にしていたので目立っていましたね。今でこそ珍しいことではないですが、当時はまだWEBミーティングツールが世の中に浸透し始めた時期だったので、彼はうまく使いこなして自己PRできていると思いました。
牧野 私は大学院に進んでいたので、そうした経験の部分を評価してもらうためにどうすればいいだろうかと考えた末に背景を研究室風に変えました。当時、背景はできるだけシンプルなものを選ぶ人が多かったので、PRという意味ではうまくいっていたようですね。
濱田 田中さんは面接時の質問の受け答えが軽妙で、こちらの聞きたいことや質問の意図を汲んでうまく返してくれるという印象を持ちました。面接ではコミュニケーション能力や人物像を見させてもらうため、意表を突くような質問をすることもあるのですが、田中さんは臨機応変に対応できていました。クライアントと上手にコミュニケーションが取れるだろうなというイメージが持てましたね。
田中 面接にあたって業界研究などは行っていましたが、面接とはいっても人と人との対話なので、用意したことを話すというよりも、相手の話をしっかり聞いて応えようという意識で臨んだことは覚えています。
牧野 私はエントリーシートの趣味の欄に“麻雀”と書いていたのですが、濱田社長にすごく深掘りされたことを覚えています。共通の趣味だったこともあって盛り上がったのですが、意外なところを聞いてくるんだなと思いました。
田中 面接が終わったあとに、面接を通して自分の評価された点や、逆に評価できなかった部分についてフィードバックの連絡をくれることにも驚きました。とても参考になったのと同時に、自分のことをしっかり見て評価してくれていることに安心感を覚え、志望度が高まりましたね。
濱田 「どんなITスキルを持っているのか?」ということはもちろん一つの評価ポイントにはなりますが、決定的なのはやはり人物像だと思っています。技術面は入社後の教育でいくらでも伸ばすことができると考えているので、弊社は未経験であることをマイナスポイントとは捉えないスタイルで採用活動をしています。
若手社員が新たな事業ポートフォリオに推進力を与える
──濱田社長がDX事業を立ち上げられ、牧野さんと田中さんが携わられていますね。
濱田 DX事業は私が代表取締役社長に就任する以前の2022年に立ち上げた新事業です。時代背景的にも需要の高まりが見込める分野であったことに加え、自社の事業ポートフォリオの変革を狙いました。クライアントのさまざまなニーズに応えるというコアコンピタンスは残しつつ、自社から発信できるサービスの幅を広げたいという思いがありました。
田中 私と牧野さんが所属するシステム部DX推進課では、主にクライアントの要望に応じたSalesforce顧客管理システムのカスタマイズを実施しています。さらに使い勝手の良い“痒い所に手が届くツール”にするに改造するというと分かりやすいかもしれません。
牧野 Salesforce自体はパッケージ化されたソフトウェアではありますが、どうしても汎用的な機能だけではクライアントの業務に対応しきれない部分があります。そのため、Salesforceをカスタマイズし、クライアントの業務や業態に合わせて最適化することが求められます。基本的にはローコード開発(※プログラミングは必要最小限とする開発)ですが、最適解のツールを開発するためにはクライアントの要望を汲み取った要件定義と基本設計、それを実現するためのコミュニケーション能力が重要になりますね。
田中 業務を通じて痛感していることは、DX推進はあらゆる業種において求められる分野である一方、ツールを導入しただけでは劇的な業務効率化には至らないということです。真の意味でDXを推進するためには、私たちのようにクライアントの要望にあったツールへとカスタマイズし、浸透させるまでの道筋をたてるポジションが必要不可欠なのだと思います。
濱田 弊社のSalesforceへの取り組みは業界内でも比較的早い時期から始めており、さまざまな認定資格保有者の数も年々増えてきています。システム部DX推進課は若手社員を中心に構成されており、お互いに切磋琢磨しながら技術を磨いていますね。
田中 そうですね。若手社員同士だからこそ、気兼ねなく言いたいことを言い合える関係性が構築できています。業務でも円滑なコミュニケーションや情報連携に繋がっていると感じます。特に、資格取得に向けた勉強では分からない部分を教え合いながら成長できる環境だと思います。
牧野 私もこれまでに8つの認定資格を取得しましたが、独学での勉強ではとても達成できなかったと思います。Salesforceの認定資格は細かく分野が分かれているのですが、試験対策として何を準備すればいいのか、教材は何を参考にすれば良いのかなどの情報がほとんどありません。なので、ナレッジやノウハウを共有できる環境に身を置くことが資格取得に最も有効な対策なのだと感じています。
濱田 2016年から新卒採用を本格的に始動していますが、実はシステム部DX推進課は新卒採用で入社した若手メンバーが中心になっています。協働するチームとしてうまく機能しているのはうれしい限りです。DX推進は新しい弊社の強みとなる事業なので、私自身も彼らの成長が非常に楽しみです。
働きやすい環境が良いサービスを生み出す
──牧野さんと田中さんは新日本ニーズのどのようなところに働きやすさや誇りを感じていますか?
牧野 弊社ではリモートワーク化がかなり進んでいますが、それでもオフィス環境の良さは魅力的に感じています。オフィスを構える中之島フェスティバルタワーは駅直結でアクセスも良く仕事に集中できる環境が整っています。
田中 清掃も行き届いていて、とても快適なオフィス環境ですよね。私はカジュアルな服装で勤務できることに魅力を感じました。働きやすさという意味では、快適に過ごせる服装というのは重要な要素だと思っています。また、入社一年目はバディ制度が心強かったですね。
濱田 異なる部署の先輩社員が新入社員をフォローする制度ですね。田中さんの入社当時は牧野さんがバディでしたね。
牧野 そうです。当時はまだシステム部DX推進課所属ではなかったので、直接的な先輩ではなかった私が田中さんのメンター的な役割でフォローしていました。
田中 部署が異なるのでちょうどよい距離感が生まれ、相談のしやすさがありました。OJTを通じてマンツーマンで直接指導してくれる先輩社員ももちろんありがたい存在なのですが、バディ制度はもう少しカジュアルな関係性なので、仕事の悩みなども相談しやすいと思います。今では私が新入社員をフォローする立場なので、頼ってもらえる存在になるため努力の日々です。
牧野 “働きやすさ”に関する取り組みは積極的に行っていますよね。自己成長をサポートするための教育制度として、約8,500講座から受講できるオンライン研修を活用してプログラミング言語の学習のほか、ビジネススキルやヒューマンスキルを伸ばせるのも魅力の一つだと思います。
田中 濱田社長が始めた“目安箱”も、社内で意見を交わしやすい雰囲気づくりにつながっていますよね。
濱田 そう言ってもらえるととても嬉しいです。目安箱を設置した目的は、大きく二つあります。一つは、皆さんから寄せられた具体的な要望や改善提案を通して、実際の業務改善に繋げていくこと。もう一つは、経営層と現場の距離を縮め、より風通しの良い組織にしていくことです。
なぜなら、会社をさらに良くしていくためには、社員一人ひとりの満足度を高めることが不可欠だと強く感じているからです。社内にポジティブな良い循環が生まれることこそが、最終的にお客様へのより良いサービス提供へと繋がる。という考えに基づいています。
目安箱の運用を開始してから、多岐にわたる貴重なご意見やご感想が寄せられています。中には、実際に社内の仕組みや環境の改善に繋がったものもいくつか出てきました。しかし、これの施策はまだまだ発展途上だと考えておりますので、社員の皆さんには引き続き積極的に目安箱への投稿をお願いしたいです。
牧野 「社長に直接もの申す」と考えると少し気後れしてしまうかもしれませんが、それが許される社風ですよね。
田中 自分の意見を臆することなく発言できることは、働きやすさを形成する上でとても重要な要素だと思います。
仕事を通じて社会をワクワクさせる存在に
──最後に、新日本ニーズならではのビジョンや求職者の皆さんへのメッセージをお願いします。
濱田 皆さんにとって私たちの会社は聞き馴染みのない企業だと思いますが、40年以上の歴史とプライム上場の親会社を持ち、安定性と将来性を両立しています。私自身もプログラミング未経験からの挑戦でしたが、それを受け入れる懐の深さがあると自負していますし、ぜひ期待してほしいと思います。
牧野 濱田社長が掲げる一つのキーワードとして“ワクワク感を届ける”ことがありますよね。
濱田 私が代表取締役社長に就任した際に掲げたキーワードですね。先ほど話した“働きやすさ”に通ずる部分ですが、社員がワクワク感を持って働ける環境を作ることで、ワクワク感のある提案・サービス・商品が生みだすことができると考えています。そうした私たちの仕事が大きなムーブメントとなることで、社会全体をワクワクさせるというビジョンを持っています。なので、社員満足度を上げる取り組みも、ワクワク感を社内に広めたいという狙いを持って実行しています。
田中 社員満足度を上げる取り組みに積極的ですよね。でも、私自身は社員がその状況に甘んじて受け身の姿勢でいるのは駄目だと思っています。むしろ、ワクワク感を社内に満たすためには、社員個々が仕事に対して前のめりな姿勢を持っていることが重要なのではないでしょうか。
牧野 教育やフォローする立場としても、自ら分からないことを積極的に聞きにきてくれる方の方が教えやすいですし、成長速度も速いですからね。そういう意味でも「人対人のコミュニケーションが好き」という人とは、ぜひ一緒に働いてみたいと思います。私たちのような若手でも積極的に発信できる雰囲気のある会社なので、田中さんの言う通り“前のめり”で飛び込んできてほしいです。
濱田 ほんの少しでもIT業界に興味を持っていてくれていれば、プログラミング未経験という方でも問題ありません。大切なのは、技術よりも“ワクワク感”を共有できるかだと考えています。仕事にワクワクしたい方は、難しく考えずにぜひ飛び込んできてください。
取材後記
需要の高まりに応え、日本国内には数多くのシステムインテグレーターが存在しているが、企業規模はさまざまでありながらも“会社の特徴”を明確に感じさせる企業は多くはない。その中でも、株式会社新日本ニーズは40年以上のIT業界に携わってきた老舗企業としての落ち着きを感じさせながらも、歴史に胡坐をかくことなく新しい価値を生み出す脈動を感じさせる二面性を持った稀有な企業だといえるだろう。特に今回取材したシステム部は平均年齢32.6歳(※2025年取材時点)という若手中心で構成された部門であり、彼ら自身が未来の社会に対する当事者意識を持って業務に臨んでいるからこそ、仕事への期待度の高さを感じることができた。IT企業への興味を持つ方には、ぜひ同社に流れる“ワクワク感”を肌で感じてほしい。