
お客さまと社員の豊かな暮らしづくりにチャレンジ。千葉を拠点に“攻め”の戦略を展開する「かねたや家具店」。
お客さまと社員の豊かな暮らしづくりにチャレンジ。
千葉を拠点に“攻め”の戦略を展開する「かねたや家具店」。
このストーリーのポイント
- 創業70年を誇る、千葉県を代表する家具インテリアの会社
- 従業員が豊かになるための仕組みづくりに全力でチャレンジ
- 店外催事など独自の取り組みで、営業力に磨きをかける
千葉県を代表する家具・インテリアのかねたや家具店は、1954年創業という老舗企業である。最大の特徴は、徹底的に社員の豊かさづくりにこだわった経営姿勢。経営トップが、その思いをストレートに語った。
株式会社かねたや家具店
四谷 正明
代表取締役社長
2002年、新卒入社。千葉県出身。30歳でトップ販売員から店長に就任後、数店舗の店長経験を経て営業の責任者となる。業界に先駆けたWeb集客で会社の発展に大きく寄与。役員となってからは商品本部・物流本部を歴任し、会社を牽引する。2024年3月、代表取締役社長に就任。さらなる発展を目指し、組織改革、社内制度・評価制度改革と様々な手を打っている。
結果として業界屈指の規模(業界10位以内)まで成長
1954年創業のかねたや家具店は、創業70年という長い歴史の、千葉県を中心に地域のお客様と深くつながりながら成長してきた家具・インテリアの専門店です。世代を超えたお客様一人ひとりの“人生の転機(ハレの日)”に、真剣に向き合ってきた積み重ねこそが、かねたやのブランドを育ててきました。実際に、「自分が子どもの頃に使っていた学習机がかねたやだったので、今度は子どもにも」といった親子二代・三代にわたるご来店も珍しくありません。このようなエピソードが信頼の証であり、他の量販チェーンにはない“地域ブランドとしての強さ”だと言えます。
70年続いたということは、それだけの「信頼を積み重ねる努力」を続けてきたということであり、そしてその信頼こそが、新規事業や新しいチャレンジを支える“土台”となっていると考えています。家具だけの売上では年商約100億規模となり、業界では全国で10位に入る規模です。千葉県と茨城県にて店舗を運営しているほか、東京ドームシティや幕張メッセなどの首都圏大規模イベント会場で、出張型の販売イベント(店外催事)を多数開催。店舗でお客さまを待つのではなく、自らお客さまのもとへ出向いていく“攻め”のスタイルで、「巨大ポップアップストア」を展開しています。インテリア好きの皆さんなら「家具メッセバザール®」というイベントを目にしたことがあるかもしれませんが、これを手がけているのが私たち、かねたや家具店なのです。
店外催事は年に40回ほど開催しており、幕張メッセや東京ドームシティといった大規模会場を舞台に、数百点にのぼる家具・インテリアを一堂に集めた“ポップアップ型の巨大ショールーム”を期間限定で開催しています。この催事では、通常の店舗では目にすることのできない商品ラインナップや独自の企画に加え、家具メーカーの担当者が直接来場し、製品に込められた想いや背景を顧客に伝えるという、他に類を見ない購買体験を提供しています。
様々な家具が一堂に会したイベント会場はまさに壮観。オープンと同時に、待ちかねていたたくさんのお客さまがいらっしゃいます。そして「一緒に選んでほしい」「前回あなたが薦めてくれた家具がとてもよかった」「また相談に乗ってほしい」と、社員に笑顔で話しかけてくれます。
家具は数年に一度の買い物ですから、お客さまは丁寧な説明を求めています。それは“売る”というより、“お手伝いさせていただく”“提案させていただく”という仕事で、その結果、お客さまは「ありがとう」と言ってくださるのです。モノを売るのではなく、お客さまの暮らしを一緒につくり、それによって感謝の言葉をいただく──それがかねたや家具店の仕事の醍醐味です。
家具やインテリアは、ただの商品ではなく、お客様の毎日の暮らしを形づくる存在です。
「このサイズで部屋に合うかな?」「色は何がいいだろう?」「素材の質感は?」…そんなお客様の迷いに寄り添いながら、会話を重ねるうちに、お客様自身も気づいていない、本当に求めているものが見えてくる瞬間があります。
「あ、これだ!」と、お客様の表情が明るくなった時、心の中で「よし!」とガッツポーズしたくなります。お客様との間に信頼感が生まれたのを感じられて、本当に大きなやりがいを感じることができます。流行のスタイルや空間づくりのコツ、家具の機能、そしてちょっとしたインテリアのアイデア。「なるほど、そういう選び方もあるんだ!」とお客様の視野が広がり、決断の後押しができた時、「あなたが勧めてくれたおかげで、本当に良い買い物ができたよ」と言っていただけると、自分の感性や努力が誰かの役に立ったんだと、それが何よりも嬉しいのです。
かねたやの営業は、単なる販売スタッフではありません。私たちが目指すのは、お客様の「暮らしの理想」を引き出し、それを“かたち”にするライフスタイルのプロデューサーなのです。一見同じに見えるダイニングテーブルの提案においても、家族構成、日々の生活動線、部屋の広さ、そしてどのように使いたいかという顧客の要望によって、最適な選択肢は大きく異なります。だからこそ、かねたやの営業担当者には、丁寧なヒアリングを通じて顧客の潜在的なニーズを引き出す力と、暮らし全体を見据えた総合的な提案力が求められます。
このように、顧客のライフスタイルや背景にある想いに深く寄り添い、単に家具という「モノ」を販売するのではなく、そこで育まれる「時間」、家族や友人との「関係性」、そして人生における大切な「節目」にまで配慮した接客こそが、大量販売を主とする量販店や顧客自身が商品を選ぶセルフ型店舗では実現しえない、“かねたやならでは”の営業スタイルです。
実力主義型終身雇用制度の導入
経営者である私が何よりも大切にしているのが、「働く仲間の暮らしを豊かにする」ことです。そのための仕組みづくりを、経営の真ん中に置いています。私自身、新卒で入社してこの会社に育ててもらったことから、ぜひ恩返しをしたいという思いがあり、社員は一緒に働く仲間という気持ちが強いからです。雇用する側・される側ではなく、同じ志のもとで汗を流す仲間として、みんなで豊かになろうよと考えています。
「働く人の物心両面の豊かさ」を本気で目指す企業として、『実力主義型終身雇用制度』を導入しています。これは、「意欲と実力がある限り、何歳になっても挑戦し続けられる環境」を意味します。具体的には、実力と成果を正当に評価し、収入にしっかりと反映させる制度を整えています。売上や提案力といった“数字に表れる成果”だけでなく、接客態度やチーム貢献度などの“プロセス(行動)評価”も重視するという内容です。甘辛の基準を統一し、どの店舗・どの部署・どの上司でも公平に評価される体制を整えました。年齢や経歴、性別等は関係ありません。チャンスは誰にも平等で、結果を出せば確実にリターンが得られます。実際、年収1,000万円超えを実現している営業社員も在籍しています。また、夏・冬の年2回の賞与に加え、業績に応じた全社員一律の決算賞与も支給されます。
努力と成果がしっかり報われる環境でモチベーションを高く保ちながら働くことができるため、「頑張った分だけ評価されたい」「実力で勝負したい」「いつかは幹部として活躍したい」という方にとって、実にやりがいのある職場となっています。実績を積めば、20代で主任、30代でも店長やバイヤー、営業マネージャーになることも珍しくありません。さらに、部門責任者などへの昇格も可能で、「やりたい」「任されたい」という意志を持つ人には、積極的にポジションを開放しています。
現場から経営を担う人材を育てる方針を大切にしており、店長や部門長として成果を出し続けた社員が、執行役員として事業をけん引する立場へ登用された事例も複数あります。「長く安心して働きたい」と「もっと成長したい」が両立できる。それが、かねたやの“実力主義型 終身雇用制度”といえます。社員一人ひとりの挑戦が、会社の未来になる。そう信じて、チャンスを開き続けています。
一方で、ワークライフバランスの充実にも力を入れています。
週休2日制に加え、月1回の3連休や特別休暇を含めると、年間休日は有給休暇を除いて120日以上。しっかり働いて、しっかり休む、そんなメリハリのある働き方を推進しています。さらに、誕生日休暇や出産祝い金10万円支給といった従業員発案の新しい制度も積極的に取り入れています。このように仕事だけでなく、「人としての豊かさ」や「家族との時間」も実感できる環境となっており、これからもすべての社員がやりがいと安心を感じながら、長く働き続けられる会社を目指して進化し続けます。
かねたやの最大の武器は、こうしたノウハウによって培われた営業力
長い歩みを誇るかねたや家具店ですが、それは現状に満足することなく、常に挑戦を続けてきた歴史でもあります。先ほどご紹介した店外催事の「家具メッセバザール®」をスタートさせたのは1996年のこと。地元の商圏のお客さまを店舗で待つことが常識だった当時の家具業界においては、革新的な取り組みでした。
家具やインテリアに対するニーズは、それぞれの地域によって異なります。「家具メッセバザール®」では同じ地域での催事を繰り返すことでニーズを分析し、きめ細かく対応しました。設営やレイアウトのノウハウも、積み重ねることができました。例えば東京都内のインテリアショップは、広いスペースがないため大きな家具を十分にそろえることができません。その点「家具メッセバザール®」ならば大型家具を中心に提案することで、既存のインテリアショップに満足できなかったお客さまのニーズを取り込むことができるわけです。こうした取り組みで培ってきたノウハウは、かねたや家具店の大きな強みです。
また、リスティング広告もかねたや家具店の強みとなっています。これは私が店長時代に始めた取り組みで、Web集客にチャレンジしたことでその店舗の売上は一気に伸びました。現在でも多くの家具店の集客は、新聞への折込チラシが中心です。皆さんも手にしたことがあるでしょう。それに対してWebを活用することで、地域やターゲットを絞って、的確な誘致ができるわけです。
このリスティング広告のノウハウを、現在では各地の家具ショップさまに提供し、集客のお手伝いをさせていただいています。チラシのように莫大な経費をかけることなく、効果的な集客ができるということで、家具ショップさまには大変喜んでいただいています。なぜ、かねたや家具店にとって“競合”であるはずの家具ショップさまのお手伝いをしているのだろう、と疑問に思われる方もいらっしゃるかもしれません。理由は、業界への貢献ということに尽きます。
少子高齢化によって他の業界同様、これから家具業界の市場も縮小していきます。その中で当社も含めて各社がどのように生き残っていくかは、大きな課題となっています。そうした業界全体の課題解決に少しでも貢献したいとの思いから、リスティング広告のノウハウを提供することによって集客のお手伝いをさせていただいているのです。
かねたや家具店の最大の武器は、こうしたノウハウによって培われてきた“営業力”です。今後、商圏を広げていくことは考えておらず、あくまで千葉県を拠点に首都圏に限った事業展開にこだわっていきます。そしてより筋肉質な企業になることを目指し、営業力にはさらに磨きをかけていく考えです。営業力の核となっているのは、言うまでもなく店舗や「家具メッセバザール®」で、お客さまと接している1人ひとりの社員です。その社員が営業の仕事に喜びを感じ、自身の生活にも豊かさを感じられる環境とすることで、さらにモチベーションは高まり、営業力もますます強くなっていくことでしょう。つまり「働く仲間の暮らしを豊かにする」ことは、かねたや家具店を豊かにすることであり、お客さまの生活はもちろんのこと、業界全体も豊かにすることにつながっているのです。
人の力が会社を動かし、未来をつくると実感
私が今でも覚えているのは、新卒で入社する際に受けた面接です。 その場で私が問われたのは「既に完成された店で働くのか、自分の手で好きな店をつくっていくのか、どちらがいいですか」ということでした。私は、この会社はまだまだ変わっていこうとしており、自分にもチャレンジできることがあるはずだと考え、かねたや家具店への入社を決めました。これまで取り組んできた「家具メッセバザール®」やリスティング広告などでもわかるように、あのときの決断は間違っていなかったと感じています。
印象的だったのは、3.11東日本大震災のことです。当時私は旗艦店である幕張新都心店の店長に就任したばかり。震災によって2階の天井が崩れ、スプリンクラーで1階の床が水浸しになるなど、営業再開のメドも立たないほど、壊滅的な被害を受けました。店長としての最初の仕事が、“復旧”だったわけです。ところが社内の従業員たちはもちろんのこと、取引先のメーカーの方々も毎日のように応援に駆けつけてくれ、復旧のお手伝いをしてくれました。この経験から私は、人の力が会社を動かし、未来をつくると実感したのです。あのとき支えてくれた皆さんへの感謝の思いこそ、今の私の原動力です。みんなで一緒に豊かになりたい、誰かの役に立ちたいという原動力は、ここから生まれています。
私が求めるのは、接客が好きな方、人と話すのが好きな方、仕事を通じて成長したいと考えている方です。家具やインテリア関連の知識は問いません。それらは研修や仕事を通じてすぐに学べます。頑張った分だけ評価されたい、実力で勝負したい という方にとって、成果が正当に評価され、収入にしっかり反映される報償制度 や、キャリアパス制度、従業員がやりがいと安心を感じられる環境が整っています。
ぜひ私たちと一緒に、これからの人生の豊かさを手にしてみませんか。社員一同、あなたを全力で応援することをお約束します。