二人の原点はキャチロボ。そしていまは毎日がキャチロボ。
二人の原点はキャチロボ。
そしていまは毎日がキャチロボ。
このストーリーのポイント
- 高専で出会い、一緒にキャチロボに挑む
- 二人揃って京都製作所に就職
- ここはキャチロボ仲間が集う場所
- キャチロボを原点に未来へ挑戦
全国の学生が自作ロボットで「つかむ」というテーマに挑む「キャチロボバトルコンテスト」。この大会を長年にわたり後援している京都製作所には、キャチロボ出身の社員が少なくありません。「さっこん」と「かなやん」は高専時代からの親友で、大学では3度、一緒にキャチロボに参加した仲。そのまま二人とも京都製作所に就職して5年、互いの活躍に刺激を受けながら、それぞれがエンジニアとしての理想像を追いかけています。
高専で出会い同じ大学に編入した二人は、そこで新たにロボコンチームを立ち上げます。キャチロボには3回出場し、2回目には審査員賞を獲得。さらに卒業後、京都製作所に入社するまで同じ道を歩んできました。いまは別の部署ですが、二人の原点にあるのはやはりキャチロボ。世の中にない機械を生み出すエンジニアの仕事は「毎日がキャチロボ」だと口を揃えます。そんな二人がキャチロボの思い出、現在の仕事、目指す未来について語り合います。
二人の出会い、ともに戦ったキャチロボの思い出。
【さっこん】 初めて会ったのは、高専入学のときだよね。
【かなやん】 そうそう、舞鶴高専のあのロボコンの部室(笑)。それから長岡技術科学大学に編入して、京都製作所に就職するまで、同じ道を歩んできたね。
【さっこん】 ここまで同じ進路っていうのも、なんだか不思議だよね。気づいたらいつも隣にいて、一緒にロボット作りに熱中していて。
【かなやん】 大学に編入してロボコンのチームを新しく作ろうって思ったとき、いちばんに声をかけたのも、さっこんだった。
【さっこん】 それからかなやんとは、キャチロボに3回挑戦したよね。中でも思い出に残ってるのはやっぱり2回目。あのときは個包装されたせんべいをいかに多く取るかっていうテーマだったよね。

【かなやん】 僕らのロボットは扇風機みたいな羽を回転させて、大きな口でせんべいを吸引する仕組みで、他のチームの戦略とはだいぶ違ってたよね。動作音もかなり大きくて(笑)。
【さっこん】 結局、その爆音で印象づけることができて、審査員賞までもらって(笑)。そのときの「爆音ロボット」がいちばん印象的だよね。
【かなやん】 印象的といえば、京都製作所もそう。そもそも、こういうロボコン大会を後援している会社だから、ものづくりに理解があるんだって印象を受けた。それが入社の動機にもなったし。
【さっこん】 僕が初めて京都製作所を知ったのは高専のとき。合同説明会みたなのに京都製作所もブースを出していて、そこで広報の人の話を聞いたよ。
【かなやん】 へぇ、そうなんだ。僕はその説明会には行ってないなぁ。
【さっこん】 で、当時自分が好きだったゲームソフトの組み立てをやってたのが京都製作所で、その製造工程を事細かに楽しそうに説明してくれてね。広報の人がそこまで詳しく説明できる会社って、よっぽど機械作りが好きな人がいっぱいいるに違いない。そこに行けばいろんなロボットを作れるんじゃないか。そう思ったよ。
【かなやん】 じゃあ、そのときから京都製作所に就職しようって気持ちがあったんだね。

原点を力に、京都製作所で設計に挑む毎日。
【さっこん】 かなやんはいま、技術部の管理課だよね。
【かなやん】 うん。もともと機械設計として入社して、3D設計をやっていたこともあって、いまはもっと 3D設計を広めていこう、3D設計を京都製作所のスタンダードにしようっていう仕事をやってる。さっこんはいま、どんな仕事?
【さっこん】 えーと、入社してからずっと「カートナーマシン」の設計をやってる。知ってると思うけど、 カートナーマシンっていうのは、例えばお菓子の箱詰めとかね。小袋に入ったお菓子があります。それを入れる小さな箱があります。その箱を組み立てて、中に小袋を詰める機械。入社以来、その設計がメイン。
【かなやん】 京都製作所では数ヶ月で機械を作り上げるって説明会でも聞いていて、学生の身からするとすごく大変な仕事をしてるなっていうのは伝わったけど、実際に入社してみると、ホントにすごいよね。
【さっこん】 そうそう。ホントに数ヶ月でお客様に出せるような機械をきっちり作っちゃう。プロの技術者の強さというか、スゴさにいちばん驚いたよね。
【かなやん】 でもいまは自分たちも、だいぶ「プロの技術者」になってきたよね。僕が関わったプロジェクトで面白かったのはリニア。それまで製品はベルトコンベヤーだったり、何かの箱に入れたりして運んでいたけど、それをリニアで浮上させたパレットの上に載せて運んで、いろんな工程を通して蓋をしたり、キャップ閉めたり…。そのリニア浮上装置に関わらせてもらったのがいちばん楽しかったな。
【さっこん】 僕がやりがいを感じるのはまず、一通り組み上げたロボットが動いているのを見た瞬間。キャチロボの頃は、ちょっと構造が甘い部分とかもあって、1から100まで全部同じように動くっていうことが少なかったけど、いまは何回動かしても同じように動く。それを自分が設計したと思うと、かなり嬉しいよね。
【かなやん】 うん、分かる分かる!
【さっこん】 で、自分が作った機械がお客様に評価されるともう最高! 実は初めて一から関わった機械ではかなり不安もあったんだよね。でもそれが納品後、問題なくちゃんと動いてて、営業からも「かなりいい評価もらってますよ!」って聞いたときは、もうホントに嬉しかった。
【かなやん】 まだ世の中に出てないような新しい機械を自分でつくる。設計から関わって、組み立てた機械に何度も修正を重ねてお客様のところに納品する。その一連の流れぜんぶが、エンジニアとしてのやりがいだよね。

ともに熱中できる「キャチロボ仲間」が集う場所。
【さっこん】 京都製作所には僕らの他にも、ロボコンやってた人、キャチロボに出てた人が多いよね。 それが共通の話題にもなるし。
【かなやん】 そうそう。まず「何年のキャチロボに出てた?」から始まって。
【さっこん】 実際、新卒で入社してる人の3分の1、いや半分くらいは何らかのロボコン経験者だと思う。 同じ苦労や失敗をしてるから気持ちも分かるし、仕事に関しても話がよく合うし。一緒に熱くなれるフレンドリーな仲間ばかりだから、仕事もしやすいよね。
【かなやん】 あらためてキャチロボは自分の居場所を作ってくれた大会だと思うよね。結局、キャチロボを通して就職のきっかけを得たわけだし。
【さっこん】 で、いまもキャチロボに関わるチャンスをもらってるしね。
【かなやん】 うん、今度は運営サイドとして進行や審判をやらせてもらって。いまの学生が頑張ってる姿を間近で見ると当時を思い出すし、すごく刺激にもなるよね。
【さっこん】 そういう意味ではキャチロボは自分の価値観の原点だし、いまも大切な居場所になってるよね。

キャチロボを登竜門に、理想のエンジニア像に挑戦中。
【かなやん】 最初にキャチロボに出たときは、たった二人でちっちゃいロボットを作ったけど、「次はこうしよう」を繰り返して、ロボットへの期待をどんどん大きくしていって…。そんな中で自分の技術力も上がっていく、成長していくっていうのを感じながらやってたよね。思えばキャチロボが自分にとって、エンジニアへの登竜門だった気がする。
【さっこん】 僕がキャチロボを通して学んだのは、最後までやり続けることかな。大会当日まで何があっても、どんなトラブルが発生しても、仲間と話し合って、打ち合わせを重ねて、どうやって解決するかを相談する。自分としても、チームとしても、とにかく最後までやり続けることって大事だなって、いまも思うよね。
【かなやん】 ホントにそう。チームで力を合わせて一つの機械を作り上げるっていう仕事も、考えてみるとキャチロボと一緒。キャチロボで磨いた力、学んだことをちゃんと活かせてるよね。
【さっこん】 そうそう、いまは毎日がキャチロボ(笑)!で、かなやんは、そんな中でどんなエンジニアを目指してるの?
【かなやん】 理想のエンジニア像っていうと、例えば「このプロジェクトに関してはこの人に聞けば分かる」っていわれるような、その分野のプロになりたいかなぁ。さっこんは?
【さっこん】 僕は引き出しの多いエンジニアかな。お客様から「こういうの作れないかな」って相談をもちかけられたときに、自分の中である程度のロボットの構造がパッと思い浮かぶような。で、その場で「できるかも」って思って、実際にすぐ設計できちゃうみたいな。
【かなやん】 それはもう、スーパーエンジニアだよ(笑)。
【さっこん】 すぐ設計できちゃうは無理かもしれないけど、お客様にその場で提案して、その場で「こなんロボットを作ります」って話ができるような、そんなエンジニアにはなりたいかなって思ってる。
【かなやん】 じゃあ、理想のエンジニア像を目指して、これからもお互い、キャチロボ魂で頑張っていこうよ。
【さっこん】 うん。今度は審査員賞じゃなくて、優勝を目指してね(笑)。
【二人】 爆笑

※キャチロボバトルコンテスト(キャチロボ)とは
京都製作所がオフィシャルスポンサーを務めるキャチロボバトルコンテストは、マテリアルハンドリング技術 (マテハン)に特化した一般的なロボコンと一線を画すユニークな大会で、2025年で15回を迎えました。 「機械は人間の手を超えられるか?」 をテーマに、ワーク(ロボットが掴む対象物)のハンドリング(対象物をつかんで移動し指定の場所に収納する)を競うコンテストです。また、ワークがすべてお菓子なのも大きな特徴で、全て京都製作所のお客様の商品が使用されています。


