電気専攻から機械設計へ。専門外の知識とユーザー視点を掛け合わせた新製品開発。
電気専攻から機械設計へ。専門外の知識とユーザー視点を掛け合わせた新製品開発。
このストーリーのポイント
- 働きやすさを求めて地元の「ホワイト企業」と出会う
- 現場の「不便」を解決するユーザー視点のものづくり
- 文化として根付く、本物のワークライフバランス
地元・岐阜での「ものづくり」と「私生活の充実」を両立すべくイマオコーポレーションへ入社。生産技術部門で現場の困りごと、切実な声に触れ「技術は人のためにある」という本質を学ぶ。現在は新製品の開発を担う開発課に所属。求められる100分の4ミリの精度をあえて「無視できるようにする」という視点で開発された新製品「フローティングケース」や、大学時代の学びを活かしてマイコンを駆使した試験装置を導入するなど、枠にとらわれない発想で成果を創出。また、2ヶ月の育児休業取得や月平均残業ほぼゼロの環境を活かし、理想のライフプランを体現。自らの経験を糧に、失敗を恐れず現状を変えることを楽しむ姿勢を次世代へ発信し続ける。
株式会社イマオコーポレーション
Y・K
技術部 開発課
2020年/新卒入社

岐阜県出身。工学部電気電子工学科卒業。地元・岐阜での就職を希望し、インターンシップで目にした現場改善の熱量に惹かれ新卒入社。生産技術部門で治具製作に携わった後、2023年に開発課へ異動。新製品「フローティングケース」の設計や、マイコンを活用した試験装置の導入など、専門領域を超えて活躍。私生活では2025年に第1子が誕生し、2ヶ月の育休を取得。仕事と育児を両立する若手技術者のモデルケースとして活躍中。
「ホワイト企業」の噂は本当か。インターンシップで体感したスピード感と効率性。
私の就職活動は「地元・岐阜で、ものづくりに携わりたい」というシンプルな想いから始まりました。工学部の電気電子工学科で学んでいた私にとって、技術職というと、専門知識を黙々と掘り下げていくような「少し硬い世界」のイメージがありました。そんな中で目に留まったのがイマオコーポレーションです。正直に言えば、最初は会社の名前すら知りませんでした。
BtoBの企業ですから、学生だった私にとって馴染みがなくて当然です。しかし、リサーチを進める中で岐阜県内の「ホワイト企業ランキング」にその名があることに気づき、「独自性の高い製品を作っていて、尚且つ働きやすそうだ」と興味が湧いたことが最初のきっかけでした。
しかし、ホワイト企業という評価はあくまでネットで見つけた情報でしかないため、「本当のところはどうなんだろう?」という疑念も抱いていました。そんな期待と少しの不安を抱いて参加したインターンシップでは、3Dプリンターを使ってCADでモデリングを行い、実際に形にしてみるという実務を体験させていただきました。このインターンシップでイマオコーポレーションの試行錯誤のスピード感を実感することができ、学生ながら生産効率の高さを伺い知ることになります。また、先輩社員からも「残業はほとんどないよ。17時半が定時で、18時には誰もいなくなるのが当たり前」と聞き、「イマオコーポレーションなら、自分が面白いと思えるものづくりに没頭しながら、私生活も大切にできる」と思い、入社を決意しました。実際、入社してからの勤務では残業はほとんどなく、全社の月平均でも0.3時間(18分)です。私たちの作っている製品の多くは「現場の労働生産性をいかに高めることができるか?」ということに視点が置かれたものですから、私たちが「残業ありき」で働いていては説得力がありません。ものづくりに携わるすべての人たちにとって、良い製品を届けられているからこそ実現できている労働環境だといえるのかもしれません。

「技術は人のためにある」現場の喜びの声から得た、ものづくりへの誇り。
入社後、最初に配属されたのは生産技術の部署でした。自社製品の組み立てを効率化するための治具や装置を作る仕事です。ここで私は、イマオコーポレーションの「現場力」の凄まじさを知ることになります。
現場の方々の改善意欲は、驚くほど高いものでした。作業机のレイアウト一つとっても、「この部品を取って、次にこの工具を手に取るから、配置はここがベストだ」と、ミリ単位で動線を突き詰めて考えていきます。そんなプロフェッショナルな現場に、自分が設計した治具を持ち込むのは、毎回真剣勝負です。良かれと思って小さくしてみた治具も、実際に使ってもらうと『持ちにくいからもう少し大きくして』と、逆転の発想のフィードバックをもらうこともありました。図面上ではコンパクトであることが正義だと考えても、現場では握りやすさという『感覚的にフィットする大きさ』という要素が重要な場合もあることを痛感しました。
生産技術の業務を経験した中で、忘れられないエピソードがあります。あるとき「工具の柄が手に食い込んで痛い」という相談を現場の作業者から受けました。私は3Dプリンターでただの樹脂製のカバーを作って使ってもらうことにしました。正直、技術的には何の難しさもなかったため「こんなもので良いのだろうか」とさえ思うような小さな改善でした。ところが、現場の方は「そう、こういうのが欲しかったんだよ!」と喜んでくれたのです。そのとき、私は心のどこかで「技術的に高度なことを成し遂げたい」と独りよがりな考え方をしていたのだと気づかされました。「難しい発明をすることだけが正義じゃない。働く人の不便を汲み取って、それを解消することこそが生産技術の本質なのだ」という仕事観がストンと腹に落ちた感覚がありました。技術のためではなく、人のためであることを常に忘れないようにしようと心に刻んだ出来事でした。

100分の4ミリの精度を無視できるという革新。「フローティング構造」が生んだ機能美。
2023年の夏、私は製品開発の最前線である「開発課」へと異動しました。自社向けの治具を作る生産技術とは異なり、世界中のお客様に販売する「新製品」を作る部署です。ここで担当した大きなプロジェクトが、新製品「フローティングケース」の開発でした。お客様の悩みは「ワンタッチ着脱(当社が独自に開発している締結部品)を2個同時に使用したいが、要求される取り付け穴の距離(ピッチ)精度が厳しい。ワンタッチ着脱は便利なのでぜひ使いたいのに、精度がネックとなり使うことができない」というものでした。対象が精密機器ということもあり、求められる精度は100分の4ミリで、これはお客様の使用用途や加工方法によっては完璧に合わせるのは至難の業となる精度でした。そこで私は、ワンタッチ着脱の受け側で使用する「ケース」という製品をあえて「動く(フローティングする)」構造にすることで、ズレを吸収するアイデアを形にしていきました。
最初は先輩のアイデアをベースにしてフローティングする機構を考えましたが、それでは衝撃が加わった際にフローティングする部品が外れてしまうリスクがあることに気づきました。そこで、内部に2本の平行ピンを走らせることで、外径を小さく保ちつつ、耐久性とスタイリッシュな見た目を両立させる構造に辿り着きます。スタイリッシュさと機能性は両立する必要のない要素と捉えられがちですが、イマオコーポレーションの製品は「機能美」も重視されます。新製品の開発においては、上司からは「見た目が良くないね」と厳しい指摘をされることもあるほどです。機能美にこだわる理由は、使い手が直感的に「どう使うか」を理解できるようにするためでもあります。1年半の試行錯誤を経て、展示会で「これならピッチの問題が解決できそうだ」とお客さんに喜んでもらえたときは、開発者としての誇りを感じました。
また、大学で学んだ電気電子工学の知識は思わぬ形で花開きました。新製品の耐久試験装置を、自らマイコンを使って自作することになったのです。それまでの試験装置は、単純なオン・オフを繰り返すだけのものが多く、様子を確認するために何度も試験室へ足を運ぶ必要がありました。そこで私はマイコンやセンサー、エアシリンダなどを駆使することで、ただのオン・オフより複雑な動作が可能な質の高い試験を行える試験装置を構築しました。また、異常があれば社内チャットツールに通知が飛んできたり、「今、何回目?」と聞けば、即座に返信が来るような仕組みにしました。これで実験室に行かなくても状況が把握できるようになり、耐久試験の効率は劇的に向上したのです。
専門外の分野であっても「もっと良くできる」という提案には、会社は二つ返事で「やってみよう」と背中を押してくれます。失敗を恐れずにチャレンジし、それを仕組み化していく。この自由度が、イマオコーポレーションの強さを支えているのだと実感しています。

失敗はむしろ「面白いデータ」。若手の挑戦を加速させる最高の実験場。
私がこの会社を選んだ大きな理由である「プライベートの充実」についても、期待以上でした。私の現在の残業時間は、ほぼゼロです。2025年に第1子が生まれ、この環境のありがたさを身に染みて感じています。平日は20時には子供を寝かしつけたい。しかし残業があれば、帰宅した時にはもう子供は寝てしまっていることでしょう。今の働き方であれば定時に退勤し、18時には帰宅してお風呂や寝かしつけなど、妻と一緒に子育てをすることができます。上司からも「ぜひ育休を取得してください」と促され、2ヶ月間の育休も取得しました。先輩パパたちからは「仕事だけに没頭せず、育児をしておかないと後悔するぞ」とアドバイスをもらうなど、制度だけでなく文化として「家族を大切にする」空気が根付いています。学生時代に描いていた理想のライフプランは、イマオコーポレーションで理想通りに実現されています。
振り返ってみれば、大学での専攻は電気系、仕事は機械設計です。大学時代の知見を活かしてマイコン制御で試験を効率化し、現場の声を形にするなど、これまでのすべての経験が繋がり、仕事に活きています。
今、就職活動をされている皆さんに伝えたいアドバイスは「大学で学んだことだけを仕事にしよう」と、視野を狭める必要はないということです。大切なのは、インターンシップなどで実際に現場に触れ、自分自身が「この会社で働きたい!」と思えるかどうかです。イマオコーポレーションは、新しい製品を考えたり、工夫して現状を変えたりすることが好きな人にとって、最高の実験場であり、最高の仕事場です。失敗しても責められることはありません。むしろ、その失敗を「一つのデータ」として面白がれるような、前向きな皆さんと一緒に働ける日を楽しみにしています。

