「君なら必ずやってくれる」。会社のその期待が、成長へのエネルギーになる。

「君なら必ずやってくれる」。会社のその期待が、成長へのエネルギーになる。

「君なら必ずやってくれる」。
会社のその期待が、成長へのエネルギーになる。

このストーリーのポイント

  • 機械設計者としてプリンターの内部構造の緻密さに惹かれる
  • 入社3年目で“花形”の設計を任され、苦労しながら壁を乗り越える
  • 困難なテーマに挑戦させてくれるから、大きな成長が得られる

機械設計の難しさと面白さが凝縮された、プリンターの内部構造。乗り越えるべき壁の多さが、やりがいにつながっている。手がけた製品が世の中に送り出されていく喜びは、機械設計者ならではだ。

PROFILE
京セラドキュメントソリューションズ株式会社

Y.H.

技術本部PS
統括技術部第13技術部MD17課
2017年入社

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理工学研究科システム理工学専攻(機械工学分野)修了。入社後、技術本部に配属。部門内研修を経て同年6月より技術本部プリンター1統括技術部第32技術部MD32課に所属。技術本部内の組織編成・名称変更に伴う異動を経て、2023年3月より現職。

プリンターの内部構造に目を奪われる

学生時代の一番の思い出は、機械設計研究室での研究活動です。取り組んだのは、蜂ほどの大きさの小型飛翔体の研究・設計・試作でした。非常に小さなロボットを設計・試作するため、成果を出すまでに相当の時間を要する覚悟で取り組みました。要素研究から始め、1歩ずつ研究を積み重ねていった日々は、やりがいに満ちていました。機械設計者としての基礎を身につけ、大きく成長できたと思います。国際学会で、英語による発表や質疑応答を行ったことも、良い思い出です。

京セラドキュメントソリューションズのことは、大学のOBから聞いて知りました。機械設計者になりたいと思い、メーカーを志望していたのですが、特にプリンターや複合機に興味があったわけではありません。もちろん「京セラ」の社名は知っていましたから、大きくて安定した企業なのだろうなという印象はありました。
ところが、プリンターの内部構造について少し調べてみたところ、プリンターの内部構造の設計には、材料力学や機械力学をはじめとするさまざまな要件が組み合わさっていることが分かり、大変驚きました。調べれば調べるほどプリンターの設計の奥深さに惹かれ、いつしか自分も機械設計者として携わってみたいと思うようになりました。

最終的に当社に入社することを決めたのは、社員の人柄です。仕事を楽しみながらイキイキと過ごしていて、非常に明るい方が多いという印象を受けました。そのため、会社全体が非常にフランクな雰囲気だと感じました。
こういう明るい先輩たちと一緒に、働きたい。そう思ったことが、入社の決め手になりました。

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数多くのNGを出したから学べたこと

入社3年目に高速カラーA4複合機の新規プロジェクトに参画し、イメージスキャナーユニット(ISU)の機械設計を担当しました。ISUとは、複合機でスキャンする際にピカッと光りながら動く部分のことです。機器を構成する数々のユニットの中でも、最も人の目に留まるのがISUであり、その設計者は“花形”だと個人的に思っています。そんな重要な仕事を入社3年目の私に任せてくれるのは、若手であっても失敗を恐れずにチャレンジをさせてくれる当社ならではのことだと思いました。
もちろん初めてのことですから、不安は大きかったです。期待に応えなければという思いも強く、一つ一つ学びながら、設計を進めていきました。自分の設計した機械が、やがてカタチとなって世の中に出ていくことにワクワクしながら取り組みました。ところがそんな私の前に、非常に高い壁が待ち構えていたのです。

試作段階に移る前に、この設計で問題がないかどうかを設計開発部門内で確認するのですが、その時私が想定したよりも多くの改善すべきポイントを指摘されました。例えばスキャンした画像をパソコンに取り込んだときに、読み込むタイミングが遅れていないか、画像にゆがみがないかなどを確認するのですが、モーターのトルク不足で画像を読み込むタイミングが遅れたり、部品公差設定が甘くて画像が斜めにスキャンされてしまったり、といった問題が多発してしまったのです。
当然このままでは試作機をつくることができません。私は「自分は設計業務に向いていないのではないか」と落ち込みました。今思えば、「自分一人でやりきろう」という思いが強すぎて誰にも相談せずに設計してしまったことが、うまくいかなかった要因だったと感じます。それからは、上司や先輩に相談し、フォローしていただきながら修正を行い、試作検証を無事に通過しました。
この経験で学んだことは、仕事を任されたからといって1人で全てを背負うのではなく、周囲に相談することが大切だということです。先輩は「初めての設計だから、わからなくて当たり前。こちらもサポートできなくてすまなかった」と声をかけてくれました。先輩方はさまざまな経験を重ねてきたエキスパートです。その経験や知識を先輩から吸収しながら仕事をすることが大切だと知りました。

そして、私が設計したISUを搭載した複合機は、量産の段階を経て、最終的な出荷判定で経営陣からの「OK」が出て、無事に市場へと送り出されていきました。機械設計者として喜びを感じる瞬間でした。
自分で設計した機械を世の中に届けたいというのは、機械設計に興味を持ち始めた高校時代からの夢です。苦労しながらもその夢をかなえることができて、本当にうれしかったです。

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“風の通り道”にチャレンジ

現在私は、当社の主力製品の一つである高速A3複合機の冷却設計検証業務を担当しています。動作中の複合機の内部には高熱を発する部分があるため、風を当てて冷やす必要があります。ファンをどの位置に設置すればマシン内部を効率よく冷やすことができるのかを考えて設計する業務が、冷却設計検証業務です。
市場では複合機の小型化競争は激しさを増しています。しかしマシン内部のユニットの大きさは決まっており、冷却のために風を通すスペースは限られています。小さい機械の中でいかに“風の通り道”をつくってあげるかが今の私の仕事なのです。
風の流れというのは目に見えませんから、設計してシミュレーションし、試作して、その結果をもとに設計をやり直すという繰り返しです。壁にぶつかるたびに頭を抱え、何とか一つずつ乗り越えている日々です。

入社3年目の時に携わったISUの設計で学んだことは、自分で問題を抱え込まず、常に周囲に相談することが必要だということでした。1人で思い悩んでいては、なかなか前へは進めません。そこで今回は先輩方に相談し、アドバイスをいただきながら取り組んでいます。時間はかかっても1歩ずつ、着実にゴールに向かっているという実感があります。

冷却設計を行うときには、騒音や飛散といったほかの問題も検討しなければなりません。飛散とはトナーという非常に細かな粉体がマシン外部へ漏れ出る現象を指します。冷却のためにファンを増やせば騒音につながるし、孔を開ければトナーが飛散する可能性が高くなります。飛散を防ぐために密閉をすると今度は冷却ができなくなります。そんな相反する問題を解決するのは非常に困難なことです。だからこそ私は冷却設計を行うのと同時に、防音・飛散という問題解決にもチャレンジしたいし、絶対に乗り越えたいと思っています。

このような非常に難しい冷却設計検証業務を任せられたのも「君なら必ずやってくれる」という会社からのメッセージだと思っています。それはこれまでの私の働き方や成長を、会社がしっかり見てくれていたことの表れだと感じています。その期待に応えたいというのが私の大きなエネルギーになっているのは間違いありません。

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面倒見のよい社風が、若手を伸ばす

現在の目標は、まずは冷却設計検証業務をやり切って、何とかこの製品を世の中に出すことです。残された壁は決して低くはありません。ISU設計で得た達成感を思い出しながら、なんとしても量産化までたどり着きたいと思っています。
その先の将来については、プロジェクトのリーダーになりたいと考えています。現在は1つのユニットの設計担当者ですが、プロジェクトリーダーとなれば製品そのものを生み出していくことが仕事になります。新しい製品の企画や仕様に基づき、チームのメンバーを束ねて製品づくりのスタートからゴールまで責任者として携わっていくわけです。いつかプロジェクトリーダーになるその日までにさまざまなユニットの設計を担当し、リーダーとしてふさわしい知識や経験を蓄えておかなくてはなりません。冷却・騒音・飛散へのチャレンジも、その一環です。

入社して7年経ちました。働く環境にも満足しています。
特にワークライフバランスの面では素晴らしく、家族のために休みが必要な時は、仕事の心配をすることなく休ませてもらえます。将来、子どもができれば家族との時間はますます大切なものになるでしょうから、こうした環境が整っていることをとてもありがたいと思っています。

7年間を振り返って感じるのは、やはり社員同士のコミュニケーションの素晴らしさです。冷却設計検証業務で悩んだときもそうですが、どの先輩に相談しに行っても、ちゃんと耳を傾けて、アドバイスをしてくれます。冗談交じりに「今忙しいんだよなぁ」と言われることはあっても、断られたことは一度もありません。やっぱり面倒見のいい人が集まっている会社なのだと思います。
明るくてフランクな社風という、入社前に感じた印象は、今もまったく変わっていません。
もちろん私も、後輩から相談されたら、どんなに忙しくても仕事の手を止めて話を聞くようにしています。これから入社される皆さんも、遠慮しないで何でも質問していただきたいと思います。1日に何回質問してくれても大丈夫。ちゃんと向き合って、正面から受け止めます。

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