人生は一度きり、失敗を恐れずに進め

人生は一度きり、失敗を恐れずに進め

人生は一度きり、
失敗を恐れずに進め

このストーリーのポイント

  • ソニーグローバルマニュファクチャリング&オペレーションズ株式会社(以下、SGMO)に中途入社し、EMC認証試験業務で経験を積みマネージャーへの道を歩む
  • 猛勉強を重ねグローバルな技術資格「iNARTE」に合格。ソニーグループで女性初の快挙となった
  • 2020年に人事部に異動。誰もが働きやすい環境の整備にまい進している

SGMOは「ものづくりのソニー」の中核企業。製品設計や製造とともに品質保証も重要なミッションとなる。他の製品から放出される電磁波によって影響されないこと、また他製品に影響を与える電磁波を出さないEMC(電磁両立性)においても各国規制をクリアする事が求められる。

PROFILE
ソニーグローバルマニュファクチャリング&オペレーションズ株式会社

高橋 美智子

人事総務部門 人事部 ダイバーシティ推進課統括課長

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メーカーの事務職を経て、中途入社でソニーグローバルマニュファクチャリング&オペレーションズ株式会社(以下、SGMO)に入社。製品を世に出すために欠かせないEMC業務に携わる中で、周囲からの期待に応えるべく努力を重ね難関試験の「iNARTE」の資格を取得。他メーカーの技術責任者とともに妨害電波がもたらす障害を自主的に防止する協会にも出席するなど、長年にわたり第一人者として活躍した。現在は人事部に活躍の舞台を移し、ダイバーシティの促進に取り組む。

小さな仕事からコツコツとキャリアを積んだ

ソニーと私の出会いは音楽プレーヤーの「WALKMAN」でした。「いつの時代の話?」と笑われてしまうかもしれませんが、歩きながらカセットテープで音楽を聴ける体験というのは画期的で、多くの人のライフスタイルが変わった出来事だったのです。また、地元の木更津にはソニーの工場があり、身近に感じる存在だったこともあって、いつかソニーで働いてみたいなと思っていました。新卒では別の会社に入社しましたが、たまたまSGMOの中途採用の募集を知ってすぐに応募しました。憧れていた企業だったので入社が決まったときは本当に嬉しかったですね。

EMC業務に従事するようになって最初の仕事は、製品試験の結果レポートを作成するアシスタント業務でした。試験結果のデータをまとめる仕事です。好奇心が旺盛な私は、レポートを書くにとどまらず、データの意味などを周りの技術者に聞いて独自に勉強し、知見を高めるごとに興味を深めていきました。電気製品には、他の製品を妨害する電磁波を出さない、また製品が電波を受けても誤動作を起こさないEMC(電磁両立性)が求められます。私は製品の安全性を担保するための重要な仕事に携わっていることに誇りを感じ、全ての仕事に意欲的に取り組んでいました。
そのような姿勢が認められてか、そのうちレポート作成だけではなく、「規制を遵守するためにはどんなテストが必要か」といったプランニングチームにも加わることになり、求められる仕事のレベルが上がっていきました。他事業部のエンジニアなどとの会話も増えます。なんとか技術的な話に追いつけるようになりたいと、ますます勉強も続けていきました。

もともとキャリア志向はなく、結婚したら専業主婦になるつもりでしたが、だんだんと仕事で任せてもらえる領域が増えていくのは楽しかったです。SGMOでは小さな仕事をコツコツやっていれば、そのうちに必ず大きな仕事に関わるチャンスがめぐってきます。そのような社風の中で、仕事の面白さを知っていったことで、私自身の人生観に変化をもたらし、結婚も仕事も両立したキャリアを追求したいという方向に自然と進んでいったように思います。

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ソニーグループ女性初、国際資格「iNARTE」取得の挑戦

当社には、若手でも成長意欲のある人にはどんどんチャレンジさせようという社風があります。私自身、2人の子どもを育てながら仕事をしてきましたが、配慮はされつつもしっかりと役割を与えてもらえたことに今でも感謝しています。変に「女性だから」「育児中だから」と遠慮されたり、バイアスがかかったりすることはありませんでした。子育てと仕事の両立は大変な部分もありましたが、育児中でも成長できたのは上司や周囲が環境を整えてくれたからです。

育休から復帰後に転機となったのは、国際資格「iNARTE」(アイナルテ)を取得するために猛勉強したことです。iNARTEはEMCの技術、スキルを認証するグローバルな技術資格です。ソニーグループを見渡しても女性で取得した人はそれまでひとりもいませんでした。「チャレンジしてみようよ」と上司に勧められるがまま挑んだのですが、後にも先にも人生でこんなに勉強したことはありませんね。当時は「なんとなく詳しい人」という評価だった自分に箔をつける狙いもあって受験を決意したのですが、想像以上に険しい道でした。

まず通常の仕事が終わった後に日付が変わるまで勉強。休日はもちろんお盆や正月すらない状態でした。元日、初詣に行く車の中で、私だけ勉強していたのは今でも覚えています。結果的には一発合格でしたが、家族にもかなりの負担をかけるこんな生活を続けるわけにはいかないと、次はないつもりで最後まで必死に勉強したことで合格に繋がったと思っています。

それから周囲に変化がありましたね。リーダー職から係長、課長と任されるチャンスが増えていきました。最初に意図していた通り「公認資格」の説得力は大きいのだなと実感しました。課長を任された後は、社外のEMC活動にも関わる機会を頂きました。その活動を通じて、権威と言われる大学教授や普段はライバルでもある著名なメーカーの有識者の皆さんと出会え、自分の視野や人脈も広がりました。

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恐れずにチャンスをつかめ

コツコツ実績を積めばさらに任される仕事は大きくなります。リーダーとして最初に任されたのは会社全体でEMC技術を統一しようというプロジェクトでした。

私は木更津の代表として、幸田、湖西など他のサイトの代表者と打ち合わせを行いましたが難しい交渉でした。サイトによって携わる製品が異なり、統一しようにも必然的に強みやこだわる部分が違うためです。ただ、各部署には「この人の言うことならみんな聞く」というキーパーソンがいます。そんな影響力のあるキーパーソンとの信頼関係を作り、協力を取り付けていきました。私がこれまでにやってきた仕事や経歴、このプロジェクトにかける思いなどを積極的に伝え、各部署が何を大切にどんな思いを持っているのか傾聴し理解することを心がけました。時間はかかったものの、次第にキーパーソンたちが協力してくれるようになり、ともにプロジェクトを加速させていきました。

振り返ると順調そう、簡単そうに思われるかもしれませんが、女性の管理職も今よりずっと少なかった頃で、苦労したことも多くあります。管理職になる前に、ある講演会で聞いた言葉が今でも印象に残っています。「機会、チャンスを与えられたら失敗を恐れずまずはやってみる事。人生は一度きり、なんでもチャレンジするべき」という内容でした。大きな壁に挑戦する時にいつも頭に浮かぶ言葉です。背中を押してくれる強いこの言葉に、始めから逃げていたら経験する機会を失うし、経験しないと人は育たないことを教わりました。とはいえ、躊躇しそうになることもあります。そのような時は、仕事で失敗しても、経験は得られるし、命を失うわけではないと前向きに考え、気持ちを楽にして自らを鼓舞しました。

また、管理職の重圧に負けそうなときに「私はあなたのようにはなれない」と尊敬していた上司に弱音を吐いたこともあります。「誰が俺になれと言ったの。あなたにはあなたの強みがあるでしょう。自分に適したリーダーシップを見つけて、それを発揮すればいい」と、あたたかく、背中を押し続けてくれる存在がいることにも励まされ、ここまで進み続けてこられたように思います。

そして2年前、また大きな転機が訪れました。趣味のテニスでお世話になった先輩から人事部への異動を打診されたのです。今までの仕事とあまりにも違う分野でためらいましたが「恐れずにチャンスをつかめ」の精神で異動を決心しました。

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女性活躍やダイバーシティ推進の柱として

人事部に移り最初に特に力をいれて取り組んだのは女性活躍推進の研修プログラムです。

私自身が、自分の頑張りだけでなく、上司や周囲の協力とあたたかいバックアップのもとで管理職の大役を担うに至ったように、多くの女性がもっとキャリアに積極的になれる環境を整えたいと、その仕組みづくりとして「女性リーダーの候補生を選抜し、意識醸成を含めた長期間の研修を行う」と旗を掲げたものの最初は難航続きでした。「なんで女性だけの研修を?」「部署内できっちり育成しているから研修は不要」という反応もありましたし「私がリーダーなんて自信ありません」と選ばれて戸惑う女性社員もいました。改めて、会社として本気で推進していること、またプロジェクトの意義を候補女性社員リストを片手に、さまざまなマネージャーに丁寧に伝えて回りました。すると、「実は育児中の女性にどのくらい仕事を任せていいのか迷っている」「変に育成を意識してセクハラと思われたら困るので距離感がつかめないでいた」などの声を聞くことができ、それぞれが持つ課題感を共通認識化できるよう当事者とその上司も巻き込んだプログラムの構築に繋がりました。

結果、9カ月間の長期研修になりましたが、スタート前は自信がないと言っていた受講生が最後には社長の前で「私はこうやって職場を変えます。こんなキャリアが私の目指す姿です」と宣言するまでに変わったのです。みんな真剣にプレゼンの準備を行い、苦労してまとめ上げてくれましたね。研修を通して、女性リーダー同士の横のつながりも強くなりました。女性同士だから話せること、打ち明けられることもいっぱいあったようです。同じような悩みを持った仲間がいることは心強いですし、励みにもなりますよね。

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当事者の意識が変わった今、これで満足せず年に2回程度は面談の機会を作るなど、ケアもしていきたいと考えています。管理職になったあとが不安なのは、私も経験したことですから。また、女性リーダー層の育成に取り組む中で、早くからキャリアを考えることの必要性を感じ、今年からは入社数年の若手社員に向けたマインドセットの仕掛けも考えています。若いうちからいろいろな道があるという選択肢の幅を示してあげたいですね。結婚や出産のタイミングを迎えてからではなく、前もってキャリアについて考えあらゆる可能性を排除せずにご自身らしいキャリアを実現してもらいたいです。

幸い当社は、両立支援のための手厚い制度が整っており、男女問わず育児・介護のための時短勤務や急な休みが取りやすい風土が根付いています。育児しながらフルタイムの人と同じような成果を出すぞという心意気の人もいて、そうした社員が10年後も会社に欠かせない人材として実際に活躍していますので、後に続く皆さんにもたくさんのロールモデルを見て、SGMOだから実現できる多様な選択肢を感じて頂きたいです。
人によって多様な価値観があり、正解はありません。キャリアにおいてもご自身らしい選択ができることが、ダイバーシティだと考えるからです。

SGMOでは、障がいのある方やLGBTQへの理解促進、介護・育児と仕事の両立支援活動にもかなりの歴史があり社員の意識も高いです。更なる理想は「取り組み」などなくとも、誰もがあたりまえに活躍できるために何が必要かを自発的に考え、お互いにあたりまえにサポートし合うような組織にしていきたいです。私の行動で少しずつ環境が変化することを願って、今日も一歩ずつ前進していきます。

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