変化を恐れず、あらゆる可能性を受け入れてくれる大学だからこそ、自分らしく伸び伸びと働ける
変化を恐れず、あらゆる可能性を受け入れてくれる大学だからこそ、
自分らしく伸び伸びと働ける
このストーリーのポイント
- 自分を信じて前向きに生きる私に手を差し伸べてくれた東北大学へ入職
- 1年目から組織横断型のタスクフォースのメンバーに。DEI推進に貢献
- 働きやすさを実感できる魅力溢れる職場環境を満喫
関心のあるテーマを好きなだけ学べる大学の自由な雰囲気が大好き。そうした環境で働きたいと大学職員への道を選択する。だが、海外からの応募はハードルが高かった。唯一チャンスを提供してくれたのが東北大学。入職後も新たなチャレンジを続けている。
国立大学法人東北大学
谷山 知世
工学部・工学研究科
総務課総務係
2021年入社
大学は国際文化学部卒。海外の大学院に進み、国際比較教育学を専攻。修士課程を修了後に帰国。2021年11月から東北大学の職員として勤務する。
好奇心を全開にして、新たな世界に身を置く
元々、新たなことにチャレンジするのが大好きな性格。大学では弓道部に挑戦。毎日朝から夜9時ごろまで練習を続けることもありました。それぐらい部活動にのめりこんでいました。
海外への興味も強かったです。大学でも1年間留学を経験しましたし、大学院に行くと決めた時も「外国へ挑戦するのもありでは」と判断し、意識的に探していました。スウェーデンのストックホルム大学院を選んだ理由は、国際的な視点で各国・各地域の教育政策を比較したいと思っていた私に最も適したプログラムであったからです。また、他のイギリスなどの国に比べて学費もそれほど高くはなかったこともポイントでした。
大学院と聞くと、修士論文を指導する教官のもとで、自身の研究に没頭するイメージがあるかもしれませんが、ストックホルム大学院では修士2年の12月頃まで授業が割と詰まっています。修士2年の後半からは修士論文の執筆も入ってくるので、常に時間に追われていました。
困難を極めた海外に在住しての就職活動に道が開かれる
さらに、大変であったのは修士論文の合間を縫って、就職活動も行わなければいけなかったことです。限られた時間をどう活用すれば良いのかと考えざるを得ませんでした。
そんな中で主に見ていたのが、大学職員職です。とにかく、大学が好きでした。自分が好きなテーマを存分に学べる環境だからです。それが、私にはとても魅力的に映っていました。なので、「この後自分はどうするか」となった時に、「大学という自由な環境に身を置き、ここで誰かをサポートするような仕事をしたい」と考えました。ただ、ヨーロッパだと自分が就きたい仕事にすぐには就けません。インターンなどで経験を重ねる必要があります。だから、日本の大学を探すことにしたのです。
しかしながら、海外に在住しながら日本での就職活動を進めるのは、予想以上に困難なものがありました。しかも、私が就職活動をしていた頃は、コロナ禍真っ只中でしたから尚更です。そもそも、大手の就活サイトには日本の携帯電話番号でないと登録できませんし、多くは応募書類の郵送や現地での面接を必須にしていました。日本に帰国するのも容易でない私としては、どうしてもスウェーデンでできる就職活動しか考えられなかったのです。
そんななか、私にチャンスを与えてくれたのが東北大学でした。ネットでのエントリーが可能でしたし、大学独自の採用も行っていてネットで試験を受けることができました。加えて、面接もすべてオンラインで対応してくれるなど、私にとっては本当に有難かったです。
また、東北大学は、元々日本で初めて女学生を受け入れた先進的な大学です。そのDNAは、今も受け継がれており、DX化や働きやすさを推進するためにさまざまな改革を行っています。そうした話を聞いて、あらゆる可能性に対して広く門戸を開いてくれる大学、常に変化を恐れず何事にも柔軟に対応してくれる大学だと痛感し、「ここで働きたい」と決心しました。
私自身、時代に合わせて進化していかないといけないという価値観を大切にして生きてきました。大学院ではジェンダー論も研究しており、性の多様性や働きやすさを追求していく必要があると考えていただけに、惹かれるものがあったのかもしれません。
入職後間もなく組織横断型のタスクフォースにも参画
その後、私は東北大学に職員として入職。数カ月間、別の部署に在籍してから工学部・工学研究科総務課総務係に配属となりました。担当する業務は、総務一般的な仕事や問合せ対応、会議の準備・議事録作成、イベントの準備・運営、基金の運営など多岐に渡っていました。
新人の私にとっては覚えなければいけないことが沢山あり、手一杯に近かったのですが、配属から3カ月ほど経過したところで「工学部・工学研究科DEI(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)推進事務局」という、学部内の組織横断型タスクフォース業務にも参画することとなりました。タイトなスケジュールをこなさなければいけなかったものの、自分の中ではDEIは重要なテーマでしたし、働きやすさも大切だと考えていただけに、そこに携われるということでとてもワクワクしていました。
発端は、2022年4月に発出された「東北大学DEI宣言」でした。それに伴い、工学研究科でも新たに「DEI推進プロジェクト」が立ち上がるとともに、工学研究科DEI推進事務局が設置され、同プロジェクトの円滑な推進や事務職員の意識啓発、教員の研究環境・支援制度の整備活動を行っていくことになったのです。
元々、工学部は教員や学生の数を見ても圧倒的に男性優位の学部です。そうしたなかで、ジェンダーギャップをいかになくしていくか、そのためにどんな活動を進めていくかが、DEI推進プロジェクトの課題。プロジェクト自体は教員も絡んでいるものの、事務局としては職員自身がDEIを推進するために何ができるのかに重きが置かれていました。
皆で協力しさまざまな施策を展開。チームワークの大切さを知る
事務局には、19名の職員が参加しました。性別も職位も所属部署もさまざま。多様なメンバーが揃っていました。日頃は、さまざまなワーキンググループに分かれて活動し、月に1回か2回ほど議論の場を設けます。そこで話し合った内容を全体ミーティングで報告していました。
私が在籍したのは、DEI促進のための支援体制・制度等検討WGとDEI推進事務局広報WGです。そこで、バリアフリーマップを作成したり、女性職員のためのリーダー育成研修会や新人職員に向けたDEI研修を実施したり、トップリーダー特別講義に日本航空で活躍する現役の女性機長を招きました。いずれも、すごく好評でした。
それらを含めて推進事務局では、まざまな施策を展開し多くの成果を得ることができました。おかげで、毎年度末に顕著な功績があった職員を表彰する総長業務功績賞に選出いただきました。実は、最終選考で私も事務局の代表としてプレゼンテーションに参加させてもらいました。無事に発表を終えることができただけでなく、受賞もと二重の喜びを味わえました。
このプロジェクトは、現在も継続中です。前回私が受講した新人職員研修も二回目の開催に向けて検討を重ねていますし、DEI推進活動の情報公開をどう行っていくかという課題も解決していかないといけません。1年間頑張ってきたから終わりというのではなく、DEIの取り組みが当たり前となるよう引き続き取り組んでいく必要があると考えています。
私自身も、このプロジェクトを通じて自分一人では何もできないことを学ばせていただきました。皆のチームワークがあって、全員が同じベクトルに向いていたからこそ実現できていると感じています。
国際性・多様性、働きやすさ。職場環境の魅力は尽きない!
「これをやろう」と一旦決めたら皆が快く協力してくれるのは、東北大学が働きやすい職場環境だからこそだと思っています。とにかく、良い人ばかりです。すごく面白いですし、一緒にいて楽しくて堪りません。また、制度面も充実しています。テレワークも利用できますし、フレックスタイムを使えば午後3時に帰宅することも可能です。
人間関係の良さが窺えるエピソードも沢山あります。例えば、ハロウィンでは皆でコスプレをしました。クリスマスには館内を飾り付けたり、職員お気に入りのクリスマスソングをお昼休みに流すといったこともしました。結構、私も呼びかけ人だったりするのですが、皆さん喜んで手を貸してくれます。東北地方の方は物静かなのかと思っていたのですが、予想以上にキャラクターの濃い方が多かったので驚いてしまいました。
国際性・多様性に溢れているのも東北大学の良さかもしれません。世界トップレベルの研究力の実現に向けた「国際卓越研究大学」にも国内で唯一の認定候補に選ばれています。また、大学全体でも外国籍の方も多いですし、中途採用で入社された方や学生時代に留学を経験された方なども珍しくなかったりします。
世界へと視野を向ける人々をサポートしていきたい
そうした恵まれた環境の中で、私が今後挑んでみたいことが二つあります。
一つは、海外に留学される方や日本に留学された方の良き相談相手となれるような仕事に就くこと。
もう一つは、学生や教員、職員の方々に暖かい心で寄り添えるような人間になることです。
そんな私から、今後就職活動をされる学生の方々にお伝えしたいことがあります。まず一つ目は、頑張っている自分を褒めてあげて、時にはリラックスする時間をしっかりと作ってほしいということ。二つ目は、自信を持って臨んでほしいということ。「私を採らないなんて、見る目がないわね」。それくらい強い気持ちでいてください。そして、もう一つが自分がやりたいことに素直になってほしいということ。“Your best opportunities will come at your best timing.”これは、私の友人の言葉。一番最高のチャンスは、自分の人生の中でベストなタイミングでやってくるという意味です。それを信じて、まっすぐ前を見て進んでいってください。