“食”の売場体験と情報発信を通じて、新しいマーケティングを創造したい。

“食”の売場体験と情報発信を通じて、新しいマーケティングを創造したい。

“食”の売場体験と情報発信を通じて、
新しいマーケティングを創造したい。

このストーリーのポイント

  • 地元・関西で働きたいと考えて阪急阪神百貨店へ
  • 水産担当として、鮮魚売場づくりの面白さを知る
  • 本店イベントスペースの企画担当として“食”の情報発信に挑む

地域密着の働き方を希望して入社し、支店での仕事を通じて、お客様の“食”を支える喜びに触れる。現在はより広いターゲットに向けた情報発信を担当。その手応えは確かだ。新しいチャレンジの喜びを実感している。

PROFILE
株式会社阪急阪神百貨店

Shoji

第1店舗グループ フードマーケティング部

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2015年入社。経営学部卒。生まれ育った関西で、地域に密着したビジネスを展開していることに共感して入社。阪神梅田本店・洋菓子売場、宝塚阪急・水産担当、千里阪急・水産担当を経て、2022年4月より本社のフードマーケティング部に。食の新しいマーケティングを生み出したいと挑戦を続けている。モットーはどんなことでもポジティブにとらえ、自分を成長させるチャンスと受け止めること。

逆風が吹くからこそ立ち向かいたい

大阪生まれの大阪育ちです。学生時代は体育会のフィールドホッケー部に所属していました。芝生の上で闘うホッケーです。
なぜフィールドホッケーを選んだかというと、マイナースポーツだけに経験者が少なく、初めての私でも闘えると思ったからです。実際チームは未経験メンバー主体で構成され、リーグの2部から1部昇格目指して仲間と力を合わせて取り組みました。残念ながら昇格の夢はなかいませんでしたが、仲間と相談して練習メニューを考え、戦術を組み立てていくという過程は面白かったです。何ごとも自分で考える力が磨かれました。

就職活動でまず考えたのは、地元・関西で働きたいということでした。そのため関西が地盤の企業を志望することにしました。また飲食店でのアルバイトで接客が好きになったので、その経験を活かしたいという思いもありました。そこで選んだのが地銀と百貨店。経営学部でしたから、金融業界は自然な流れでもあったのです。ただ仕事の幅広さという点では、百貨店のほうが魅力的に思えました。また地域に深く密着しているという点でも、百貨店に共感を覚えました。

私の就職活動当時、百貨店業界は苦しい時期にありました。その中で阪急阪神百貨店は、苦しいからこそ新しいことにチャレンジする姿勢を鮮明にしていたことに惹かれました。逆風だからこそ立ち向かっていく姿に、ワクワクしたのを覚えています。
未経験者だらけのフィールドホッケー部で強豪に立ち向かっていったときの自分の姿に、重ね合わせたのかもしれません。ここを人生のフィールドにして、新しい闘いを始めようと決めました。

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お客様の日常を支える使命感

子どもの頃に親に連れられて阪急阪神百貨店に出かけ、洋服を買ってもらったことを覚えています。大きくて華やかな空間に驚いたものでした。入社後、研修で阪神梅田本店の洋菓子売場に立ったときは、子どもの頃にまぶしく感じた空間に自分がいることをとても新鮮に感じました。
会社にも慣れて仕事が楽しくなってきたのは2年目に宝塚阪急に異動したときです。担当は水産、つまり鮮魚売場です。それまで魚の知識なんて特に持ってなかったし、ましてや自分で捌いたこともなかったので、一体どうなるのかと不安を抱えながらの売場でした。きついこともあるかもしれないけれど、修行だと受け止めて自分を鍛えようと思いながら日々を過ごしました。
支店は地域により深く密着しており、鮮魚売場にも毎日のように立ち寄られるお客様がいらっしゃいます。スーパーとあまり変わらないかもしれません。次第にお客様に名前を覚えていただけるようになりました。楽しかったのは自分で値段を決め、商品を加工できることです。お客様と接する中で売れる商品のヒントを見つけ、工夫して売場をつくっていくのは楽しい体験でした。自分の頭で考えて行動する、まさに“商売”を学べたと思います。

こうした面白みをより深く味わったのは、次の千里阪急です。ここでもやはり水産を担当しました。水産は、寿司、干物、鮮魚の3つのユニットで構成されます。今日はどんな巻き寿司をどれだけ用意すればいいか、値段はどうするか、自分で考えて調理担当者や売場メンバーに指示を出していきました。売場に魚一筋10年という職人のような方もいます。そうしたプロを巻き込みながら売場をつくっていく醍醐味がありました。

千里阪急で売場責任者に昇格したときに襲ってきたのが、コロナ禍です。多くの店舗や売り場が休業せざるを得ない中、鮮魚は営業を続けました。食品はお客様の毎日の生活を支えるものだから、それに応えることが使命だったのです。もちろん感染予防は入念に行い、健康不安を抱える従業員には遠慮なく休んでもらいながら、お客様の“食”を支える使命感のもと、仲間と一緒に取り組みました。
そんな私たちを励ますように差し入れをしてくださったお客様もいらっしゃいましたし、飲食店向けの高級魚が売場に回ってきてお客様に喜ばれたこともありました。先の見通せない不安な日々ではあったけれど、仕事への使命感や誇りを新たにすることができました。

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本店ならではの遠心力で情報発信に挑む

入社8年目に売場を離れ、初めて本部で仕事をすることになりました。異動先は新設間もないフードマーケティング部です。
異動のきっかけは、人事部のキャリア面談でした。自分のキャリアについて自由に希望を伝えられる場です。ここで私は、そろそろ売場以外の仕事にも挑戦してみたいという思いを伝えました。その気持ちが伝わったのか、まったく新しいチャレンジの機会をいただくことができたのです。千里阪急で店長だった方も「他のことにもチャレンジしてみては」と私の背中を押してくれました。人の縁を大切にするのも、当社のよさだと感じます。

設立されて3年というフードマーケティング部は、阪急梅田本店を舞台に食の新しいトレンドを提案・発信していくことをミッションとしています。具体的には地下1階のオープンスペース「ツリーテラス」で様々なイベントを開催。従来の枠組みにとらわれない情報発信を通じて、新しいムーブメントを起こしていくことを狙っています。その結果得られたお客様の反応などは、貴重なマーケティングデータとして社内各部署へとフィードバック。当社としての次の“食”の取り組みへとつなげていくわけです。

私は長い間水産の現場に携わってきましたから、「ツリーテラス」のイベントではぜひその経験を活かしたいと考えました。そこで秋には、クジラのイベントを開催しました。最近ではなじみの薄いクジラについて、その魅力を広くお伝えしたいと思ったのです。この企画は大成功。テレビの取材が入ったこともあって想定の3倍以上もクジラ肉が売れました。初日で売り切れてしまったので大慌てで市場や各支店からクジラ肉をかき集めたものでした。
関西にはもともとクジラ文化があり、昔からクジラ肉はよく食べられてきました。このイベントではそうした潜在的なニーズを掘り起こすことに成功し、新しい“食”の発信ができたと自負しています。

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SDGsにも正面から取り組んでいく

クジラのイベントの成功を通じて個人的に発見したのは、本店ならではの情報発信力の凄さです。テレビの取材が入ったのもそうですし、広いエリアから多くのお客様が押し寄せました。支店は地域のお客様に情報発信する力を持っているのに対し、本店は広いお客様に情報発信する“遠心力”があるのでしょう。この両者を組み合わせることでさらに効果的に“食”の提案ができるのではないかと考えています。
今後もしばらくは「ツリーテラス」を舞台にした情報発信に専念するつもりです。現在は単発のイベントに終わっていますが、メディアやWebとの連携なども工夫し、新しいチャレンジをしていきます。

“食”のSDGsも大切なテーマです。大切な資源として食をとらえることと、お客様の楽しみとして食を提供することはには、二兎を追うような難しさがあり、悩ましいところです。近々SDGsをテーマにしたイベントも開催予定で、今後も手探りしながら発信を続けたいと考えています。今あるものを利用して別の用途のものに作り替え、新しいアイデアによって付加価値を与える”食のアップサイクル”にも取り組みたいですね。

現在私は外部の講座を利用して、マーケティングについて専門的に学んでいる最中です。ターゲットのアプローチ方法や商品のブランディングなど、吸収するべきテーマは多岐にわたっています。こうした学びも通じて、“食”の新しいマーケティングを生み出していくことが今後のテーマです。
魚の捌き方も知らなかった私が支店の売り場で経験を積み、“食”に深く関わることになりました。現在は情報発信にチャレンジしています。様々なフィールドで“食”に携わり、経験を積んでいく、そんな面白みが味わえるのも当社ならではの魅力でしょう。

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