国境を越え、多様な知見が交差する。MUFGの監査部門が描く未来
国境を越え、多様な知見が交差する。
MUFGの監査部門が描く未来
このストーリーのポイント
- 1,000人規模のグローバル監査組織で、多様なプロフェッショナルが協働
- 経営の意思決定を支える、確かな「アシュアランスと提言」を提供
- 世界水準の監査態勢を追求し、金融業界をリードする人材と組織へ
グローバルで1,000人近いプロフェッショナルが所属するMUFGの監査部門。多様なバックグラウンドを持つメンバーが、国や組織を越えて連携し、グループのガバナンス・リスク管理・内部統制の実効性を検証している。独立した立場からリスクを見極め、経営に資する気づきと提言を届ける。MUFGの健全な成長を支える監査の現在地と未来を聞いた。
株式会社三菱UFJ銀行
小林 孝光
株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ
監査部 企画グループ

1989年入行。営業店や本部、さらには海外で多彩な経験を積む。2016年に監査部に異動。現在はグループ・グローバルベースで内部監査の品質改善を目的として、監査品質評価業務の企画立案・枠組み整備・運用などに携わる。
杉山 幸
株式会社三菱UFJ銀行
監査部 企画グループ

2004年に米国・ニューヨークの会計事務所に入社。その後、2007年にニューヨークで採用され、三菱UFJ銀行米州企画部にて勤務。2011年に帰国し、2023年に監査部へ異動。国内外の監査部門の連携や調整などに携わる。
中村 公亮
株式会社三菱UFJ銀行
監査部 監査グループ

2011年入行。営業店および営業本部を経て、2024年に監査部に異動。チームリーダーとして組織運営の円滑化を推進するとともに、主にアジア拠点や出資先を統括する部署の監査・モニタリング業務などを担当。
監査機能そのものを磨き上げるプロフェッショナルの仕事
──皆さんのお仕事内容について教えてください。
中村 私は監査部グローバルガバナンスチームに所属し、主にMUFGのアジア関連業務の内部監査を担当しています。
MUFGはアジアを第二のマザーマーケットとして位置づけ、アジア各国の拠点や出資先の現地パートナーバンクを通じて、各国・地域で幅広い金融サービスを提供しています。私の役割は、こうしたアジア地域の事業運営について、ガバナンスや内部統制が適切に機能しているかを独立した立場から把握・評価し、監査結果の報告や改善提言を通じて、グループ全体の健全な運営を支えることです。
具体的には、アジア各国の拠点や、タイのクルンシィ(アユタヤ銀行)、インドネシアのバンクダナモンといったパートナーバンクに関する監査状況を把握し、現地の監査部門とも連携しながら、グループ全体の見地から当該地域のリスクや課題を検証しています。また、これらの海外事業の本部統括部署に対する監査やモニタリングも担当しています。
私自身、監査部への異動後、日々さまざまな関係者と連携しながら業務を進めています。対象となる国・地域や事業の状況は一様ではないため、各拠点の自律性や現地の事情を踏まえつつ、MUFGとしてのガバナンスや内部統制が適切に機能しているかを見極める必要があります。その点に、この仕事の難しさと面白さがあると感じています。
杉山 私の役割はグローバル・リエゾン、つまり“橋渡し役”です。具体的には海外拠点と本部を結び、各地域の監査計画や結果について、重要なものをコンパクトにまとめてマネジメントや監査部内に報告・共有しています。自分自身がしっかり内容を把握・理解したうえで、英語の資料を日本語で分かりやすく伝えられるように努めています。そのほか、各国当局との面談対応や国内外での監査関連会議運営などにも携わっており、日本語・英語双方でのコミュニケーションが必要です。
私が監査部企画グループに異動して最初に言われたことで印象に残っていることは「企画メンバーとして、監査人が監査しやすい環境をつくること」ということでした。必要な情報を正確かつタイムリーに国内外の監査人に連携・マネジメントへ報告することで監査機能としてのリスク感度を上げることが自分なりの貢献と考え、日々取り組んでいます。
小林 企業におけるガバナンス・リスク管理体制では、事業部門(1線)、リスク管理部門(2線)、監査部門(3線)と役割を分担し、経営の健全性を確保する、「3線ディフェンス(Three Lines of Defense)」が国際的な枠組みとなっていますが、金融機関、とりわけメガバンクには厳格かつ高度な3線体制の整備が求められていると認識しています。私は三菱UFJフィナンシャル・グループの監査部に所属し、(グループ傘下の)三菱UFJ銀行、三菱UFJ信託銀行、三菱UFJモルガン・スタンレー証券、三菱UFJニコス、アコム、三菱UFJアセットマネジメント各社の内部監査チームを対象に品質評価(QA=Quality Assurance)業務を担当しています。いわば、“監査の監査”、3.5線と呼ばれる役割です。
具体的には各社内部監査チームが実施した監査について、国際内部監査基準や社内の監査手続に照らして遵守状況などを評価するほか、改善点など気づきの提供を行っています。

国境を越えた対話が、監査人の視座を高める
──現在のお仕事のやりがいについて教えてください。
中村 MUFGの海外事業は、海外支店・現地法人・パートナーバンクおよびその出資先を通じてさまざまな国・地域へ展開されており、監査の対象領域は非常に幅広いです。だからこそ、難易度の高いテーマに携わる機会も多く、意欲があれば、年次や監査経験にかかわらず挑戦できる環境があります。
また、監査部には国内外で監査人を相互に1~2ヵ月派遣するプログラムがあります。監査部に着任するまでは、英語に触れる機会があまりありませんでしたが、今の業務で英語力は必須だと感じたため、プログラムに応募しました。数ヵ月後の参加を見据え、語学面の準備に加え、派遣先の監査業務への理解を深めているところです。こうした挑戦の機会が身近にあることも、監査部の大きな魅力だと感じています。
杉山 グローバル・リエゾンの仕事では、海外拠点と本部、あるいは異なる地域の監査部門の間に立ち、それぞれの考え方や背景を理解しながら、共通認識をつくっていくことが求められます。
国や地域が違えば、事業環境や規制、監査に対する考え方も異なります。そのため、こちらの意図がすぐに伝わるとは限りません。相手の受け止め方を確認しながら、説明の仕方を工夫し、粘り強く対話を重ねることが大切です。
日々のコミュニケーションや、年に数回のグローバル会議のなかで、海外拠点の理解が深まり、国内外の関係者が同じ目線で監査活動を進められる状態をつくれたときに、橋渡し役としての役割を果たせていると感じます。
小林 現在担当している品質評価業務に限らず、監査全体の仕事についてお話しします。
私が監査部に異動したのは10年前で、それ以前は、長らく事業部門で企画・管理を担当していたので、監査を受ける際の窓口担当も経験していました。当時は正直、必ずしも監査に対して良いイメージは持っておらず、重箱の隅をつつくような“あら探し”をされるのではないかと、監査を受ける都度身構えていたものでした。
実はそれは“検査”であって“監査”ではない、“監査”ではいかに経営に資する提言を行うかということに付加価値がある、ということを、監査部に異動してから学びました。
単に「間違っていますよ」と指摘するのではなく、何が原因で課題が見つかったのか、どうやったら改善するのかを被監査部署と一緒に考えたり、問題が無いのであれば「合っている」と責任を持って保証するといった仕事です。
監査の考え方を理解して課題指摘を受け入れてもらう上で、日ごろから被監査部門と密なコミュニケーションを取り、相互に信頼関係を築くことを大切にしています。
経営に近い立場でさまざまな情報に接する仕事のため、経営の関心事項や全体を俯瞰することで得られる気づきを、担当する事業部門やリスク管理部門にも適宜共有しています。そうした取り組みを通じて、1線・2線の経営管理態勢の強化・高度化に貢献できる点もやりがいです。
中村 今、監査部ではチーム横断での情報共有に力を入れています。例えば、ある領域で確認されたリスクや課題を、その領域だけの問題として捉えるのではなく、他の領域でも起こり得るものとして共有し、早期の対応につなげていく取り組みを進めています。こうした取り組みは非常にチャレンジングですが、組織全体のリスクをより広く、先回りして捉えることにつながります。グループ・グローバルで機動的な監査活動を進めていく上で重要な取り組みであり、監査業務は今後さらにダイナミックなものになっていくと感じています。
小林 働き方の魅力という点では、1年間の業務スケジュールを比較的見通しやすいことも挙げられると思います。年度初めの段階で、いつ、どのような監査にアサインされるかがおおよそ決まるため、休暇の予定なども立てやすい環境です。
また、出社と在宅勤務を組み合わせたハイブリッドな働き方が浸透しており、業務の状況に応じて柔軟に働くことができます。ご家庭の事情などで毎日の出社や固定的な勤務時間が難しい場合でも、監査の仕事を学びながら専門性を高めていくことが可能です。こうした環境のなかで挑戦し、自らの専門性を磨いていきたいという方には、魅力的な職場ではないかと思います。ぜひチャレンジしていただきたいです。

過去の知見を土台に、監査人としての高い専門性を磨く
──これまでのキャリアは監査部での業務にどのように活かされていますか。
杉山 監査部に所属する行員のバックグラウンドは本当に多彩です。公認会計士、官公庁職員、IT業界のエンジニアなど、さまざまなバックグラウンドを有するキャリア人材も多数います。背景が異なれば視点や考え方も違ってくるので、さまざまな意見に触れられるのは自分の視野を広げると同時に成長につながると感じています。
小林 ダイバーシティは確かに大きな魅力ですね。グローバルで1,000人近い監査仲間がいて、各地域のプロフェッショナルな監査人との連携や協働の機会も豊富です。年齢も20代の若手から60代のシニアまで、非常に幅広いです。
杉山 私の場合は、米国でローカルスタッフとして働いた経験が海外拠点とコミュニケーションする際にアドバンテージになっていると感じます。また、以前所属していた海外経営管理の部署では、マネジメント向けの報告や会議運営などを経験しました。そこで身につけた、全体の効率を意識しながら最適な進め方を考える視点や調整力も、現在の強みになっていると思います。
中村 私は営業店および営業本部で法人営業に携わる中で、お客さまがガバナンスや組織運営上の課題に直面される場面に接することも多く、次第に、銀行の内部から組織の改善に貢献したいと考えるようになりました。新たな専門性に挑戦したいという思いもあり、監査部への異動を希望しました。
長年の法人営業で培った関係者との調整力や交渉力は、監査部においても活かされていると感じています。また、お客さまや業界を分析し、課題を整理したうえで解決策を提案するというプロセスを繰り返してきた経験も、監査業務に通じるものがあります。
小林 私は海外勤務や本部業務を含むさまざまな業務経験を重ねてきたことで、大小色々な業務知識を得るとともに、世の中に多様な考え方があること、それを踏まえた業務の進め方を学んできました。この経験は、相手の立場に立って物事を考え、真摯にコミュニケーションを重ねながら相互信頼を築き、3線として付加価値を提供していく上で役立っていると感じます。壁にぶつかったときに「チャレンジングだが面白い」と何事も前向きに受け止める、そういった姿勢でいられることも、これまでの経験の蓄積の賜物なのかなと思っています。
中村 監査の業務には高い専門性が求められますから、過去の経験を活かすだけでなく、モニタリングや監査活動を通じて専門性を磨いていく姿勢も必要です。
小林 MUFGの監査部では、特に研修や資格取得サポートが充実しています。もちろん中村さんの言うように、監査経験を通じて先輩方のノウハウを吸収することや、リーダーとして監査プロジェクトをけん引する経験を重ねることも大切です。

世界基準の監査部門へ。それぞれの挑戦と描くキャリア
──今後のキャリアの展望について、お聞かせください。
小林 先ほども触れたように私たちのめざす監査のあり方は、被監査部門にとって信頼されるパートナーであり続けることです。ときには厳しいことも言わなくてはなりませんが「小林がそう言うなら」と受け入れてもらえる関係が大切だと思っています。私はそう信じて監査業務に向き合ってきました。
今は3.5線の立場として、(品質評価を受ける)監査人が「あなたがそう言うなら」と言ってもらえるような信頼関係に基づく監査品質改善に取り組みたいと考えています。その積み重ねで、数年後に「MUFGの監査はさらに進化したね」と評価してもらえればよいと思います。
また、監査部の仕事を多面的に理解するには、中村さんが担う監査、杉山さんが担う企画、そして私が担当するQAといった領域を幅広く経験することも真にプロフェッショナルな監査人となるための有力なキャリアプランだと考えています。今後は、そうしたローテーションも視野に入れた人材育成の仕組みづくりにも挑戦したいと思います。
杉山 私は今後も海外関連業務に携わっていきたいと考えており、監査人の立場への理解を深めるために、いつかは海外業務に関する監査の経験も積んでみたいと思います。
中村 杉山さんと同じく、私も今後は海外領域での経験をさらに積んでいきたいと考えています。国内外の経験をバランスよく積み重ね、将来的には監査部門のマネジメントに携わることをめざしていきたいです。
小林 国内外に幅広いネットワークを築き、ガバナンス・リスク管理・内部統制への知見を深めながら、組織をより良くすることに貢献できる。そこに、監査の仕事の大きなやりがいがあると感じています。
これまでの諸先輩方のご尽力によりMUFGの監査機能は質・量共に本邦随一になっていると自負していますが、それで満足することなく、絶えず進化を求めて監査メンバー一人ひとりが努力し続けねばなりません。
先ほど、監査と検査は異なるというお話をしましたが、あらかじめ定められたチェックリストに従ってチェックして終わりという仕事では監査人として世界に通用しません。
監査は一つひとつがプロジェクトであって、プロジェクトをいかに面白くするか、私たち自身の腕の見せ所です。

異業種出身のキャリア入行者と新卒入行者が、「テクノロジー×監査」をテーマにデジタル技術やAIを活用した次世代の監査を語るTech & Innovation編は【こちら】からご覧ください。
