あの日の「ありがとう」が、私の勲章。東北大学で見つけた、私なりのやりがい。

あの日の「ありがとう」が、私の勲章。東北大学で見つけた、私なりのやりがい。

あの日の「ありがとう」が、私の勲章。
東北大学で見つけた、私なりのやりがい。

このストーリーのポイント

  • 若手のうちから挑戦させ、背伸びさせて育てる育成方針がある。
  • 「お互い様」の精神が根付き、休暇も気兼ねなく取れる温かい職場。
  • 学生の「ありがとう」が、仕事の誇りと原動力になる。

「東北に恩返しがしたい」との思いで入職した東北大学。1年目から様々なチャレンジを通じて、成長を実感してきた。ワークライフバランスが充実しており、いつまでも安心して働ける環境にも魅力を感じている。

PROFILE
国立大学法人東北大学

大内 瑶稀

大学院医学系研究科
教務課 大学院教務係
2023年入職(新卒)

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福島県出身。教育学部国際地域学科卒。学生時代は北海道の大学で地域福祉について学ぶ。茶道部に所属し、部長も務めた。就職活動では東北地方で働くことを志望。充実したワークライフバランスと長く安定して働ける環境に惹かれ、東北大学に入職することを決める。

市役所か、東北大学か。私の心を動かした「ワクワク」の正体。

学生時代、私が専攻していたのは地域福祉です。高齢者の方々が地域でどうコミュニティを築いていくか、というテーマに興味を持ち取り組みました。もともと人の役に立ちたいという想いが強く、研究を通じて、相手の言葉に真摯に耳を傾ける「傾聴力」と、多様な背景を持つ人の心に寄り添う「共感力」が、私の中に深く根付いていったと感じています。会話の中のふとした表情や間から、相手が言葉にできない想いを汲み取る。この力は、今の私の行動の起点になっています。

学生時代を過ごした北海道・函館は何を食べても美味しい土地で、大好きでした。一方で故郷を離れて暮らしたからこそ、「いつか地元に恩返しがしたい」という気持ちも徐々に強くなり、人の温かさや心地よい距離感を持つ地元の風土が恋しくなりました。
就職活動では、「ワークライフバランス」と「安定性」を大切にしたいと考えていました。そんな中、就職説明会で偶然出会ったのが東北大学です。「大学で働く」という選択肢は、それまでの私には全くありませんでした。自分の可能性が広がるような、新鮮な驚きがあったのを今でも覚えています。

最終的に、私は地元の市役所と東北大学の二択で、後者を選ぶ決断をしました。最大の決め手は、理屈では説明できない「ワクワク感」です。東北大学は、地域に深く根ざしながら、世界を舞台に最先端の研究を展開しています。ここでなら、世界と繋がりながら地元にも貢献できる。そう考えただけで、心が躍りました。故郷そのものではありませんが、出身の福島はすぐ隣。さらに、祖父が宮城県の出身だったこともあり、不思議なご縁を感じました。今ではここ仙台に、第二の故郷のような親しみを覚えています。

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入職2ヶ月で大役抜擢!不安な私を育てた、東北大学の温かさ。

最初に配属されたのは、職員研修などを担当する人事企画部でした。もちろん入職したての新人ですので、右も左も分からず不安でいっぱい。目の前の業務をこなすだけで精一杯でした。そんな私に、先輩や上司はいつも仕事の手を止め、分かるまで丁寧に教えてくれました。
特に印象に残っているのが、入職後わずか2ヶ月で、中堅職員研修の司会という大役を任せていただいたことです。「思い切って挑戦してこい」という温かい期待を感じ、無我夢中で準備しました。何とか大役を果たし終えた時の、あの達成感と安堵感は今でも忘れられません。この経験が、私の自信の礎となっています。

東北大学には、「三世代交流会」という素敵なイベントがあります。これは有志で行う非公式の会ではありますが、入職1〜3年目の若手職員が部署の垣根を越えて集う交流会で、私も1年目に幹事を担当しました。おかげで同期はもちろん、年齢の近い先輩方ともすぐに打ち解けることができ、部署の外に相談できる仲間がいることは、大きな心の支えになっています。職員は全国から集まっていますが、誰もが東北の穏やかな空気に馴染んでいて、人との距離感がとても心地よい。この安心感が、日々の業務に集中できる環境を作ってくれていると感じます。

その後、現在の大学院医学系研究科の教務課に配属となりました。学生の皆さんが「大学職員」と聞いてイメージする、履修登録や成績管理などを担当する、いわゆる窓口の部署です。世界レベルの研究に取り組む大学院生一人ひとりと向き合い、時には相談に乗りながら、安心して研究に打ち込める環境を整える。学生時代に培った「人の心に寄り添う力」を活かし、彼らを支えることも私の大切な仕事です。どの業務も学生の未来に直結するからこそ、強い責任感を持ち、丁寧かつ正確な対応を徹底しています。

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「おかげで修了できます」。あの一言が私の勲章。

研究に没頭するあまり、事務手続きが少し苦手…という学生は少なくありません。申請最終日、慌てて窓口に駆け込んでくる学生もいます。論文提出は郵便局の消印がタイムリミット。だからこそ、窓口の時間が長い郵便局を案内し、「頑張って!」と送り出すのも、私たちの仕事です。また、医師として働きながら学ぶ多忙な大学院生には、提出物の締切が近づくと個別に連絡を重ね、丁寧なリマインドを行うことも。一人ひとりの状況を想像し、先回りして手を差し伸べる。地道ですが、学生の未来を守る責任の重い仕事です。

複雑な履修登録で、何度もメールをやり取りした学生もいました。地道なフォローが実を結ぶのか、不安になることもあります。そんな私の迷いを吹き飛ばしてくれたのが、ある修了式の日の出来事です。会場の出口で誘導係をしていた私の元へ、一人の修了生が駆け寄ってきてくれました。「本当にありがとうございました。大内さんのおかげで、無事に修了できます」。彼女のその一言で、私のやってきたことはちゃんと届いていたんだ、と胸が熱くなりました。学生に寄り添う仕事は決して楽ではありません。でも、この言葉があるから、私は今日も誇りを持って学生と向き合えます。

そして医学系研究科教務だからこそ関わることのできる「東北広域次世代がんプロ養成プラン」という大きなプロジェクトにも携わっています。これは東北及び新潟の7大学が連携し、がん専門医療人材を養成する文部科学省の事業で、私はその主幹校の担当者として、会議の運営など様々な業務を任されています。最初はプロジェクトの名前を聞いても全く分からず、ゼロから勉強する毎日でした。しかし、複数の大学と連携しながら業務を進めることで視野が大きく広がるのを実感しています。目の前の学生と向き合う日常業務と、数ヶ月先を見据えて段取りを組むプロジェクト業務。この両方を経験できるのは、若手にとって本当に得がたい機会です。入職2ヶ月目での司会抜擢もそうでした。少し背伸びをさせて、成長を後押ししてくれたこと、その経験が今の自信につながっています。

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「お互い様」が嬉しい。東北大学で見つけた、私らしい働き方。

ワークライフバランスの面で、私が特に気に入っているのが「リフレッシュ休暇」制度です。年に3日間、好きな時に取得できる休暇で、私は毎年まとめて取得して旅行に出かけるのが恒例になっています。休暇を取る時も、職場の皆が「楽しんできてね!」と温かく送り出してくれるので、気兼ねすることなく利用できています。この「お互い様」の精神が、東北大学の組織風土として深く根付いているのを感じます。

柔軟な働き方が制度として整っていることも大きな魅力です。例えば、フレックスタイム制度やテレワーク制度も活発に利用されており、子育て中の先輩が保育園のお迎えのために早めに仕事を切り上げる光景も、ごく当たり前。最近では育児休業を取得する男性職員も増えてきました。どんなライフイベントを迎えても、キャリアと私生活を無理なく両立できる。そんな安心感が、ここにはあります。

そして何より、東北大学には幅広いキャリアの選択肢があります。私自身、今は教務とプロジェクトの仕事に集中して専門性を高めたいと思っていますが、将来的には様々な部署を経験して自分の幅を広げたい、という夢も描いています。年に一度、自分の希望するキャリアの方向性を申告できる制度もあり、その道は開かれています。
この記事を読んでくださっているあなたにも、その個性や強みが輝く仕事が、東北大学にはきっとあります。一人でも多くの方に「東北大学で働く」という未来があることを知っていただけたら、とても嬉しいです。あなたと一緒に、このキャンパスで働ける日を心から楽しみにしています。

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