目指すのはデジタル時代の新たな百貨店像。“人を楽しませる”という本質は変わらない。

目指すのはデジタル時代の新たな百貨店像。“人を楽しませる”という本質は変わらない。

このストーリーのポイント

  • “人の笑顔が見たい”という思いで入社。その気持ちは今も変わらない
  • リアルな店舗とデジタルの融合を目指し、新たな百貨店像を模索する
  • 子育てと仕事の両立を通じて、自分自身も育てられた

百貨店業態が大きな転換期を迎えた今、自らイノベーションに挑むことが最重要課題だ。その最前線に立つ一人がNaokoだ。子育てと仕事を楽しみつつ、新たな仕組みづくりに挑む毎日は、自身のさらなるステップアップにもつながっていく。

-profile-

株式会社阪急阪神百貨店

OMO販売推進部 OMO商戦企画部
2004年入社/経営学部卒

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兵庫県出身。人を喜ばせる仕事がしたいと百貨店業界へ。入社後は婦人服部門を経験した後、販売促進部へ。販売促進部時代に出産と育児休業を経験し、2021年4月よりOMO販売推進部に。オンラインとオフラインを融合した新しい売り方づくりに挑む。小学校3年生と年長の2人の男の子の母親。休日は子供たちのサッカーの応援に忙しい。

キラキラしたにぎわいの空間に憧れて

今振り返ると、働くことに対しての意識を形成し始めたのは大学3回生でのゼミ選択の時からでした。キャリア論について学ぶゼミで、先生の明るいキャラクターに惹かれたことが選択の一番の理由でした。とても人気があって倍率の高いゼミだったのですが、幸いにも入ることができ、仕事と人生、女性のキャリアステップなどについてワクワクしながら学びました。
そのゼミでは、先輩達が就活生のための講演会を企画するなど、イベントにも力を入れており、私はそれを通じて人が大勢集まってくるにぎわいや、人が喜ぶことを仕掛ける楽しさを知りました。

ゼミの活動を通じて得た“人を楽しませる仕事がしたい”“人の笑顔が見たい”という思いが私の就職活動の“軸”となりました。そこで浮かんだのが“接客”というキーワードだったのです。その上で、せっかく働くなら自分にとって身近な会社が良いと思い、それが阪急阪神百貨店でした。
大阪・梅田にある阪急うめだ本店には、私が幼いころから母と一緒によく足を運んでいました。いつもキラキラしていて、にぎわいにあふれた場所であり、楽しさに満ちた空間というのが私の原風景です。これこそまさに“人の笑顔に触れられる仕事”だと感じました。

入社の決め手となったのは、面接等で接した社員の印象でした。皆さんとても温かくて人情味にあふれていました。最終面接ではTOPにプレゼンをしたのですが、その直前には人事の担当の方が親身になってアドバイスを送ってくれました。
面接等を通じて会社のことがどんどん好きになっていき、ここなら長く働けると思ったのです。この印象は入社後も変わることなく、人を大切にする社風は当社の大きな魅力だと感じています。

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より多くのお客様を呼び込みたい

最初に配属されたのは婦人ファッションでした。セレクトの売場に2年、ドレス売場で1年。計3年間、店頭営業を担当しました。
婦人服はいわば百貨店の“花形”のように見られます。ですが正直に言えば、私にとっては辛いことの方が多かったです。もちろん接客そのものは好きだったのですが、ファッションのトレンドに疎く、背景となる知識が私には欠けていたからです。そこでファッションの社内資格であるコーディネートアドバイザーの取得を目指し勉強するなど、基礎からしっかり学び、キャッチアップし成長を目指しました。

その中でも特に嬉しかったのは「金ネーム」と呼ばれる金色の名札を着けたことです。入社2年目のことでした。お客様からお褒めのお手紙や電話などをいただいたら個人のポイントが加算されていき、一定数に達すると優秀販売員としてが会社から付与される名札です。
確かにファッションのトレンドの知識は不十分だったかもしれませんが、お客様の笑顔が見たいという原点にブレはなかったので、私はとにかくどうしたら喜んでいただけるかばかりを考えていました。「できません」「ございません」というNoの言葉はできる限り口にしたくないと思っていましたし、お求めの商品が売場になかったら「××のお店には置いてあるようですよ」とご案内したこともありました。お客様の残念な顔は見たくない、常に笑顔でいて欲しい。そうした思いがお客様に伝わり、「金ネーム」に結びついたのだと思います。初めて着用したときの誇らしい気持ちは今も忘れません。

4年目に販売促進部に異動しました。売場では目の前のお客様への提案をしていましたが、経験を積むにつれてもっとお店にお客様を呼び込みたいという思いが強くなりました。そこで大勢のお客様を対象とし訴求する販売促進の仕事に挑戦したいと考え、希望の仕事を自己申告できる当時の「FA制度」を利用して挑戦することにしたのです。(※現在は『自己申告制度』)
販売促進部の仕事で印象深かったのは、異動して2年目に担当したクリスマスイベントでした。キャラクターを使ったプロモーションを展開したのですが、作家さんにオリジナルイラストを描いていただきぬいぐるみや雑貨などのグッズも制作しました。自分の仕事を形に残せた喜びを味わいました。
望んで異動した販売促進部でしたが、その仕事は私にとって未経験のものばかりで、最初は慣れるのに精一杯。失敗して人に迷惑をかけたことも少なくなく「私はなんてダメなんだろう」と落ち込むこともありました。周囲の先輩たちに、時にはサポートしていただき、時には見守られながら自分なりに創意工夫し、カタチにしていきました。このクリスマスイベントを通じて私なりに足跡を刻めたことが嬉しく、成長した点でもありました。

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リアルとデジタルの融合に挑む

コロナ禍でのクリスマスイベントでは「こんなときなのに楽しいひとときをありがとう」という言葉をお客様からいただきました。ウィンドーディスプレイに張り付いて、目をキラキラと輝かせている子供たちの姿も見ました。売上を追求することももちろん大切ですが、お客様に笑顔の時間をお届けすることが百貨店の使命です。プロモーションを通じてお客様と想いを分かち合えた手応えは、とても嬉しいものでした。
コロナは私たちの生活や社会を大きく変えました。百貨店のビジネスも大転換の時期にあります。例えばクリスマスのプロモーションもWebを活用したイベントに切り替え、そこからオンラインショップに誘導するという新しい動線が生まれています。このようにデジタルを活用して新たなイノベーションを起こそうというチャレンジが阪急阪神百貨店では始まっており、私が所属していた販売促進部もOMO販売推進部へと変容し、オンラインとオフラインの融合による新たなにぎわいづくりを起こすチャレンジアブルな取組みの真最中。
私にとってもこれは大きなチャレンジと受け止め、チームで積極的に挑戦しています。
※OMOとは「Online Merges with Offline」の略

今までの百貨店はいかに売場にお客様を呼び込むかが勝負でした。“とぐろを巻いている(行列ができている)”状態が求められていたのです。しかし“密”がNGとなり、テクノロジーが人々の行動変容を促している中、リアルとオンラインの垣根を取り払った売場づくりを目指していかなくてはなりません。
始まったばかりのチャレンジで、どうやって進めていくか、途方に暮れる時もあり、日々もがいているところです。それでも着実に前に進んでいる実感があり、お客様に新しい提案ができつつあると感じています。リアルの売場だけでなくオンラインの売場を提案することでお客様の選択肢が広がることは間違いなく、それは新しい喜び、新しい笑顔の創造につながっていくことでしょう。

私自身の立ち位置も変わりました。以前はメンバーの1人でしたが、OMO販売推進部の誕生と同時にシニアマネージャーに昇格し、10余名の部下のとりまとめ役となったのです。そのため自分の仕事だけでなくメンバーの仕事に幅広く目を配り、同時に常に一歩先を見据え、チームを進めていくことが求められるようになりました。
何でも首を突っ込んで自分でやってみたいタイプの私ですが、マネジメント業務は全く新たな挑戦です。意識してメンバーに仕事を委ねつつ、全体を見る視点を養っていきたいと考えています。

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子育てによって得た新たな気づき

実は現部署で毎日最初に退社するのは私です。2人の息子を迎えに行くためです。メンバーの取りまとめをする立場でありながら「お先に失礼します!」と退社する毎日なのですが、職場の仲間はその働き方を受け止めてくれて、ありがたいです。温かい職場で、お互いに支え合おうとするカルチャーが根づいていると感じます。
以前の私は自分の仕事をこなすことに集中していましたが、子育てをするようになってから、いかに周囲の人に支えられているかを実感するようになりました。恩返しとして私にできることがあれば手を差し伸べようと思うようになり、チームプレーを今まで以上に大切にするようになりました。子育てを経験したからこそ得られたことだと思います。

子どもは小学校3年生と年長の男の子。2人分の産前産後休暇と育児休職を約4年弱の間、続けて取得しました。2013年当時、これほど長く休めるのは一般的に見ても珍しいことで、ママ友からうらやましがられたものです。
母親になってみて分かったことは、子育ては相当な重労働であるということです。日々子どもと向き合うのに精一杯で、とても復職なんてイメージできませんでした。けれども長期間の休みを取れたことで次第に自分の中に余裕が生まれてきて、仕事と育児の両立にチャレンジしてみたいと思うようになったのです。
最近は社内の働き方も改革が進み、テレワークも推進されています。以前ならば学校行事は参加を諦めるか仕事を休むしかありませんでしたが、今は午前中を半日休暇にしてPTAの集まりに出て午後は家に帰って仕事をするという働き方ができるようになりました。子育てママがいっそう働きやすい時代になったことに感謝しています。

新しくOMO販売推進部の誕生と同時に私がシニアマネージャーに昇格したことに対して「勇気づけられました」と言ってくれた後輩がいました。子育てするならキャリアアップは諦めなければと思っていたところ、私の姿を見てその考えを改めたというのです。この一言は嬉しかったですね。
これからもそんな私の背中を後に続く皆さんに見せてあげられたら、そして少しでも人生を拓いていく励みになれたらと思っています。

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