現役コンサルタントから見えるデジタル変革の現場

現役コンサルタントから見えるデジタル変革の現場

ストーリーのポイント

  • 「コンサルティング」「システム開発」「研究開発」の機能が揃っているからこそできるIBMでの仕事

日本アイ・ビー・エム株式会社への新卒採用応募をお考えの学生さん向けにIBMという会社や仕事内容をより深く知って頂くため、 コンサルタント職の社員をご紹介します。

-profile-

原 伊吹 Ibuki Hara

日本アイ・ビー・エム株式会社

グローバル・ビジネス・サービス事業本部
マネージング・コンサルタント
2013年新卒入社/修士課程コンピュータサイエンス専攻

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大学時代にコンピュータサイエンスを学び、技術とビジネスの架け橋となる仕事をしたいと考え、新卒で日本アイ・ビー・エムへ入社。SPSS ModelerやWatsonでのデータ分析プロジェクトなどを経験。現在はその経験を活かして、デジタルテクノロジーの企業での活用シナリオ策定やシステム構築、人材育成、業務変革など実行フェーズまで関わるコンサルティング支援を行っている。

—デジタルトランスフォーメーションに向けた取り組みを多くのお客様が始められていると聞いています。その背景と狙いは何でしょうか?

様々な業界で、人手不足などが理由で、今よりも人手をかけず、効率的な仕事の仕方や、稼ぐ方法・新たな収益源を見出そうとしています。

その際、議論の中心になっているのが「データ」です。企業は形式を問わず多くのデータを保有しています。人の頭の中にしかないノウハウ、紙で管理されている情報、データベースに管理されている情報など様々です。従来は、既存の業務や事業を回すことが主目的に考えられてきたため、データは副産物のような状態でした。企業はここに大きな改善の余地があると考えており、データをもっと積極的に活用することによる業務の効率化や、新たな事業を検討しています。

例えば、ベテラン社員の知見を可視化することによる継承の効率化の促進、社内データを活用した新規デジタル事業の立ち上げなどが挙げられます。

ただ、これらの取り組みは複数部門に跨り、経営戦略に深く関わるため全体最適の視点が求められ、だからこそ実現シナリオや将来像の策定が重要になってきます。

—そうした企業課題に対してIBMはどのような貢献をしているのでしょうか?

主に「コンサルティング」「システム開発」「研究開発」の3つの領域で貢献しています。

IBMというと大規模なITシステムの構築やAIや量子コンピューター等の先端テクノロジーの研究開発に強い、というイメージを持たれている方も多いかもしれませんが、「コンサルティング」も強いことを強調したいと思います。

コンサルタントはお客様の課題整理や将来像、実現シナリオを作り、業務変革や人材育成まで含めて実行を支援します。デジタル・トランスフォーメーションの成功の鍵はコンサルタントが行う仕事にかかっているとも言えます。将来像や実現シナリオを基に後続フェーズのテクノロジー導入や業務変革に向けて様々な関係者が動くことになるからです。

コンサルタントが入らず、企業単独でもこれらは実施可能ですが、多くの企業では現場社員は本来の業務を抱えており、業務課題の整理などにかける時間はプラスαの業務として行うことになります。このような時間的な制約や社員のコンサルティング・スキルの有無もあるため、デジタル・トランスフォーメーションの取り組みの初期段階では外部のコンサル会社と組む選択肢が出てきます。

ではIBMのコンサルティングの特徴は何か?と疑問に思われるかと思いますが、私は「システム開発」と「研究開発」の両方の知見や機能を自由に利用できることと思っています。私の経験を通してお伝えできればと思います。

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—なるほど。経験をお話しいただく前に、まずは原さんのこれまでのキャリアを教えてください。

2013年に新卒で日本IBMにコンサルタントとして入社しました。

入社半年間くらいはSPSS ModelerというIBMのデータ分析ソフトウェアを使って、データ加工、データ分析、分析結果の社内報告、お客様報告などの仕事を行っていました。その後、Deep LearningやWatsonによるテキストマイニングなどSPSS以外のツールを使ったデータ分析のプロジェクトも経験しました。

2019年から、PM(プロジェクトマネージャー)の仕事をしています。PMはプロジェクトの計画立案、計画実行のためのタスクやリスクの管理、お客様チームとIBMチームの合意形成の主導などを行う仕事です。それまでは仕事の方針を依頼され、自分が分析作業などで手を動かすことが多かったのですが、今は自分がプロジェクトの方針を考え、メンバーに作業を依頼する側になりました。加えて自分が新たな仕事を作る立場でもあります。

—IBMのコンサルタントの特徴は、「システム開発」と「研究開発」の両方の知見や機能を自由に利用できることである、とのことですが、それらの部門の方と進めたプロジェクトの経験があれば教えてください。

「システム開発」「研究開発」の部門の方と進めた「異音判定モデルの実用性検証プロジェクト」を簡単に紹介したいと思います。

このプロジェクトは「製品試験に於ける異音判定の業務の自動化を目指した取り組み」でした。従来は人が録音データを聞いて逐一、異音の発生有無を判定していましたが、この一連の業務の自動化を目指し、プロジェクトが始まりました。お客様はIBMへ依頼する前に、他社へも同様の依頼を行っていましたが、モデル構築の難易度の高さなどの理由から試作モデルの構築には至らなかったと聞いています。

プロジェクトでは、IBMの研究員が異音判定の試作モデルの構築、精度検証を行いました。お客様からは試作モデルについて、「今後精度改善の余地はあるものの、業務において最初は利用範囲を限定するなど工夫することで実利用可能」という評価を頂きました。元々、私がお客様の業務プロセスを整理する中で、テクノロジーが適用できそうだということで提案をし、プロジェクト化した案件でしたので感慨もひと塩です。

プロジェクトで大変だったことは色々とあります。お客様内、IBM内の様々なステークホルダーに合意形成を取るフェーズも大変でしたが、何より研究員が行う高度なモデル構築アプローチの話を、私が短時間の社内会議で研究員からの報告内容を理解し、その場で次の方向性を決めなければならなかったのは本当に大変でした。次はどのアプローチを試すとうまくいきそうか、リスクを踏まえて判断し、お客様への報告は何をどのような構成で伝えると分かりやすいか、といったことを日々考えていました。

同時並行でシステム構築の専門家とモデルを本番利用するためのシステム構成、松竹梅の見積もりプランの作成も行っていました。お客様業務、AIテクノロジー、ITシステムを深く理解し、様々なところに気を配りながら事象の整理、可視化、合意形成を行ったため、苦労が多かったですが学びも多く、これこそIBMだからこそお客様にお届けすることができた仕事だったと感じています。

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—このプロジェクトを通じて原さん自身が学んだこと、得たことは何でしょうか?

私は大学時代に、有用なデジタルテクノロジーが、なぜ社会で広く活用されていないのかを疑問に思っていました。その答えをこのプロジェクトで理解することができました。一言で言うと、費用対効果です。それまでの仕事経験やニュース記事などで費用対効果の重要性は理解していましたが、プロジェクトを通じて、身をもって実感することができました。

今回、「コンサルティング」「システム開発」「研究開発」の方々とのプロジェクトに関われたからこそ、費用対効果の深い議論ができたと考えています。私は最新デジタルテクノロジーを社会での実利用に繋げたいという思いがありますが、それには費用対効果の話などビジネス側で越えるべき壁がたくさんあり、そうしたチャレンジを行うには「コンサルティング」「システム開発」「研究開発」の全てが揃ったIBMが適した場所だと考えています。

—せっかくですので学生から寄せられるよくある質問へも回答頂きたいと思います。
1つ目の質問ですが、コンサルタント職の新入社員は入社後、どのように仕事を受け持ち、働くことになるのでしょうか。

コンサルタントの仕事はプロジェクト単位が基本です。プロジェクトとは決められた期間で特定のゴールを目指してチームで仕事をすることです。

私はよく、新入社員は芸能事務所のタレントさんのように動くことになると伝えています。
新入社員は研修の後、最初の2年間は新人育成組織(芸能事務所)に所属し、プロジェクト現場(ドラマなどの撮影現場)に出て仕事をします。

プロジェクトは新人育成組織から割り当てられることが多いですが、現場で評価されれば現場の人脈から別の仕事に誘われたり、紹介されたりして仕事が繋がります。全ては自分(タレント)の活躍次第です。

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—2つ目の質問は学生時代にやっておくべきことです。具体的なアクションに繋がるようアドバイスをお願いします。

卒業論文、研究に全力で取り組むことをお勧めします。

できれば外部発表をして、自分の取り組みが外からどう見えるか評価してもらうこともお勧めします。
これらにより考える力を始め、答えのない問題に向き合うための色々な力を養えるからです。

—最後に学生向けに一言お願いします。

IBMで仕事をしてみたいと思った方の応募をお待ちしております。
「IBMならでは」のチャレンジを通じて、一緒に社会に貢献していきましょう。

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