常に謙虚に相場と向き合いながら、金利マーケットのプロとして日本経済の発展に貢献したい。

常に謙虚に相場と向き合いながら、金利マーケットのプロとして日本経済の発展に貢献したい。

常に謙虚に相場と向き合いながら、
金利マーケットのプロとして日本経済の発展に貢献したい。

PROFILE
三菱UFJ銀行

古川 翔平

資金証券部 円貨ALM操作Gr
2009年入行/法学部卒

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法人営業に従事する中でマーケット業務に興味を持ち、入行3年目に行内の公募制度を活用し、マーケット部門のトレーニーになる。金融市場部、円貨資金証券部を経て、証券会社に出向後、現職にて金利マーケットの第一人者になるべく邁進中。

自分の強みとなる専門性を求めて、法人営業からマーケットの世界へ

私は現在、資金証券部で円金利ポートフォリオの運営に携わっています。世界経済の動向や日本銀行をはじめとする各国金融政策の影響を受けて、円金利の環境が大きく変化する中、収益の最大化と安定化をめざして日々マーケットと対峙しています。これまでマーケットに携わる部署やMUFGグループの証券会社にてさまざまな経験を積んできましたが、入行当初はこのようなキャリアパスになるとはまったく想像をしていませんでした。
入行後、最初の3年間は、営業店で法人営業に従事しました。大企業の副担当として仕事に取り組む中で、為替やデリバティブ商品などに接する機会があり、マーケット業務に興味を持ち始めました。特に、印象的だったのは、本部のマーケット部門の先輩行員と取引先へ同行したときのことです。先輩はマーケットの専門知識を活かし、相場の見通しなどについて、為替のプロであるお客さまと対等に会話をしていました。複雑なデリバティブ商品についてもわかりやすく説明し、その結果、大きな契約を受注するだけではなく、お客さまから喜ばれ、信頼されていました。その姿に、憧れを感じました。
当時、私は優秀な同期や先輩方と働く中で、「何か自分の強みになるような専門性を身につけたい」と考えていたところでした。そこで、マーケットの専門知識を習得しようと、社内の公募制度を活用し、トレーニーとして市場部門に異動しました。2年あるトレーニー期間のうち、1年目は金融市場部の金利デリバティブグループ(現:為替デリバティブトレーディンググループ)に配属されました。マーケットの基本用語である「ガンマ」や「デルタ」などの言葉の意味もわからず、まずは市場や商品についての基礎を学ぶところからスタートしました。毎日、相場動向や業務上の反省点などを相場日誌などで振り返りながら、先輩方から薦められた課題図書を何冊も、何度も読み込むなど、ひたすら勉強をしてマーケット業務の基礎を固めました。

円金利市場における投資家の一員として、マーケットへの理解や情報感度を高める

トレーニー2年目は、現在の所属部署である円貨資金証券部(現:資金証券部)へ異動しました。ここでは、主に円金利ポートフォリオの運営に携わりました。いわゆるトレジャリー業務と呼ばれるもので、銀行の円貨バランスシート全体を見ながら、国債やデリバティブなどを用いて、資産・負債の金利リスクを適切に管理しつつ、収益の獲得をめざします。私たちが運用するのは銀行の資金であり、ひいては預金してくださっているお客さまの大切なお金です。業務運営にあたっては、マーケットへの深い理解や、高い情報感度、マネジメントとのコミュニケーションが求められます。国内外の金融政策動向やイベント、需給環境などの材料を一つひとつ、つぶさに分析してマーケットを予想するほか、各種ニュースが重要な判断材料となることもあります。例えば、生命保険会社のある商品が売れているという新聞記事を見れば、生命保険会社がそこで得た資金をどのように運用するのか、仮に国債を購入する場合には金利低下圧力がかかるのではないか、などと考えることもできます。このように、一見マーケットに直接関連する情報ではなくても、その影響度を常に考える姿勢を身につけました。
日々、マーケットに挑む中で、新入行員時代には想像もつかなかったスケールの大きい仕事に、「銀行の中にこんな世界があったのか」と圧倒されていきました。しかも、業務に携わる部員はわずか数人と、少数精鋭で取り組んでいることにも驚きました。この部署で、先輩方から仕事に対するプロフェッショナルな姿勢を学んだことが、自分の中で「マーケットの世界で生きていこう」という決意につながりました。

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世界の一流投資家と対峙する、謙虚さと緊張感を持つ

上司からは本当に多くのことを学びました。中でも現在の私のモットーになっているのが、「相場に対し、常に謙虚であり続ける」ということです。当行は、円金利の投資家として取引規模も大きく、時には自分たちが動くことで相場に大きなインパクトを与えることもあり、自分自身が偉くなったと勘違いしそうになることがあります。しかし、マーケットには私より経験も実績もはるかに豊富な世界屈指の投資家やトレーダーの方々が大勢います。私は、そうした方々と対峙しているという緊張感を常に持つことを心掛けています。 また、自分の間違いを謙虚に認める姿勢も重要です。朝の時点で、「今日はこういう値動きになりそうだ。こういう取引をしよう」と思っていても、いざマーケットが始まると、自分の予想が外れていることは多々あります。そのような場合はすぐに間違いを改め、方針を変える柔軟な姿勢が求められます。以前、自分の予想が外れたにもかかわらず、「そんなはずはない」と、自身の考えに固執しそうになったことがありました。そのとき、先輩から「相場が間違えることはない。間違っているのは、マーケットの材料から先を見通せなかった君のほうだ」と指摘され、自分の傲慢さに気づかされました。
毎日相場と向き合う中で、つい謙虚さを忘れてしまいそうになることもあります。そんなときは、私たちはお金を預けてくださるお客さまをはじめ、取引をしてくださる証券会社やさまざまな市場参加者に支えられながら、マーケットに生かされている存在であることを思い出します。自身の予想が外れたときには、その都度なぜ外れたのかを振り返り、おごることなく考え続けることが重要です。また、常にあらゆる事態を想定しておくことで、迅速かつ柔軟な対応ができることも、金利マーケットのプロに必要な能力だと実感しています。

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円金利の第一人者をめざし、日本経済や国債市場の発展に貢献したい

次に、マーケットの知識をより高めたいと希望し、パートナー企業である三菱UFJモルガン・スタンレー証券に出向しました。これまでは先輩方のサポートを受けながら、業務に従事してきましたが、ここで初めて、円金利スワップのメイントレーダーを担当しました。自分の行動が損益として自身の成績に直結するシビアな世界を経験しました。担当するお客さまは機関投資家の方々であり、国内外、多岐にわたります。また、それぞれ考え方や取引の内容も異なります。どのような状況になれば、お客さまは取引を実施するのかなど、膨大な実例パターンを蓄積し、トレーダーとしての経験値を高めました。
その後、資金証券部に戻り、外貨金利のポートフォリオ運営に携わりました。これまでの円金利中心のキャリアから、初の外貨金利担当となりました。在籍時は、コロナ禍の金利急低下や、インフレ進行に伴う大幅な金利上昇など、厳しい局面でしたが、さまざまな国の金利マーケットを経験し、より広い視野を得ることができました。
現在は円金利のライン長を務めています。チームを率いる立場となり、自分たちの利害だけではなく、市場の健全な発展を通じた市場参加者全体の利益をより意識するようになりました。例えば、各種市場参加者会合などにて、国債発行計画や金融政策運営が市場に与える影響などについて意見を交換するなど、円金利マーケットの活性化につながる議論に参加しています。また、人材育成にも注力しています。私自身のキャリアを振り返ると、法人営業として入行後、希望の部署でその都度、諸先輩方からご指導いただき、さまざまな経験を積ませてもらえたからこそ、金利マーケットのプロとしての今があると実感しています。これまでに得た知識や経験を後進に伝え、彼らに成長の機会を提供していくことが自分の責務だと思っています。
日本は、巨大な債務を負っています。私は、投資家の一員として、発行される国債の円滑な取引を支援し、ひいては日本経済全体の発展に寄与していくという責任とプライドを持って業務にあたっています。将来は、社内外から「円金利といえば古川」と言ってもらえるような、円金利マーケットの第一人者となることが目標です。自分自身のプロ度をより一層高め、人材育成を通じて組織をより強くし、MUFGのパーパスである「世界が進むチカラになる。」を体現していきたいと考えています。

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