
背中を見て、言葉を聴いて、人は育つ。所長と若手が語る、渡辺パイプの育成文化。
背中を見て、言葉を聴いて、人は育つ。所長と若手が語る、渡辺パイプの育成文化。
このストーリーのポイント
- 上司は、一番の理解者。若手の挑戦を温かく見守る眼差し
- 「種蒔き」の教え。世代を超えて受け継がれる仕事の哲学
- 叱責よりも、次の一手。失敗を乗り越える力を与える指導
「水と住まいの専門商社」として事業を拡大する渡辺パイプ。建材・設備流通業界では、トップランナーとして位置付けられている。住まい作りのエキスパートとして、お客様のニーズに応える商品や設備を提供しているのが、セールスエンジニア(以下、SE)。さまざまな世代のメンバーが、自分らしさを活かして活躍している。上司となる所長と若手社員が、どんな関係にあるのか。研修や育成のエピソードを交えて語り合ってもらった。
渡辺パイプ株式会社
森 将昭
横浜南住設サービスセンター(SC)所長
2010年10月 中途入社
神奈川県出身。現在は横浜南住設SCの所長として、14名のメンバーを率いる。プライベートでは、子どもとアニメ映画を鑑賞したり、料理をするのが大好き。「料理はストレス解消と頭の整理になる」と語る。
千葉 新大
横浜南住設SC SE担当
2023年4月新卒入社
経営学部卒
渡辺パイプには、営業として入社。持ち前のチャレンジ精神を発揮し、着実に成長しつつある。最近は、週末に友人とテニスやボーリングなどを楽しんでいるという。
すべての基本は「信頼関係」。頼れる所長と若手社員の二人三脚
──現在のお仕事内容とお二人の関係性をお聞かせください。
千葉 僕は現在、SE(営業)を務めています。工務店や不動産会社などのお客様のご要望をお伺いして、最適な住宅設備機器や建材を提案し、見積りの作成から発注・納品までを管理する仕事です。既存顧客へのルート営業がメインですが、新規開拓にも情熱を注いでいます。
森 私は所長として、チーム全体のパフォーマンスを最大化させることが責務です。とはいえ、常に「背中で語る」姿勢を大切にしており、自らもプレーヤーとして最前線に立ち、重要な案件のクロージングや新規開拓の舵取りも行っています。
千葉 森所長は、僕が入社した当初からご指導いただいている上司です。最初にお会いしたときから、いつも優しくて、どんな些細なことでも相談しやすい雰囲気を作ってくださいます。
森 千葉君は子役の経験があるので、プレゼンテーション能力や人々の心を掴む話術は、同世代の中でも群を抜いています。その卓越したコミュニケーション能力は、営業にとって何よりの武器。今後、チームを牽引する存在になるだろうと、大きな期待を寄せています。
それぞれの原点。渡辺パイプに惹かれた理由と、成長への道のり
──お二人の入社動機をお聞かせください。
千葉 僕は人と深く関わり、信頼関係を築く仕事をしたいと思っていました。それが、自分の個性や強みを最も活かせる道だと思ったからです。そのため、具体的には営業職のほか、小売や介護の仕事も視野に入れていました。
森 渡辺パイプとの出会いは、どういうきっかけだったの?
千葉 ゼミの先輩からの紹介です。その方は渡辺パイプから内定が出ていて、「千葉君もインターンシップに参加してみたら」と勧めてくれたんです。インターンシップでは、営業の業務に同行させていただきました。営業の方々の仕事に対する考え方や向き合い方を見させてもらい、お客様に寄り添い、より良い方向に導いていこうという姿勢を感じました。また、社員の皆さんの温かさにも惹かれるものがあり、「ここで働きたい」と強く感じたことが、渡辺パイプに絞る決め手となりました。
森 千葉君がインターンシップに参加したのは、川崎南住設SCだったよね。当時私は、そこの所長だったので良く覚えているよ。「彼は将来間違いなくSEとして大成する」と周りの社員が絶賛していたのを、今でも鮮明に覚えているよ。
千葉 そうなんですか。初めて聞きました。森所長の入社の経緯もお伺いしたいです。
森 私は、元々体を動かすことが好きでした。なので、前職ではルート営業や配送などの仕事に従事していました。更なるキャリアップを考える中で、渡辺パイプの求人情報を見て応募に至りました。住設業界の経験や知識は全くなかったので不安がなかったわけではありません。しかし、未知の領域だからこそ挑戦してみたいという気持ちが勝り、この世界に飛び込むことを決意しました。
──入社後、どのように仕事に取り組んでいかれたのですか。
千葉 手厚い研修制度のおかげで、スムーズに社会人としてのスタートを切ることができました。最も印象的だったのは、入社から半年程過ぎた頃に実施された「ホームステイ研修」です。これは、“お客様のことを知る”という目的の下、顧客先に1カ月間出向して、その会社の現場業務に従事するという研修。自社の仕事をお客様からの視線で見つめ直すことで、何が求められているのか、現場でどう動けば貢献できるのかを、肌で理解することができました。
森 仕事の流れがわかりますし、お客様の潜在的なニーズや生の声も把握できる研修なので、とても価値があると思っています。
千葉 森所長は入社後すぐに仕事に慣れることができたのですか。
森 当初は慣れない仕事の連続に四苦八苦する毎日でした。それでも、3カ月、半年と仕事を続け、量をこなしていくことで徐々に業務の質が高まっていきました。
千葉 僕も、「とにかく経験を重ねるしかない」と思っています。もちろん、所長や先輩に助けてもらいながらです。でも、絶対に諦めずに立ち向かい続けるようにしています。
森 やり続けていくと仕事の要領が良くなっていくんだよね。引き出しが増えるからかな。所長に昇格できたのも、そのおかげかもしれません。
千葉 所長への昇格を打診されたときは、どんな心境でしたか。
森 かなり緊張した記憶があります。「自分に務められるのか」と思ってしまいました。その一方、「早く管理職になりたい」という気持ちがあったのも事実です。
手痛い失敗も、未来への「種蒔き」。経験を成長の糧にする教え
──千葉さんが入社後にどんなチャレンジをされて来たのか、森所長がどうサポートされたのかをお聞かせください。
千葉 僕はこれまで色々な失敗を経験しました。最も忘れらないのは、1年目に味わった現地調査での失敗です。現地調査とは、お客様が手掛けている現場に赴いて、必要と思われる商品を拾い出し発注させていただくという業務です。まさに、責任感が問われる仕事だったのですが、いざ納品してみると「あれもこれも違う」が続出してしまいました。今振り返っても大きな失敗でした。
森 そういうことがあったね。
千葉 この失敗を何としても挽回しなければならないと、すぐにお客様の元へ駆けつけてお詫びし、もう一回現場に行き情報を取り直しました。実はあのとき、森所長から厳しい叱責を受けることを覚悟していました。
森 その失敗の話を聞いたときに、「まあ仕方ないな」と思いました。起きたことを嘆くのではなく、「なぜ起きたのか」の根源を確認した上で、今後に向けてどうリカバリーするのか。二度と同じミスが起きないようにするために、どう取り組んでいくのかをお客様に説明し、納得を得る必要があると考えました。
千葉 落ち度を指摘される以上に、その先に目線を向けさせていただけたことは今でもとても感謝しています。
森 実は私自身も営業の頃に数多くのミスをして来ました。だからこそ、ミスが起きた後にどうリカバリーすれば良いのかを誰よりもわかっているつもりです。それこそが私の経験値であり、後輩に伝えていくべきものであると考えていました。
──他にも、森所長からの印象的なアドバイスはありますか。
千葉 森所長は、「種蒔きをする」という表現を良くされます。見積もりから納入まで期間が空いてしまうのが、この業界の特性です。なので、目先のことではなく、先々を見通して行動する必要があります。僕自身、それを常に念頭に置いて行動しています。
森 お客様のニーズに合った施策をどれくらい打ち出せるか。その一つひとつが未来の信頼と成果に繋がっていく。この考えは、私の上司から受け継いだものです。常に一手先を読みながらお客様の潜在的なニーズを引き出す力を育てていきたいと考えています。
千葉 お客様ご自身も気付けていないようなニーズを汲み取って提案する。そこにこそSEの存在意義があるのだと教えてもらいました。
森 千葉君は、新人のときと比べると別人と言っても良いほど成長しています。もちろん、まだまだミスはあるけれどね。でも、それによって経験値が高まっているのは事実です。そうした経験を乗り越えるからこそ、お客様からの信頼獲得にも繋がり、確実に成果を出せる営業へと歩んでいるというのが、私の印象です。
成長の「見える化」。次世代を育むマネジメント術
──森所長は、若手育成に向けてどんな取り組みをされていますか。
森 メンバーに対してはなるべくわかりやすく伝えることにこだわっています。特に、「渡辺パイプがお客様に提供できる価値は何か」「お客様が抱える真の需要はどこにあるのか」という土台のところは、丁寧に話すようにしています。
千葉 私も新人の頃は、森所長に毎日のように活動報告をしていた記憶があります。その場で、いつも貴重なフィードバックをいただいていました。
森 新人に対しては、「今何を習っているのか」「業務の進捗状況はどうか」「今日は何を身に付けることができたのか」などを聞くことが多いです。若手全体の育成について言えば、組織全体で関わっていくための仕組み作りを常に意識しています。
千葉 何かきっかけがあったのですか。
森 営業という職種は、個々のスキルが高まるほど、良くも悪くも「個人商店」になりがちです。卓越した個のスキルを組織の財産として次世代に継承していくためには、先輩と若手の間に意図的に接点を創出することが不可欠です。なので、私が所長を務めるサービスセンターでは先輩社員と若手社員が接点を持ちやすいようにと「エルダーヤンガー制度」という仕組みを立ち上げて、実践しています。先輩社員と若手社員が半年間ほどペアを組み、先輩からスキルや仕事に対する責任感、業界知識を学ぶという取り組みです。同時に、先輩社員は人に教える難しさも理解できます。
千葉 まさに今、僕自身がその仕組みを活用させてもらっています。先輩社員には特有のアプローチや強みがあります。それらを把握した上で自分自身には何が向いているのかを考えることができる、良い機会となっています。もう一つ、森所長は業務スキルシートを活用した「成長の見える化」にも積極的に取り組まれていますよね。
森 こちらは、営業として業務上必要となるスキルをリストアップしたもので、習得できているかいないかを○×でチェックするだけでなく、未習得スキルには達成期限を設け、計画的な自己研鑽を促す仕組みです。重要なのは、その進捗度を部署のメンバー全員がオープンに共有している点です。
千葉 自分は何ができていないのかが明確にわかりますし、一人前の営業になるための励みにもなります。
森 教える側も、何を教えたか、教えたつもりになっていることはないかを確認できるのが、このシートの利点です。
「成功の糧となる失敗なら、恐れるな」。未来の仲間へ贈るエール
──最後にお二人の今後の目標と未来の仲間へのメッセージをお願いします。
森 目標は、組織の活性化に向けた仕組み作りや次世代リーダーの育成、利益の向上に貢献できるような存在になることです。渡辺パイプの未来を創る上で、無くてはならない存在でありたいと強く願っています。
千葉 僕自身は、入社からの2年半で数え切れないくらい多くのことを学ばせてもらいました。それを仕事で恩返ししていくためにも、僕自身が成長しなければいけません。所長や先輩から教わって来たことを、後輩たちに伝えられるようになりたいです。
森 そのためにも、千葉君には自分自身の成功事例を積み重ねてほしいです。最終的には“一人前の営業社員”になってくれることを期待しています。成功するための失敗は恐れずにどんどん挑戦してほしいです。これは、若手社員の皆にも伝えたいことです。
千葉 ありがとうございます。僕自身、現時点で感じている最大の課題はお客様の期待や想像を越える価値を提案できていないことです。今はまだ、ご要望にお応えすることで精一杯なのが正直なところです。
森 千葉君は、今のペースで経験を積んでいけば大丈夫です。
千葉 大切なのは立ち向かっていく姿勢ですよね。僕と同様に、やる気に満ちた方がいらしたらぜひ一緒に働きたいです。たとえ、失敗することがあっても諦めずにチャレンジし続けていける方であってほしいです。
森 とにかく、明るくて元気に挨拶ができれば十分活躍していけるはずです。
千葉 僕が個人的に感じている渡辺パイプの魅力は、人間関係の温かさです。特に営業のメンバーは、人と人との関係を大事にしている方ばかりです。向き合い方が上手な方が多いので、安心して飛び込んできてほしいです。
森 将来性ある会社ですし、頑張りを必ず評価してくれます。若手にも多くのチャンスが提供されるので、挑みがいがある職場だと自信を持ってお伝えしたいです。