銀行員から大学職員へ。東北大学で叶える理想のキャリア。

銀行員から大学職員へ。東北大学で叶える理想のキャリア。

銀行員から大学職員へ。東北大学で叶える理想のキャリア。

このストーリーのポイント

  • これまでの経験が、次のキャリアで大きな武器になる。
  • 年次や経歴は関係ない、挑戦を歓迎する風通しの良さ。
  • 仕事もプライベートも全力で。理想のバランスで働ける。

銀行から東北大学へ。未知の世界への挑戦には勇気が必要だったが、地元に貢献したいという強い気持ちが新たな一歩につながった。多くの学生と向き合いながら、学びを支える業務に携わっていることに、大きなやりがいを感じている。

PROFILE
国立大学法人東北大学

庄司 啓人

教育・学生支援部
学生支援課 経済支援係
2023年入職(中途)

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宮城県出身。教育学部芸術・スポーツ文化学科卒。新卒で宮城県内の地方銀行に入行し、支店で営業・融資業務に約2年半携わる。その後、東北大学の地域への貢献性や世界的プレゼンスの高さに惹かれ、転職を決意。入職後は主に授業料や入学金の免除業務に携わる。

マウンドから銀行の窓口へ。故郷への想いが「覚悟」に変わった日。

小学生から大学まで、私は白球を追いかける日々に明け暮れました。ポジションはピッチャーで、キャプテンを任された経験もあります。個性豊かな仲間たちの心を一つにし、チームを勝利に導く中で、人をまとめる力の大切さを学びました。この経験が今の私の土台となっています。

大学生活は北海道で送りましたが、卒業後は地元・仙台で働くことを心に決めていました。雪国で暮らしたからこそ、一年を通して穏やかな仙台の気候や人の温かさが、より一層恋しくなったのかもしれません。
「自分を育ててくれた故郷に貢献したい」。その想いを実現する場所として選んだのが、地域経済の血流とも言える地元の銀行でした。お金という側面から、人々の暮らしや企業の挑戦を支える仕事に、大きな魅力を感じました。

銀行員としての日々の中で忘れられない出来事があります。コロナ禍で多くの方が経済的に苦しんでいた頃、あるお客様から融資のご相談を受けました。状況は厳しく、条件だけを見れば融資は困難に思え、私自身も心のどこかで「難しいかもしれない」と諦めかけていました。
しかし相談した先輩は違いました。「なんとかお客様の力になりたい」と、あらゆる可能性を探り、決して諦めませんでした。そして見事に融資の審査を通過させることができました。
先輩のその背中は、「無理だ」と決めつける前に、目の前の人のために全力を尽くすことの本当の意味を、静かに、しかし力強く私に教えてくれました。これこそが、地域と共に生きる銀行員としての覚悟なのだと、深く胸に刻まれた経験です。

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銀行員だった私が、東北大学の門を叩いた理由。

銀行員として、大きなやりがいを感じる毎日でした。その一方で、地元のニュースで見る東北大学の躍進にも、いつも心を惹かれていました。3GeV高輝度放射光施設「NanoTerasu」の誕生や、国際卓越研究大学への選定など、その目覚ましい活躍に一人の地元住民として胸が熱くなるのを感じていました。まさか自分がその一員になる未来が待っているとは、当時は想像もしていませんでした。

転機は、偶然目にした東北大学の採用サイトです。「中途採用」の文字を見た瞬間、これはチャンスだと直感しました。自分に何ができるか挑戦したい、その一心でエントリーシートを送ったのを覚えています。面接でも手応えを感じられずにいたので、内定の知らせを受けたときは、信じられないという気持ちと込み上げる喜びの両方を感じました。

面接で私が一番に伝えたのは「東北大学での仕事を通して、地元に貢献したい」という強い想いです。世界的な研究拠点である東北大学で学ぶ学生を支えること。それは、未来の世界で活躍する人材を育てることであり、最高の地元貢献に繋がる、と訴えました。また、銀行員として培った正確さや丁寧な仕事ぶり、そして野球で培ったチームワークも私の強みとしてアピールしました。

内定の喜びと同時に、大きな不安があったのも事実です。銀行員だった私が、大学という新しい環境で、事務職員としてやっていけるのだろうか。そんな懸念を抱えていました。
しかし、その不安は入職後すぐになくなりました。東北大学は、私が想像していた以上に風通しが良く、開かれた組織だったからです。上司や先輩方はどんな些細な質問にも快く耳を傾けてくださり、初任者に向けた対面・オンラインでの研修など、中途採用者を温かく迎え入れる手厚いサポート体制も整っていました。

おかげで私の不安はすぐに自信へと変わり、安心して東北大学職員としての第一歩を踏み出すことができました。入職して改めて実感したのは、私のように様々なキャリアを持つ職員がごく当たり前に活躍している、ということです。多様な人材が存分に力を発揮できる風土がここにはありました。

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「庄司さんのおかげです」。その一言が、私の原動力。

私が入職したのは2023年の秋。配属先は、入学料や授業料の免除、奨学金など学生の経済支援を担う学生支援課の経済支援係でした。現在は免除の主担当者として働いていますが、免除制度は複雑で、年間数千件に及ぶ申請の中には判断が難しいケースも少なくありません。だからこそ、常に正しい情報を分かりやすく学生に伝えることを心がけ、一件一件に細心の注意を払っています。何よりも正確さが求められるこの仕事には、銀行員時代に培った丁寧な業務姿勢が、そのまま活かされていると実感します。学生が安心して学べる環境を守る、その責任の重さをやりがいに感じています。

忘れられないのは、2024年1月の能登半島地震の際に経験した出来事です。大学では被災した学生への特別な免除制度を設けていましたが、ある日、別の用件で電話をくれた学生が、その制度の対象者であることに気づきました。学生本人は制度の存在を全く知らなかったため、私はすぐに申請を案内しました。後日、無事に免除が決まったその学生から、「庄司さんに教えていただかなければ、気づかないままでした。本当にありがとうございます」と、心のこもった感謝の言葉をいただいたことを覚えています。待っているだけでは届かない支援があること、こちらから手を差し伸べることの大切さを、改めて胸に刻みました。

そして今、私は新しい挑戦の真っ最中です。それは、経済支援係の公式SNSアカウントの立ち上げです。これまでの情報発信は大学HPなどが中心でしたが、学生たちに本当に必要な情報が届いていない、という課題を感じていました。そこで、学生が日常的に使うSNSの活用が不可欠だと考え、上司に直接提案したところ、快く「やってみよう」と背中を押してくれました。中途採用で経験の浅い私の提案にも真剣に耳を傾け、挑戦させてくれる。この懐の深さこそ、東北大学の素晴らしい組織風土だと感じています。お金に関わる大切な情報を慎重かつ丁寧に進める姿勢は、ここでも銀行員時代の経験が活きています。リリースを間近に控えた今は、一人でも多くの学生に必要な情報を届けたい、その一心です。東北大学に、自分の確かな足跡を刻めた。そんな手応えも感じています。

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仕事も、プライベートも大切にできる。一歩踏み出した先で見つけた新たな目標。

東北大学に入職して、まもなく2年が経ちます。会計や教務の専門知識など、日々学ぶことばかりですが、スキルアップに励む毎日はとても充実しています。まずは目の前の業務に誠実に取り組み、学生の皆さんをしっかりと支えることが今の私の目標です。 その一方で、東北大学には、私がまだ全容を掴みきれていないほど多様な仕事やプロジェクトが動いています。いつかは私も、自らが中心となってプロジェクトを動かしてみたい。銀行員時代にニュースで見ていたような、社会的に注目されるプロジェクトを自分の手で担うことが、私の大きな夢になっています。

ワークライフバランスの充実も、東北大学の大きな魅力です。休暇も非常に取りやすく、誰もが気兼ねなくプライベートの時間を大切にできる雰囲気があります。私もそのおかげで、今でも野球を続けることができています。地元の草野球チームに所属し、大好きな野球をしている時間は、いいリフレッシュになっています。こうして地元で汗を流すことも、地域を盛り上げる一つの形だと感じています。仕事でも、プライベートでも、地元・仙台に貢献できる。東北大学に来て、本当によかったと思います。

これを読んでくださっているあなたも、もしかしたら人生の岐路に立ち、一歩を踏み出すことをためらっているかもしれません。特に、全く違う世界へ飛び込むのは、大きな不安が伴います。「自分の経験は、ここでは通用しないんじゃないか」。何を隠そう、私自身がそうでした。 ですがここには、あなたの挑戦を温かく受け入れ、基礎からじっくりと成長を支えてくれる環境があります。どうか、恐れずにその一歩を踏み出してみてください。

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