日々変化するマーケットと向き合い、“常識”を疑いながら投資戦略を立案する

日々変化するマーケットと向き合い、“常識”を疑いながら投資戦略を立案する

日々変化するマーケットと向き合い、
“常識”を疑いながら投資戦略を立案する

このストーリーのポイント

  • 膨大なデータから相関を見出す、独自のリサーチ力
  • コンセンサスに流されず、自身の仮説を追求する姿勢
  • 欧州機関投資家へのプレゼンで実感した、対面営業の価値

入社以来、一貫して日本株市場の分析を担当。機関投資家に向けて情報を提供する。キャリアは10年だが、自身のことはまだ発展途上と感じる。成長までの長い道のりも、この仕事の魅力だ。

PROFILE
野村證券株式会社

藤 直也

コンテンツ・カンパニー 
市場戦略リサーチ部

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2016年入社。経済学部経済学科卒。入社以来、市場戦略リサーチ部に所属。日本株ストラテジストとしてファンダメンタルズや資金フローを分析し、投資戦略を立案。国内外の投資家にサービスを提供している。

困難な環境こそが、自らを鍛え上げる原動力になる

大学3年生で計量経済学のゼミに入りました。計量経済学は様々なデータと統計的手法を使って経済現象を数値的に解明する学問です。私はそのトレーニングの一環として為替レートを予想するコンテストに参加しました。そこで発見したのが、海外において日本の人気観光地の検索数が訪日外国人数の先行指標になっており、為替に影響しうる旅行収支を先読みできるという相関関係です。この分析によって賞をいただくこともできました。
身の回りの出来事がドミノ倒しのようにマーケットの動きにつながることを非常に面白く感じ、将来はそうした仕事に就きたいと考えるようになったことが、現在の仕事を志す起点になりました。

私は中学入学から大学卒業まで陸上競技に打ち込みました。種目は100メートル走です。常に自分自身と向き合うことが求められる、心身ともに厳しい競技でしたが、厳しいからこそ自分が成長できることを知りました。成長できれば、厳しさは喜びに変わっていきます。仕事においてもそれは同様です。
証券業界の中でも野村證券は厳しいことで知られておりましたが、私はその環境だからこそ自分が鍛えられ、成長できると思いました。

野村證券が部活のようだと言うつもりはまったくありませんが、それでも、厳しい中で頑張るからこそ得られる楽しさを知っている人が集まっていることは確かです。誰かが孤独なハードワークに耐えているのではなく、全員がそれぞれの目標に向かってストレッチしている環境です。そこに身を置くことは、間違いなく自分の成長につながると感じました。
何よりも素晴らしいのが、互いの目標や成果を称え、応援し合うカルチャーが組織に深く根づいている点です。こうしたマインドの社員ばかりであることは私にとって非常に心地よく感じられました。

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定説に縛られない、独自の視点こそが価値に変わる

私の所属する市場戦略リサーチ部では、金利・為替・株式市場といったファンダメンタルズや資金フローを分析し、国内外の投資家の投資判断に資する情報提供を行っています。私は日本株のストラテジストとして日本株市場の分析を担当。投資戦略を立案して、内外の機関投資家に提供しています。サービスの形式はマンスリーやウィークリーのレポート、セミナー、顧客とのミーティングなど様々です。情報の鮮度を重視し、アドホックに刊行物を発信することもあります。
こうしたサービスは証券業界に限らず様々な会社が手がけていますが、野村證券の強みの一つは、全業種をくまなくカバーするフルカバレッジでの情報提供を行っていることです。また、海外の評価機関による調査で機関投資家から1位の評価を獲得するなど、広く圧倒的な支持を得ていることも強みです。

日本株市場の分析には、企業の決算説明会資料や統合報告書、金融専門メディアのニュース、各種セミナーなど、誰でもアクセスできるデータを材料として使います。いかに感度高くアンテナを張り、こまめに情報を収集するかは個人の力量次第であり、この仕事の大きなやりがいの一つです。
誰でもアクセスできるデータですから、当然一定のコンセンサスが生まれます。しかし私は、コンセンサスよりも“自分がどう思うか”が重要だと考えています。例えば最近の株高は、数年前のコンセンサスでは決して見通せなかったでしょう。予見できていたのは、コンセンサスを疑っていた人だけです。常識を疑うことが、この仕事では重要なのです。
もちろん予想が外れることもあります。その原因を自分に問いかけ、足りなかった力を身につけるために自分を鍛えていく、その繰り返し以外に分析の精度を上げていく方法はありません。
日々の努力で蓄積した点と点が、ある日突然つながって線になる。そんな”connecting the dots”の感覚を大切に、仕事に向き合っています。

時代の変化と常に向き合える点も、この仕事の面白みです。
私が入社したのは2016年でしたが、その年の6月に英国の国民投票でブレグジット(Brexit=イギリスのEU離脱)が選択され、その5か月後に第一次トランプ政権が発足しました。その後、米中通商摩擦によってマーケットが荒れ、やっと落ち着いたと思ったら新型コロナウイルス感染症による世界的なパンデミックです。コロナ禍では一時、終末期のような空気が流れましたが、巣ごもり需要という新しい消費形態が生まれたり、半導体不足が起きたりしたことで、人々のマインドセットも変わり、世界的にインフレ基調に向かいました。そして今はAIが大きなインパクトを与えています。
同じ仕事を10年続けてきましたが、見ているマーケットそのものが激しく変化しているので、まったく飽きることがありません。金融経済のダイナミックな動きに日々向き合ううちに、気がついたら10年経っていたという感覚です。

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若手に海外での大役を任せる、野村證券のダイナミズム

野村證券の大きな魅力の一つが、若手にチャンスを与え、チャレンジさせてくれることです。好例が、2025年4月に行った海外キャラバンに参加したことです。
海外キャラバンとは、海外投資家を訪問して日本株を売り込む大規模なマーケティング活動で、野村證券が1980年代に始めたものです。キャラバンは“砂漠の行商”を意味する言葉で、最初に乗り込んだ先が中東だったことから名づけられました。その後、一時海外キャラバンは途絶えたのですが、2022年に再開されました。2025年には3月31日から4週間、約20人のリサーチャーらが国内外25都市を訪問しました。
その一員として私がアサインされ、欧州5か国と中東3か国を訪問しました。
野村證券を代表して日本株を海外投資家に売り込んでいく大役を任されたことは大変に誇らしく、日本株ストラテジストとして一人前であると認められたように感じました。

世界中の公開情報をオンラインで簡単に入手できる時代だからこそ、あえて遠いアジアから欧州や中東まで足を運んで、なじみの薄い日本株を紹介することには、大きなインパクトがあります。欧州マーケティングではちょうど第二次トランプ政権による相互関税ショックで世界が揺れていたタイミングでもあり、「こんな時期に日本株を買っていいのか」という空気でしたから、なおのこと顧客と直接対話することが重要であると感じました。
スイスで投資家と対面した際、ホワイトボードがなかったので私のノートを広げて株価の下落幅と業績インパクトを比較する計算式などを書きながら議論をしました。市場が大きく混乱しているときでも冷静にファンダメンタルズを分析し、丁寧に説明することで、投資家のパフォーマンスに貢献できることをあらためて実感しました。
日本株への注目度は世界中で高まっており、今後もこうした機会は数多く発生すると思うので、これから入社される皆さんにも参画のチャンスがあるのではないでしょうか。

政府と東京証券取引所が主導しているコーポレートガバナンスの改革について、韓国取引所(韓国の証券取引所)で約200人の投資家・事業会社向けにプレゼンテーションを行ったことも、チャレンジの一例です。
コリアディスカウントという言葉がありますが、韓国企業は他国企業と比較して低いバリュエーションで取引される、つまりディスカウントされていることが知られています。主な原因の一つが企業統治の脆弱さにあるため、韓国では日本をロールモデルとしてガバナンス改革に力を入れており、その知見を得たいということで野村證券に声がかかりました。そこで私がプレゼンテーションを行うことになったのです。韓国における野村證券のプレゼンス向上に寄与できたことは間違いなく、「日本株なら野村證券」という認識を高められたと自負しています。

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新たな知見を求め、MBA留学という次なる挑戦へ

2026年秋から2年間の予定で、米国にMBA留学する予定です。自己応募・選抜型で60年以上続く選抜研修プログラムを活用するもので、上司の勧めもあり、チャレンジすることを決めました。
日々変化するマーケットと向き合っていると飽きることはないとお話ししましたが、経済学の「限界生産力逓減の法則」にも似て、経験を重ねるにつれて新しい発見や学びは年々減っていくことを実感しています。新たな成長をするには、新しい環境に身を置くことが重要です。ただし若ければいいとも限らず、ある程度自分の基礎ができた今のタイミングだからこそ、意義ある時間が過ごせると考えています。このような機会が用意されていることも、野村證券ならではの魅力です。

ウォールストリートで活躍する現役のファンドマネジャーが講師を務めるほか、一緒に学ぶ仲間もウォールストリートの運用会社で働くことを目指しており、非常に刺激的な環境が留学先には用意されています。ここで自分の知見をさらに深めていくとともに、彼らとのコネクションをしっかり築いていきたいと考えています。
帰国後の配属は未定ですが、自分としては再び日本株ストラテジストとして日本株リサーチに携わりたいと考えています。というのもこの分野でプロフェッショナルと呼ばれる人材になるには非常に長い時間がかかるとされており、これまで10年間携わってきたことで、一人前になる数歩手前まで来られたという感覚があるからです。残りの数歩分の歩みを進めていくことが、今後のビジョンです。

日本株ストラテジストという私の仕事は、非常に奥の深い仕事です。しかし、私がそうだったように、新卒入社の新人でもチャレンジは可能です。上司を含め先輩方には業界の有名人も多く、ロールモデルとして尊敬できる方ばかり。目標とする存在が身近にいてくださることを、大変ありがたく感じています。
精神的、肉体的なタフさに加え、常に自分をアップデートする努力が不可欠な仕事です。あふれるほどの知的好奇心をお持ちの方に、ぜひチャレンジしていただきたいと思います。

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