次代の羽咋を「共創」する。

次代の羽咋を「共創」する。

未来対談
次代の羽咋を「共創」する。

石川県・羽咋市と日本旅行は2019年に「羽咋への新しいひとの流れをつくる」包括連携協定を締結し多様な地域の活性化プロジェクトを推進している。
地域振興室室長の崎田智之氏と日本旅行金沢支店の宮本貴正支店長に「地方創生」のあるべき姿と、「共創」の取り組みについて伺った。

PROFILE
株式会社日本旅行

(左)
日本旅行
金沢支店 支店長

宮本 貴正


(右)
羽咋市
地域振興室 室長

崎田 智之 氏

婚活イベントの運営者同士が「結婚」?

――まずは、羽咋市と日本旅行の「馴れ初め」を教えてください。

宮本: 2018年に貸切列車を利用した婚活イベントを企画・開催したことがきっかけです。このイベントは、羽咋市への定住促進・少子化対策の一環として行われたもの。風光明媚な七尾線を走り、縁結びの神様「気多大社」で恋愛成就祈願をし、宇宙科学博物館「コスモアイル羽咋」にてフリータイムを過ごし、カップルの誕生を目指す……。ただ、いち早く結ばれたのが、私たちだったというオチです(笑)。

崎田: そうそう、参加者を差し置いて幹事同士がくっついちゃったという(笑)。イベント後、3か月でのスピード婚でしたね。

――お互いのどのような点に魅力を感じて、「共創関係」を締結されたのでしょうか。

崎田: 「私たちにないものを持っている」ことですね。たとえば、日本旅行と組んで大阪・台湾で物産イベントを開催したことがあるのですが、私たちだけでそれをやろうと思うと、情報の収集や場所の手配、イベントの運営など、苦労することは山ほど存在する。ところが日本旅行なら、「だったら、こんなことができますよ」とすぐに実現させてくれるわけですからね。情報力に企画力、さまざまなパートナー企業とのネットワーク……。そうした財産を活用させてもらえることは、私たちにとって大きなメリットになっています。

宮本: 地方創生の取り組みは「想いを持った人を巻き込むこと」ではじめて成果が生まれるもの。羽咋市の魅力は、誰よりも強く、熱い想いを持っていることです。「羽咋の魅力を広めたい」「羽咋をよりよくしたい」。その情熱があるからこそ、一過性の強い「点の取り組み」ではなく、継続的かつ一貫性のある「線のチャレンジ」をしていける。お互いの未来に意義のある、情熱的な結婚だったと思っていますよ。

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求められるのは、常識を超えたチャレンジ。

――昨今、「地方創生」というワードが声高に叫ばれています。その取り組みを意味あるものにしていくために、どのようなことが大事になってくるとお考えですか。

崎田: これまでの行政のやり方や既存の常識に囚われず、自由な発想でチャレンジしていくことですね。私が所属する部門は、地域振興室という名がついていますが、地域振興って観光だけをやっていればいいわけではないですよね。産業・農林水産の発展や交通の利便性から、住民の皆さんの健康や暮らしやすさなど、全てを包括して初めて成立するものなのですから。私たち地域振興室のミッションはその旗振り役を務めること。やるべきことは山積していますが、それはあらゆる部門を巻き込んで、やりたいことを何でもできるということでもある。非常にやりがいのある仕事を任せてもらえたと思っています。

宮本: あらゆる部門を横断し、トライ&エラーで一貫した施策を行う。羽咋市との理想的なパートナーシップは、「地方創生」に欠かせない重要なファクターだと思っています。私たちは多くの自治体からさまざまな事業を受託していますが、その多くが単一の部署の一時的な取り組みで完結してしまっています。農業振興の取り組みであれば、関わるのは農林水産に関する部署だけ。一回イベントを運営すればプロジェクトは終わりといった感じですね。ですが、それでは本当の意味での「地方創生」「地域ブランディング」はなし得ません。明確なビジョンに向かって、線の取り組みを行えるか。この点は重要だと考えています。

崎田: その通りですね。「そこに住んでいる人全てが、ずっとここで生きたいと思える」「ここから出て行った人も、郷里の魅力を誰かに語りたくなる」。私自身も、そんな羽咋市の未来を思い描いていますから。

宮本: 崎田さんご自身が、羽咋での暮らしを楽しまれていますよね。狩猟をしたり、投網漁をしたり……。地域の魅力を全力で味わっている感じがします。だからこそ、この仕事に対する想いも強くなるんだろうな、と。

崎田: 狩猟を始めたのは、イノシシによる農作物の被害が大きくなったことがきっかけでしたし、投網漁をするようになったのも「鮒を刺身で食べる」という羽咋ならではの文化に興味を抱いたからでした。この街に向き合い続けることで、私自身も多くの発見や学びを得られているのでしょうね。

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羽咋の空に、航空機を飛ばす。

――崎田さんから、羽咋市の未来像が語られました。その価値を具現化するために、羽咋市×日本旅行ではどのような取り組みが行われているのでしょう。

崎田: とくに象徴的なのは、コロナ禍における「地元を見直す修学旅行」ですよね。

宮本: そうですね。この取り組みは、コロナ禍で修学旅行の機会を奪われた生徒さんに対して、新しい教育機会と思い出づくりの場を、ということで企画されました。特別に国際線仕様の航空機をチャーターして、慣れ親しんだ羽咋市を上空から見てもらう。普通ではできない、貴重な体験を届けられたと思っています。

崎田: 普段は航路になっていない場所に飛行機を飛ばす。私たちだけでは、思いつくことも実現することもできない企画でしたね。しかも、英語教育が進んでいる市の特徴を考慮して、国際線の環境を再現し、税関のやりとりもシミュレーションしてくれました。

――さまざまなコンテンツを手がけてきた、日本旅行ならではの心配りですね。

宮本: 当時その企画を担当した井上社員は、今、羽咋市さんに出向しているんです。彼自身、新たな発見や成長機会をいただき、充実した日々を過ごしているようで。まあ、金沢支店としてはかなりの痛手なのですが(笑)。お互いの今後を考えると有意義な人的交流だと思っています。

崎田: 彼自身、行政独特のルールや仕事の進め方を目の当たりにして、新鮮な発見があったようですよ。実際に、さまざまな仕事でアイデアを発揮してくれていますしね。羽咋市の公式Youtubeチャンネルにアップされている「男の二人旅」という動画も彼の仕事です。タイアップのお笑い芸人さんを起用して、なかなか面白いコンテンツになっていますよ。

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知と文化の融合で、新たな化学反応を。

――最後に、今後の展望をお聞かせください。

宮本: この結婚を本当に幸せなものにするために、トライ&エラーを重ねながら、一貫した取り組みを支えていきたいと思っています。地域ブランディングに関して言えば、800以上も存在する自治体の中で、どこを羽咋市の魅力として尖らせていくのか。切り口はいくらでもあると思っているんです。たとえば、羽咋市の座禅体験と健康診断を組み合わせて、心身ともに健康になれる町づくりをアピールしてもいい。日本旅行にしか提供できない場や情報、パートナーシップを最大限に活用して、次代の羽咋市を実現するお手伝いをしていきたいですね。

宮本: この結婚を本当に幸せなものにするために、トライ&エラーを重ねながら、一貫した取り組みを支えていきたいと思っています。地域ブランディングに関して言えば、800以上も存在する自治体の中で、どこを羽咋市の魅力として尖らせていくのか。切り口はいくらでもあると思っているんです。たとえば、羽咋市の座禅体験と健康診断を組み合わせて、心身ともに健康になれる町づくりをアピールしてもいい。日本旅行にしか提供できない場や情報、パートナーシップを最大限に活用して、次代の羽咋市を実現するお手伝いをしていきたいですね。

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