JINSが目指す社会との共生の道。その最前線で自らの成長にも挑む。

JINSが目指す社会との共生の道。その最前線で自らの成長にも挑む。

JINSが目指す社会との共生の道。
その最前線で自らの成長にも挑む。

このストーリーのポイント

  • 社内転職のように、多様な部署でキャリアを重ねる
  • 現在は創業の地で、地域社会との共生に向けた施策に携わる
  • 変化すること、チャレンジすることを楽しむ人に期待したい

アルバイトとしてJINSのキャリアをスタート。以来、会社の成長とともに自身も成長を続けてきた。携わった職務は様々だが、店舗経験が活きているという点に変わりはない。これからも次の成長を目指して、チャレンジを続ける。

PROFILE
株式会社ジンズ

白石 将

地域共生事業部 事業部長 ※取材当時

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2005年入社。芸術学部デザイン学科プロダクトデザインコース卒。大学時代、JINS1号店でアルバイトをする。卒業後、正社員となり約5年間、店舗業務に従事。その後、業務改善やEC向け加工センターの立ち上げ、米国駐在、台湾事業部の立ち上げ、アイウエア事業の統括などを経て、現職。

求められるのはファーストペンギン

2001年、博多・天神にJINSの1号店がオープンしたとき、高校生だった私はサングラスを買いに行きました。その後、大学でプロダクトデザインを学び、就職活動の時期を迎えてメガネを買おうと思って立ち寄ったのが、同じ1号店。とても楽しい接客をしていただいた記憶があります。わずか5分ほどの接客だったのに、1週間後に行ったら私のことをしっかりと覚えてくれていることに感激し、「接客業もいいかも。デザインの仕事をするにしても、お客さんの一番近いところで仕事をする経験はきっと役立つはずだ」と思いました。それで夏休みにアルバイトをさせていただき、その後、正社員として入社するに至りました。

当時は5店舗しかなかったJINSも、今では全世界で600店舗近く。100倍以上の規模になりました。もちろん入社当時は“群馬生まれの小さなメガネ屋”という認識でしたから、まさかこんなに大きな企業へと成長するとは、夢にも思っていませんでした。
転機となったのは2009年。画期的な価格体系を導入し、戦略商品「Airframe」第1弾を発売したことでしょう。当時会社の状態はあまりよくなく、何かを変えるためには思い切って勝負しなくてはならないと考え、「Airframe」は通常の商品の20倍以上も生産し、広告宣伝費も前年の何十倍もかけました。この思い切った施策が成功し、新しいことにチャレンジすることを善とするカルチャーが生まれたのだと思います。
今でも仕事をしていて感じるのは、リスクテイクすることの大切さです。リスクを負わなければリターンは得られません。目先のことにとらわれず、勇気をもって海に飛び込めるファーストペンギンでなければならないと感じています。

私自身も、会社で初めて接客のマニュアルを作ったことを皮切りに、常に新しいことに挑戦してきました。まるで転職を繰り返したかのように様々な部署へと異動し、新しいことをやり続けてきました。
そもそも2年も同じところにいると、じっとしていられなくなる性分でもあるんです。JINSという会社はそんな私の性格にフィットしていたのでしょう。会社の成長と自分の成長をシンクロさせられたのは、とても幸せなことだと感謝しています。

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街の活性化に、いち民間企業に何ができるか

私にとって新しいチャレンジとして最たるものは、地域共生事業部の責任者としての取り組みです。
地域共生事業部は当社のビジョンである「Magnify Life」(人々の生活を拡大し、豊かにする)を実現する一環として2021年に発足した組織です。JINSの創業の地は群馬県前橋市です。この街も他の地方と同じようにシャッター商店街が広がり、活気が失われつつありました。ここに人が集まる場所を作りたいという思いが、地域共生事業部の原点です。
皆さんにも幼い頃の街の記憶があると思うのですが、大学進学のために都会へ出てきたとしても、ちゃんと戻れる場所があるというのは大切なことだと思います。今、前橋市に暮らす子供たちにもそんなステキな故郷の街を作ってあげられたらと思って、様々な取り組みを進めています。

人の集まる場所を作りたいといっても、それが“メガネ屋”に可能でしょうか。普通、メガネを買い換えるのは3年に一度程度ですから、それではとても人が集まる場所にはなれません。そこで2021年にオープンした「JINS PARK前橋」では「びっくりするほど、みんなの場所。」をコンセプトにベーカリーやカフェを併設したほか、マルシェやアートワークショップなどのイベントも開催するようにしました。おかげで子供からお年寄りまでが集う場所が前橋市に誕生しました。
いち民間企業が地域活性化という社会課題に向き合って何ができるかということにチャレンジしてみたわけです。今では地元の子供会からイベントごとの相談や、町内会と商店街の連携についての相談などもいただくようになりました。自治会長さんがJINSのメガネを買ってくれたのも嬉しかったです。新しい取り組みなので非常にパワーは必要なのですが、徐々に成果に結びついてくると、やりがいを感じます。

私に地域共生事業部の事業部長をやるようにという辞令が下ったのは、アイウエア事業の責任者を務めていたときでした。当時は事業の売上をいかにして追求するかという仕事を担当していましたから、半ばボランティアのような、仕事に取り組むことに戸惑いはありました。ただ違和感はなかったですね。地域共生に取り組むなら、自分もこの街に住まなければと思って東京から前橋市に引っ越しました。
私もずっと店舗で接客をしていた経験があるわけですが、チェーン店となると地域で商売させてもらっているという感覚は希薄になってしまうんです。けれど前橋に暮らし、「JINS PARK前橋」に地元の人々が集まってくる様子を見ていると、確実に地域に溶け込めてきたと感じます。JINSはリアルな店舗を持っていますが、街が衰退すればJINSも衰退します。時間はかかったとしても街に活力が戻れば、それはJINSにも活力をもたらしてくれるでしょう。社会課題の解決とビジネスの両立というテーマに対する、これは一つの答えになると考えています。

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新しい挑戦が次の成長への転機に

これまでのキャリアを振り返って大きな転機となったのは、2008年、CEOの田中から言われた一言でした。当時私はストアディレクターだったのですが、売上が前年に比べて落ち込んでいました。そんな私に田中は「今、白石君がいなくなったとして、困る人はいるか」と問うてきたのです。この一言はさすがに堪えました。それで、いなくなったら困ると言われるような人材になればいいんだと考えるようになったのです。そのために、どの部署が担当すればいいかはっきりしないような仕事、誰かがやらなきゃいけないのに誰もやりたがらない仕事を自ら手がけるようになりました。業務マニュアルなどはその一例で、誰に言われたわけでもないのに自分の時間を使って作成していました。
次の転機が、業務改革に取り組んだことです。例えば棚卸しの回数を減らしたりPOSレジを導入したりといったことに挑戦したのですが、当然のことながら現場や管理部門との協力が必須でした。それまでの私は人に助けてもらうことが大嫌いだったのですが、この取り組みのおかげで人に頼り、力を借りることで大きな仕事ができることを学びました。これは現在の地域共生事業部での仕事にも通じることです。

失敗も経験しました。印象的なのはECの加工センターを立ち上げたときです。 これはECで受注したメガネを組み立てて発送するための新しい組織で、立ち上げ初日から当初見込みの倍以上の注文が殺到し、とてもこなしきれないというのでいったんストップせざるを得なくなってしまったのです。せっかくスタートしたECのビジネスも足踏みしてしまいました。ラインを再構築するために大勢の人の力を借りましたが、人に助けてもらうことの大切さをここでも再認識しました。
ただし、この失敗に対してCEOの田中は「こんなセンターを立ち上げられるのは他にはいない。失敗したことよりも、挑戦したことのほうがすごい」と言ってくれたんです。JINSならではの、挑戦を大切にするカルチャーを改めて感じました。

台湾での事業の立ち上げも思い出深いものです。
当時私はアメリカに駐在していたのですが、CEOの田中から「台湾を頼む」と言われて、アメリカと台湾を行き来しながら店舗を探すことに。結局1年で3店舗を同時に立ち上げるという、とんでもないスピード感で進めていきました。当初から台湾ならば50店舗はいけると思っており、そのためにも3店舗同時オープンは必要だと考えていたのです。
これほどのスピード感も、JINSならではのものです。

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“メガネ屋”の枠を超えてもいい

アルバイト時代も含め、店舗での接客経験というのは、私にとって大きな財産となっています。例えばお客様からお叱りを受けると、私は自分にどんな落ち度があったんだろうと考えるようにしていました。今の仕事でもこれは変わりません。何か問題が発生したときに、そこから逃げることなく原因を探り、解決するために自分に何ができるかを考える。これは私の大きな強みだと自覚しています。
今も私は「ONCA COFFEE」(JINSが新たに立ち上げたカフェ&ロースタリー)でコーヒーを淹れ、接客しています。そして現場の作業で何か不都合なところはないかを一緒に働く仲間に聞き、一緒に改善しています。
変化が激しい時代ですから立ち上げ期間の完成度は7割でよくて、あとはオペレーションしながら少しずつ改善していけばいいんです。そのためにも、問題を解決するために自分に何ができるかという考え方は、大切にしています。

これまでの歩みを振り返ると、とても一つの会社で過ごしてきたとは思えません。だから飽きることはなかったし、いろんな経験を積むことができました。
多かったのは1を10にする仕事、つまり誰かが立ち上げたり発想したりした事業を育て上げていく仕事です。そうやって重ねてきた経験が自分の中でかなり蓄積されてきたので、これからはそのピースを組み合わせて新しいものを創り出す、つまり0から1を生み出すことにチャレンジしたいですね。まだまだ飽きることはないと思います。

個人的には、JINSもそろそろ“メガネ屋”という枠を超えていいと思っています。私の理想は「JINSがいるからこの街が元気になった」と言われるような会社です。
これからもJINSは変化していくと思うし、だからこそ自らリスクを取れる人、ファーストペンギンになれる人に期待したいと思います。「とりあえずやってみるか!」。何ごとに対してもそう向き合える人は、JINSにとてもよくフィットすると思います。

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