BPOの魅力を世界一わかりやすく届ける。賛同してくれる仲間を増やしたい。
BPOの魅力を世界一わかりやすく届ける。
賛同してくれる仲間を増やしたい。
このストーリーのポイント
- 演劇で人を楽しませる面白さに目覚め、就職先も楽しく働ける場所を選んだ
- 苦手意識があったはずのコミュニケーションが、実務を通して得意技になっていく
- コロナ禍での人事異動という逆境が、新たな挑戦の絶好機に
株式会社アテナで、採用や人事を一手に担い、多くの学生からの支持を集めている。その秘訣は、広く社会に貢献できるBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)サービスの魅力を分かりやすく伝える採用戦略にある。採用担当者として、アテナの存在を多くの学生に知ってもらいたいという願いは誰よりも強い。
株式会社アテナ
長谷部 颯
人事部
2016年新卒入社
休日は社内の同僚と月1回の麻雀を楽しんだり、10年ぶりに再開した水泳の大会に出場したりと、充実している。次の目標はトライアスロン出場、仕事でもプライベートでも、新しい挑戦が大好きだ。
人を楽しませ、自らが楽しめる仕事を探していた
高校までは水泳一筋、そんな私が大学で思いがけず夢中になったのが演劇でした。最初は演劇のお堅い部分に目が行き、抽象的な演目や難解な脚本に戸惑っていましたが、コメディ作品と出会ったことで、面白いことで人を笑わせる快感に目覚めたのです。役者として出演を依頼されるときは、面白い役でなければやらないと公言するほど、エンターテインメント性を追求していました。振り返ると、この経験が就職活動の軸にもなったように思います。
楽しく働きたい、そう思って、社内の雰囲気やビジネスモデルの面白さを観察して、会社選びを進めました。格式ばった雰囲気の会社は避け、人と人とが自然体で関われる職場を探していました。しかし就職活動では、多くの企業の採用面接で緊張のあまり言葉が出てこなくなりました。頭が真っ白になり、1分ほど沈黙してしまったこともあります。「面接では面白いことを言わず、真面目な学生を演じなくてはならない」と思い込み、素の自分を出すことができずにいたのです。
そんな中、アテナの説明会で参加した座談会が印象的でした。社員同士が自然な会話を楽しんでいて、ときには笑い声も響いていました。私の中では新鮮な体験でしたが、面接ではさらに驚かされることになります。私の大学での研究内容に対して、面接官が純粋な興味を持って質問してくれたのです。研究のどんな部分が私を惹きつけたのか、そのことによって私は何を学び、どう変わったのか。まるで普段の会話のように聞いてくれて、気づいたら緊張から完全にほぐれる面接は、初めての経験でした。後年、私が採用面接を担当するようになってからも、学生から学ぶ姿勢で面接に臨み、その人が経験してきたことに興味を持って質問を投げかけることを意識しています。現在でも多くの学生が自然と熱を持って語ってくれる姿を見ると、私自身の経験が原点だったと思います。
私の研究テーマは「ヒューマンエラーがなぜ起きるのか、どうすれば防げるのか」という内容でした。面接のときはそれほど意識していませんでしたが、内定をもらいアテナの事業内容を知るにつれ、研究をBPO業務に活かせると思うようになりました。BPO(Business Process Outsourcing)とは、企業の業務を、外部に委託することです。私たちは顧客から託された大切な業務を確実に遂行する責任があり、人為的なミスを極力排除しなくてはなりません。これまで学んできたことがどのように仕事に活かせるか、希望をもって入社することになりました。
自身の提案によって顧客に喜ばれた経験から工夫する楽しさを知る
アテナでは、入社後に社員自らが希望の職種に就ける制度があります。私が、メーリングサービスの事務管理担当を選んだのは、リスクマネジメントやミス防止といった知識がすぐに実践できそうだと感じたためです。また本音を言うと、営業職には漠然とした恐怖心があったのも選択の理由の1つです。
研修を終えて現場に入ると、あるお客様からお預かりしたダイレクトメール発送の業務にたずさわりました。ここで作業時の封筒の向きと、内部に入れる用紙の向きがセオリーに外れる方法で機械封入作業をおこなっていることに気づきました。正しい方法に変えれば、作業効率は上がり、資材のロスも減らせますし、より早く郵送物を顧客のもとに届けられるようになります。若い私でも気づくような作業工程の話を、当然現場の作業者も営業担当も気づいていないはずがありません。しかし、かなり前からお客様の指示で指定されているので、「仕方ないか」と特に変更していなかったというのが真相でした。これを営業担当者に話すと「現場作業を担当する長谷部さんが提案するのがよい」と言われました。自分がお客様に提案するなんておこがましくもあり、恐さもありました。しかし思い切って、オペレーションの変更をご提案したところ、非常に喜ばれただけでなく「今後もどんどん改善提案してほしい」との期待の言葉をいただきました。その時は私にとって、お客様に対する漠然とした恐怖心が払しょくされただけではなく、今の自分の仕事がすごく面白くなった瞬間でした。BPOは、言われた通りに作業をこなすだけの業務代行ではありません。お客様の業務をより良くするための提案ができる、つまりコンサルティング的な要素も含まれているのです。今、アテナでは「BPO = コンサルティング + 業務代行」という方程式で説明しています。
その後は、会社全体の品質・セキュリティを管理する部門に異動し、監査への対応を一手に引き受ける仕事を担当しました。主な業務は、お客様からの監査対応やPマーク、QMS(品質マネジメントシステム) ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)などの認証の維持です。ここでは、監査で指摘を受ける前に、自ら課題を見つけて改善策を提案することの大切さを学びました。先回りして予測すれば、対策を具体的に説明できます。そうすれば、お客様からの信頼が増すことを実感できました。気がつけば、苦手意識があったはずの社外の方とのコミュニケーションが、むしろ得意分野になっていました。お客様の視点に立って準備し、的確な説明を心がけることで、自然と対話が円滑になっていったのです。
人事への異動。何も知らないからこそ挑戦できた
2020年春、前任者の育休に伴い人事部への異動を打診されました。ただでさえ、未経験の人事や採用の業務でしたが、直後に新型コロナウイルスの感染拡大で状況は一変します。4月入社の新入社員研修を目前に控え、急遽すべてをオンラインに切り替える必要に迫られました。支給されたノートパソコンを一斉に新入社員の自宅へ発送し、オンライン研修の準備に追われた日々は今でも鮮明に覚えています。しかし、この激動の時期で誰もが手探りの状態だったからこそ新しいアイデアにも大胆な挑戦が許されます。振り返ってみれば、人事初心者の私にとって、他社の人事担当との経験の差を埋める大きなチャンスでした。
特に力を入れたのが、オンラインインターンシップの実施です。以前の担当者も取り組むべきだと再三、課題とはしていたのですが、社内のリソースが足りず、見送られてきた経緯があります。ならば、「できる範囲で3時間完結の濃密なオンラインのプログラムを作ろう」というのが私の考えでした。短時間だから気軽に参加できると、メリットを感じる学生もいるはずだと考えました。そこで、動画による会社説明と、リアルタイムの座談会を組み合わせる形式を考案しました。動画再生中にチャットで寄せられる学生の質問にはすべて目を通して、後半の座談会の話題づくりにも活かせます。先輩社員の座談会は、私が就活したときの経験から、最も大切にしている部分です。画面越しでも、社員同士が自然に会話を楽しむ様子を感じ、どんな聞きづらい質問にも制限をつけないように設計しました。
最近は大手の採用サービスでも、BPOが1つの業種として紹介されるようになりましたが、まだまだ学生たちには耳慣れないはずだと感じていました。そこで、まず「ビジネスプロセスアウトソーシング」を分解し、「仕事(ビジネスプロセス)を外部(アウト)に依頼(ソーシング)すること」と、誰もがわかる説明文を作りました。アテナが得意とするメーリングやロジスティクス、印刷やコールセンター業務など幅広い分野の仕事を任せてもらうことで、依頼する側の企業は、本来得意とする業務に集中できます。あらゆる企業のビジネスを下支えすることで社会に貢献できる、アテナの仕事の魅力が伝わるように説明会用の資料をブラッシュアップしていきました。こうした取り組みは予想以上の成果を上げ、応募者が増加しただけでなく、事前にアテナのビジネスについて理解を深めた上で入社する人が増えました。
人事の仕事は、まさに「やってみなければわからない」の連続でした。前例がないことでも、数字で効果を示しながら、一つずつ実現していく。そんな改革の日々は、苦労も多かったけれど、本当にやりがいがありました。今後いつまで人事の仕事を続けるか予測はできませんが、いつか自分が採用した社員たちと一緒にプロジェクトを立ち上げ、マネジメントをする密かな目標をもっています。研修で一緒に取り組み、学んだ思い出を共有しながら、チームを率いていく夢が叶えられたらいいですね。